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      2021/02/06

【おすすめの丸型スツール5選】意外と難しい?コーデ実例交えてご紹介

佐伯美知枝
著者:佐伯美知枝 (二級建築士/インテリアコーディネーター)

宿泊施設専門のコンサルティング会社にて、旅館やホテルのオープン・リニューアル案件を担当。その後インテリアショップ「カギロイ」勤務を経てフリーのコーディネーターに転身。小型犬+家族3人暮らし、自宅は古材家具に囲まれた和モダン風です。心身共にリラックスできる居心地良いお部屋づくりをモットーに、様々なインテリアをご提案できるよう心掛けています。

ダイニングテーブルにあわせて椅子を購入される際、テーブルと同シリーズの椅子があれば、そのまま同じもので揃えようと考えられる方は多いかと思います。ですが、椅子についてもじっくり考えてみたいもの。

大きさや形状にもよりますが、背もたれ付きの椅子は、数量が増えれば増えるほど見た目に圧迫感があり、その存在感が気になってしまうことが…。さらに重量がある椅子は、掃除のたびに持ち運びも大変です。

そこで検討したいのは、小ぶりで持ち運びがしやすいスツール。さまざまな種類がありますが、お部屋をなるべくすっきりと見せたい方、設置場所を限定しないでフレキシブルにお使いになりたい方などにおすすめしたい、丸型スツールを中心にご紹介いたします。

 

丸型スツールを選ぶ場合の注意点とは?

ポイント①スツールの用途から座面の高さを決める

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まずはスツールを使う目的とシーンを想定しましょう。食事用として使う頻度が高いなら、ダイニングテーブル(H700前後)に合わせて、座面高さH380~420程度の座面高さを確保する必要があります。

キッチンカウンターなどに置いて料理の作業用として使うのであれば、チェアの座面高はカウンターより25~30cm低いものが適しているとされています。例えば座面高さH700程度のスツールなら、高さ100cm前後のカウンターと合わせやすいです。

また、形状や素材によってはサイドテーブルとして使うこともできますね。寝室のベッドそばにナイトテーブル代わりに設置すれば、読みかけの本やブランケットを乗せておくこともできます。H400前後の高さがあれば一般的に使いやすい高さといわれていますが、ベッドの高さとのバランスをとりましょう。

踏み台代わりとして使うのは、足を乗せる十分なスペースがなかったりするとぐらついたり、素材によってはスツールにヒビが入ったりする危険があるのであまりおすすめできません。その場合は、踏み台としても使用できる仕様のものを選びましょう。

 

ポイント②丸型スツールの利点は?使うシーンからスツールの素材と形状を考える

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スツールの用途が決まったら、設置する場所が絞られてきます。どのような素材や形状が適しているか検討しましょう。まず、スツールを移動する頻度が高い場合は、ポリプロピレンやポリカーボネードなど、軽量なものが持ち運びしやすく便利です。

木製スツールを洗面所などの水濡れしやすい場所に置きたい場合は、できれば木の表面をコーティングするウレタン塗装仕上げのタイプを。その場合も、こまめに水気を拭き取るなど定期的にメンテナンスを行いましょう。

また、座面の形状ですが、丸型か角型ともに利点があります。丸型は全方向から座れて見た目も軽やか。丸型テーブルに合わせるのなら、同じ丸型スツールで揃えるとすっきりみえます。角がないので、小さなお子様にも安心ですね。対して角形は、壁面にぴったりとつけて写真集などを立てかけるなどディスプレイ台としても使えます。

 

ポイント③+α(プラスアルファ)の機能付きスツールにも注目

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最近のスツールには、腰掛け用やサイドテーブル用としてだけではなく、+αの機能が付加されているものがあります。スマートフォンなどが充電ができるマルチタップ付きのもの、フットマッサージ機能がついたもの、バランスを取りながら座ることで筋トレができるものなど、意外性がある便利なものも。

素材や仕様・デザインは外せないポイントですが、このような機能付きスツールにも注目してみましょう。

 

意外と難しい?丸型スツールのNGコーデ実例3選

①テーブルサイズとスツール座面の高さが合っていない

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テーブル天板の高さと椅子の座面高さの差を「差尺(さじゃく)」といいます。一般的にこの差尺は座高の1/3が適当とされ、成人男性では28~30センチ、成人女性では27~29センチ程度が標準。テーブルとスツールそれぞれの高さバランスが合わないと、ムリな姿勢をとることになり、疲れやすくなってしまいます。

テーブルでパソコン作業をするときは、キーボードの厚みの分を考慮して、通常より低めにとるのがベストです。

②テーブル脚の形状とスツールのサイズによって、座りにくくなることも

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スツールは、丸型テーブル、角型テーブルのどちらにも合わせやすく、どの向きからでもまたいで座りやすいのがメリットです。ただし、細長い形状のベンチスツールの場合は、ちょっとした注意が必要。それは、テーブルとスツールにおけるサイズの関係性です。

もし、四本脚のテーブルで、脚がテーブルの四隅についていた場合は、スツールのサイズやレイアウトによってはテーブル脚と干渉してしまい、大きくまたがないとスツールに座りにくくなることがあります。

テーブルの脚がT字型(二本脚)、または一本脚仕様であれば、テーブル脚とぶつかることなく、スツールに座りやすくなるのでストレスフリーに。掃除がしやすくなるのも利点です。

③回転盤が附属するスツールは、かなりの重量があることも

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丸型スツールには、座面が回転する機能付きのものがあります。座ったり降りたりする際にとてもスムーズなので、カウンターテーブルと合わせて使われることが多いのですが、ここでも少々気を付けたい点が。

それは一般のスツールと比べると、どうしてもネックになってしまう重さ。金属製の回転盤や部材が附属しているため、一般的に6~7キロ程度、あるいはそれ以上の重さだと考えたほうが良いでしょう。例えばダイニングテーブルに合わせて数脚揃えると、出し入れや掃除のたびにおっくうになってしまうことがあります。

回転盤が附属する丸型スツールにこだわりたいときは、できればショールームやショップにて、実際の重さを確認してから選んだほうが安心です。

コーデ実例つき!絶対外さない丸型スツールのおすすめ5選

①Tabouret Solvay stool(タブレ ソルベイスツール):Vitra(ヴィトラ)

https://vanilla-kagu.com/fs/design/c/tabouretsolvay

イサム・ノグチやチャールズ&レイ・イームズなど、著名なプロダクトデザイナーの作品を多く抱えるスイスのVitra社(1934年創立)のスツールです。手掛けたのは、フランスのデザイナー兼建築家であるジャン・プルーヴェ。

「美しいものは必要な機能から生まれる」という哲学をもとに、三角形の脚4本で座面にかかる力をバランスよく分散させ、連結部のスチール製金具の強度を引き出しました。家具デザインから建築デザインまで手掛けた、無駄のない構造美にこだわるデザイナーならではのプロダクトです。

スペック

サイズ:座面直径350㎜(脚部W400㎜)×H450㎜ 重量:約4.5キロ

フレーム:ソリッドウッド(スモークドオーク、ナチュラルオーク、アメリカンウォールナット オイル仕上げ)、スチール(粉体塗装)

価格:\68,000~(税抜)

コーディネート例

https://vanilla-kagu.com/fs/design/c/tabouretsolvay

建築物の構造からインスピレーションを得てデザインされたといわれるこのスツールは、ミニマルな空間にこそ存在感が一層際立ちます。食事用スツールとしてもよいのですが、リビングやプライベートルームなどで、ゆったりめのソファと合わせてサイドテーブルとして使うのもよいでしょう。

すべて無垢材でつくられているので、合わせやすいのは、北欧、モダン、シンプル、ナチュラルテイストのコーディネート。木製家具を選ぶなら、オーク、ナラ、ウォールナット系の樹種がおすすめです。ダイニングチェアの座面やカーテン、クッションなどのファブリックには、ブラウン、グレー、イエロー、ブルー系が映えるでしょう。

脚部4点で支える形状なのでラグを敷くか、脚の裏面に傷防止のフェルトなどを貼っておくと、床を傷めにくいので安心です。

 

Moleskine(モレスキン)スツール:Driade(ドリアデ)

https://musetokyo.com/shopdetail/000000006975/

ドリアデは1968年イタリア・ミラノで創設されたブランドです。イタリアモダン、ミラノモダンといえばこのブランドといわれるほどに「モダン」を追求し、常に個性的なライフスタイルを提案しています。

この「モレスキンスツール」は、そのドリアデが「インダストリアル」テイストで打ち出した一脚。デザイナーは南フランス・ニース出身の若手デザイナー、フィリップ・二グロです。

座面の高さはスクリューを回すことで、高さ45~60センチ調整可能。スクリュータイプのスツールは他にも多く見受けられますが、こちらのスツールの脚部は漆塗りしたスチールを採用し、より高品質、高級感なテイストを醸し出しています。

スペック

サイズ:直径400㎜×H450~600㎜

フレーム:オーク合板、スチール(漆塗り)

価格:\129,600(税込)

コーディネート例

https://musetokyo.com/shopdetail/000000006975/

フィリップ・二グロがデザインする家具は常に、どこか遊び心がありつつも、一貫してクールな印象を受けます。特に、インダストリアルスタイルとよばれる、無骨で工業的なデザインや素材の家具を揃える、ヴィンテージインテリアの空間には間違いなしです。

合わせる家具は、日本やヨーロッパ、アメリカなどさまざまな国のデザインの家具を自由に取り合わせてみてください。木製家具のフレームにはレッドオークやウォールナット、チーク古材など濃色系ブラウンなどがおすすめです。

さらに、メタリックなスチール脚の家具や、本革や合成皮革のソファなどで黒色系をとりいれると、よりシックかつメンズライクな印象になります。

カウンターチェアとして使う場合は、このスツールは最高SH60センチになるので、一般的なダイニングに設けられる食事用カウンター(高さ85センチ程度)とはバランスが合いますが、事前にご自宅のカウンター天板の高さをチェックしてみてください。脚の形状から、床面の保護用にラグを敷くのがおすすめです。

 

CHARLES GHOST(チャールズゴースト)/:kartell(カルテル)

https://tabroom.jp/chair/stool/itm0002332/

kartell(カルテル)は、化学エンジニアであるジュリオ・カステッリにより、1949年に創立されたイタリア最大のプラスチック家具を手掛けるブランドです。プラスチックの加工技術・機能向上に尽力する姿勢は常に革新的といわれています。

「チャールズゴースト」は、ポリカーボネード(PC)の一体型成形でつくられたスツールで、プラスチック素材のなかで最高度の耐衝撃性があるのが特徴です。他にも耐候性や耐熱性、高い透明度を誇ります。

デザインはフランス人のフィリップ・スタルク。スイス、イタリア、スペイン、日本などで、家具以外にも建築、インテリア、食器などさまざまな分野で活躍中です。

スペック

サイズ:チャールズゴースト(ロー)座面直径265㎜(脚部390㎜×H460㎜)1.7キロ/チャールズゴースト 座面直径290㎜(脚部460㎜×H650㎜)2.8キロ/チャールズゴースト(ハイ)座面直径290㎜(脚部460㎜×H750㎜)2.95キロ

フレーム:ポリカーボネード(全8色)

価格:チャールズゴースト(ロー)¥23,544(税込)/チャールズゴースト¥38,016(税込)/チャールズゴースト(ハイ)¥40,716(税込)

コーディネート例

https://kartell.co.jp/item/4639.html

軽量で移動させやすく、水分にも強いスツールなので、キッチンやトイレ、洗面所など水廻りの場所にも便利です。

高さは3種類あるので、ハイタイプ(H75センチ)や標準タイプ(H65センチ)は高さがあるテーブル用カウンターチェアに。ロータイプ(H46センチ)は、一般的なダイニングチェア(SH37~42センチ)より座面が高くなりますが、サイドテーブルとしても扱いやすいでしょう。耐光性があるので、一時的な屋外での使用も問題ありません。

透過性があるポリカーボネードのスツールには、プラスチックやスチール、ワイヤー素材の家具でまとめるミッドセンチュリースタイルや、生活感を極力出さず、必要最低限の好きな家具だけに囲まれたミニマリズム(ミニマル)というスタイルがなじみやすいかと思います。

ミッドセンチュリースタイルでは、チークやローズウッドなど赤みが強いブラウンや黒系色の家具を。ミニマリズム(ミニマル)はシンプルで洗練された空間を目指すので、カラーは色調、彩度ともに抑えたものを合わせてみては。シンプルながらも機能的で飽きがこないデザインを選ぶのがポイントです。

樹脂製品は静電気を帯びる事が多いので、ホコリが付着した際は帯電防止スプレーを使ったり、たまに水洗いをしたりするなどのメンテナンスをしましょう。

 

④BUNACO STOOL(ブナコスツール):BUNACO(ブナコ)

https://www.rigna.com/item/4162

「BUNACOシリーズ」は、青森県の天然ブナ材から、熟練した職人の手によってひとつひとつ丁寧に手作りされている伝統工芸品です。ブナをかつらむきにして厚み1㎜ほどのテープ状にし、少しずつ重ねて成形していく技術によるもので、グッドデザイン賞に選定されている家具や雑貨も数多くあります。

スツールを逆さまにすると、中は空洞なのでかなり軽量。座面クッションは適度な厚みと柔らかみがあり、長時間座っても疲れにくいのが特徴です。裏からネジを外せば上下に分かれるので、収納時も場所をとりません。われやくるい(ゆがみ)が少なく、表面のコーティングにより耐水性も備わっています。

スペック

サイズ:ブナコスツール直径330㎜×H430㎜/ブナコエントランススツール直径330㎜×H370㎜/フライングスツール直径380㎜×H370㎜

フレーム:ブナ

座面:本革、合成皮革、ファブリック

価格:ブナコスツール\41,040~43,200(税込)/ブナコエントランススツール¥39,960~41,040/フライングスツール¥50,760(税込)

コーディネート例

https://roomclip.jp/photo/vML3

木部と座面の組み合わせによって、28種類ものバリエーションが楽しめるスツールです。北欧系ファブリックを貼ったスツールなどさまざまなブランドとの期間限定コラボもあり、高さ違い、張地違いなどでいくつか揃えるリピーターも数多いです。

玄関まわりに置きたいエントランススツールはH37センチで、靴の脱ぎ履き用にぴったりの高さ。スタンダードのブナコスツール(H43センチ)は、ダイニングでの食事用やサイドテーブルなど様々な用途に使うことができます。脚部の形状はラウンド型なので、和室など畳へのレイアウトも問題ありません。

このスツールは、北欧モダンや和風モダンのコーディネートにぜひともおすすめ。北欧モダンにはオーク、ナラ、ウォールナット、和風モダンには杉やヒノキ、ケヤキ、黒檀などの樹種を使った家具を合わせるとテイストが揃いやすくなります。和風モダンの空間の引き締めに、座面・塗装ともブラックに統一したスツールはいかがでしょうか。

 

⑤STEP STEP (ステップステップ):日進木工(にっしんもっこう)

https://tabroom.jp/chair/stool/itm0011874/

岐阜県の飛騨高山にある家具メーカー、日進木工のスツールです。日進木工の家具はホームユースはもちろん、ホテルやレストランなどコントラクト(業務用)家具としての人気が高く、細身ですっきりとしたフォルムの家具が多いのが特徴。コンパクトなお部屋にもおすすめです。

「STEP STEP」は、日本を代表するデザイナーである川上元美さんによってデザインされたもので、収納場所に悩みやすい靴べらの置き場所を兼ね備えている点がユニークです。工具を使わずに組み立てることができるので収納時もスペースをとりません。

スペック

サイズ:直径335㎜×H410㎜ 靴べら単体サイズ:直径400㎜×長さ550㎜

フレーム:ナラ、ブナ、ブラックウォールナット

価格:\50,000~60,000(税別)

コーディネート例

https://roomclip.jp/photo/e665

腰掛け用はもちろん、サイドテーブルにも使いやすい2WAYスツールです。靴べらを取り外せばリビングやダイニングでも使えますが、定位置はやはり玄関廻りがしっくりくる印象です。

シンプルでスタイリッシュな見た目なので、ナチュラルモダン、和風モダンや北欧モダン、またモダンカントリーなどのインテリアテイストにぜひ。同じ木製家具をそばに置くのなら、オーク、ナラ、ホワイトアッシュなどライトブラウン系の樹種がなじみやすいです。

玄関廻りは汚れやすい場所ですが、表面をコーティングするウレタン仕上げ(標準仕様)なので、オイル塗装に比べて水気に強くお手入れも楽になります。普段は乾拭きで十分ですが、汚れが目立つときには中性洗剤を薄めたものに布を浸してよく絞り、最初は目立たない場所で試し拭きをしてから汚れを拭きとりましょう。

 

最後に

いかがでしたか? 丸型スツールは軽量で持ち運びしやすく、サイドテーブルやディスプレイ台など、アイディア次第でさまざまな使い方ができそうですね。高さや色が違うものを2脚一緒に揃えてみるのも楽しいかもしれません。

お部屋での使用目的やインテリアのイメージに合わせて、ぴったりのスツールをぜひ見つけてみてください。

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