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【5分でフロスの照明を理解する】インテリア初中級者向けに徹底解説

「Arcoランプ」をはじめ、皆さんもどこかで見たことのあるお洒落な照明器具を扱っているイタリアの高級照明器具メーカー「FLOS(フロス)」。

「アルコランプは聞いたことあるけど、フロスってどういうメーカーなの?」という方や、「お洒落でモダンなデザインの照明器具が知りたい」という方、「インテリアをワンランク上のお洒落な空間にしたい」という方のために、今回は「FLOS」について、解説します。

フロスの照明、その歴史を紐解く

創業から発展

「FLOS(フロス)」は1962年にイタリアで設立された照明器具メーカーです。

アメリカで開発され、メラノの「Arturo Eisenkil」が扱っていた特殊な素材技術「cocoon」を利用した照明の開発をきっかけに、「ディーノ・ガヴィーナ」やアキッレ・カスティリオーニ、ピエル・ジャコモ・カスティリオーニの「カスティリオーニ兄弟」などが中心となり、会社を設立しました。「FLOS」とはラテン語で「花」を意味する言葉で、ピエル・ジャコモ・カスティリオーニが名付けたものです。

FLOS社の経営がディーノ・ガヴィーナ氏から「セルジオ・ガンディーニ氏」へと移行され、カスティリオーニがガンディーニ氏より、FLOS全プロダクトの共同責任者へ任命されてからは、最高のコンビネーションを発揮するようになります。

傑出したデザインの作品を設計するに留まらず、プロダクト生産や市場でのライフサイクル、エンドユーザーへ届けられるまで、全てのプロダクトライフをプロジェクトすることを意識するようになりました。

1968年には、フロスリテールショップがミラノのモンフォルテ通りにオープンし、コルソ・モンフォルテのショーウィンドーは新製品の紹介ができる定期的なコミュニケーションの場となりました。

この頃から、海外展開に積極的になっていきます。1971年には、海外進出の第一歩としてドイツにて会社が設立されました。

また、翌年の1972年の5月26日に開催されたニューヨーク近代美術館MoMAのデザイン展「Italy: The New Domestic Landscape」に、FLOSはアキッレやジャコモ・カスティリオーニなどの作品を数多く展示することになりました。その多くは後々「MoMA永久コレクション」となっています。

1973年にはイタリアの工場が拡大を見せます。「ジノ・サルファッティ」が社長として設立したイタリア老舗照明機器メーカーの「アルテルーチェ」を買収すると、ヨーロッパトップクラスの照明ブランドとしての地位を確立していきます。1978年には世界最高峰の照明見本市、「照明国際見本市(Euroluce)」という新たな見本市への参加も果たしています。

その後、1980年代後半、セルジオの息子であるピエロ・ガンディーニが就任すると、長く続いたブランドとその経営方針に愛着の別れを告げ、世代交代へと向かっていきます。

新世代への交代とそれから

20世紀末にピエロ・ガンディーニと共に生まれた第二のFLOSは、最高品質へのこだわり、アイコンとなるオブジェの探索、職人技術による加工と最新技術のバランス、そして異なるデザイナーの貢献にもっとも注意を払う点など、多くの面で当初のFLOSに似た部分を持った経営方針を掲げました。

「マーク・ニューソン」とのコラボレーションによる「HELICE LAMP FLOS(ヒラシー・ランプ・フロス、1993年)」や、ジャスパー・モリソンの「GLO-BALL(グロー・ボール)シリーズ(1998年)」など、第2世代の作品が商業的な成功を収めたのは、様々な用途に適応できるよう、作品自体の機能が拡張されたからです。

また、カスティリオーニの「BRERA (ブレラ、1992年)」や数多くのランプは、元々のアイコン的アイデアを保持しながら、テーブルライトにフロアライト、ペンダントライト、ブラケット照明と同時に生産されました。

FLOSが定義するそれは、一つの製品の部分的な組み合わせを変更するだけで、多用的で多機能である「家族(シリーズ化)」といえるものです。

照明の分野においては、白熱ランプの緩やかに減少し、新たに低エネルギー消費のLEDが革命的に登場してきいます。FLOS社は「照明技術の改革によって提供される無限な可能性をどのように増加させるか」を考察し、照明器具をLEDに対応にするなど柔軟に対応して、発展を続けました。

また、研究開発によって多くの革新的な素材が応用できる体制を整えました。近年では有機ELや有機材料など、より最先端の技術を応用したソリューションが挙げられます。

このようにFLOS社は、過去・現在においても、照明業界を技術的・デザイン的に牽引してきた存在として、これからも新たな技術やデザイナーとのコレボレーションを実現していくことでしょう。

フロスの代表的な名作照明3選

1960年代のモダンデザインを象徴する名作:Arco

1962年に「アキッレ・カスティリオーニ」と「ピエル・ジャコモ・カスティリオーニ」の兄弟によって発表された「アルコランプ」。天井から吊るさない方法でテーブルやお部屋を広く照らすことのできるライトで、天井を工事すること無く上から照らすことができます。さらに、明かりの下にランプの足がないという、当時としても画期的なフロアライトです。

街の街灯をヒントに、モダンな照明器具へと昇華させたアルコランプは、今日でもプロダクトデザインを語る上で、欠かすことのできない名作です。重厚な大理石のベースから伸びたポールが大きなアーチ(=アルコ)を描くため、「アルコランプ」と名付けられました。

ベースからランプシェードまでの距離は約2mほどあり、多少の距離なら対応できるサイズを持っています。また、シェードには上方向にも光が当たるよう穴が開けられており、天井に水玉模様を浮かび上がらせるなど、細かな演出が美しいライトです。

シャンデリアの固定概念を覆した名作:2097

1974年に「フロス」に吸収されたイタリアの照明器具メーカー「Arteluce(アルテルーチェ)」の創始者でもある、照明デザインのエキスパート「ジノ・サルファッティ」が1958年に発表した「2097」。照明の現代建築ムーブメントへの貢献で有名なクリエーターである彼は、彼の功利主義と謙虚でありながら力強い作品を作りたいという思いから、2097を設計しました。

2097は、電球・コードとソケットがむき出しの灯具に、既成パイプを大胆に使用し、ヨーロッパの伝統的なシャンデリアの形態を、シンプルでありながら斬新なモダンデザインで表現した傑作です。徹底した合理主義的な発想にもかかわらず、豊かさと優美さが発売から半世紀以上の時代を経ても、なお愛され続けるプロダクトです。

存在感抜群の一度見たら忘れない名作:Taraxacum 88

1988年にアッキレ・カスティリオーニによってデザインされた「Taraxacum88(タラクサカム88)」。タンポポの属名である「タラクサカム」の名前の通り、タンポポの綿毛が陽の光を受けて輝くように、クリア電球に覆われ輝く姿が特徴的なライトです。

実は1960年に、アッキレの兄であるピエル・ジャコモと共に「TARAXACUM」というライトを発表しているのですが、こちらは当時の新素材「COCOON」を使用して作ったシリーズで、この最初の「TARAXACUM」から約30年後に素材を含めた異なるアプローチから「Taraxacum88」はデザインされました。

タラクサカム88は現代のシャンデリアを考案するためにデザインされ、ソケットが3個付いた、ポリッシュアルミの正三角形を組み合わせたモジュール構成となっています。ペンダントタイプは20面、シーリングタイプは5面の正三角形を組み合わせた構成です。

現在は60個のランプを使ったペンダントタイプが最大ですが、当時には1つの正三角形に6個・10個のタイプも存在しており、最大のものはランプの数が200個のものもあったそうです。専用のクリア電球とアルミの構造体が迫力ある光を放ち、彫刻のような存在感を放つライトです。

フロスの照明のある生活

リビング編:高い天井を有効活用した大胆な照明で空間演出

R.&E .Bouroullec兄弟によって2010年に発表された「AIM」ライトを使用したリビング空間になります。天井が高い空間に「AIM」の蔦のような長いコードが垂れ下がる様子を最大限に利用することで、表情豊かなインテリアが演出されています。

「光源の方向や、高さを最大限自由に調整出来る長いケーブルによって、空間に自然になじむ新しいタイプの照明器具」をコンセプトに開発されたAIMライトは、多様性を包括した現代のコンテンポラリーな空間にぴったりのアイテムと言えます。

寝室編:エレガントかつ幻想的なライトで寝室を演出

2005年にマルセル・ワンダースによってデザインされた「Zeppelin」は、FLOS社創設の切欠となった「cocoon」と呼ばれる繭のような樹脂を使ったライトです。ワンダース氏らしいクラシカルで優雅さや気品があるデザインが特徴のライトは、寝室をシックで優雅な空間へと演出し、点灯すればシェード内で反射した光が柔らかな灯りとなって室内を照らします。

柔らかな色彩と、柔らかな光を放つZeppelinライトで、視覚的にもリラックスできるストレスの少ない優しい雰囲気と、ディテールのクラシカルな装飾の効いた、優雅な寝室となっています。

書斎編:名作Arcoランプを使用したシックな大人の書斎

ヨーロッパの住宅などに見られる天井装飾の雰囲気を壊したくない時や、天井に電気工事をしたくない場合などに、上方から光を当てられるArcoランプは活躍します。またデスク周りをスッキリさせたり、デスクの位置や向きに、フレキシブルに対応できるところも魅力です。

洗練された大人のシックな書斎スタイルにおいて、すらりと伸びたアーチが美しく、モダンでありながら有機的なフォルムと天然の大理石が、シックな書斎に使いたいウッド素材とも自然とマッチしています。

玄関編:一見シンプルなのに、こだわりを感じるおしゃれな玄関に

マイケル・ワンダースがデザインした、ブラックの「SKYGARDEN(スカイガーデン)」ライトが出迎えてくれる、モノトーンカラーの玄関。一見シンプルなスカイガーデンライトは、内側にデザインされたレリーフがエレガントで美しいペンダントライトです。

単調になりがちなシンプルテイストのインテリアでは、ディテールに凝ったデザインのアイテムを使用することで、安っぽくない洗練された印象にすることができます。

屋外編:白壁に反射させることで眩しさのない明るさを

使用しているのは「アントニオ・チッテリオ」のデザインした「CLESSIDRA(アウトドア)」になります。上下を40度の配光角で照らす間接ブラケット照明で、LED光源と高効率のアクリル製レンズによって上下に高品質な光が広がり、白い外壁に光を反射させることで、夜目にも眩しさを感じない柔らかな光で照らすことができます。

白の外壁に、黒い扉とミニマルなデザインのクレシドラライトが、洗練されたモダンな印象のクールなエクステリアを演出しています。

フロスの照明のリプロダクトも要チェック!品質の確かなおすすめ3選

Arco Lamp(アルコランプ):R&Mインテリアストア

 正規品価格:¥260,000 リプロダクト価格:¥35,000

天然大理石の土台を使用したリプロダクト品で、正規品とほぼ変わらぬデザインのアイテムです。白の大理石と黒の大理石の2カラーから選べるのも正規品と変わらず、大きさなどもほぼ同様に再現されています。

ただし、こちらのリプロダクト品は、自宅で組み立てなくてはならず、重量があるので組み立てには大人2人ほどの手が必要とのこと。

また対応電球が、正規品はE26(100W)まで対応しているのに対し、リプロダクト品はE26(60W)までの対応となっています。しかしながら、LED電球にも対応しているので、光量の心配はなく、通常通りの使用が可能です。電球の付属がないので、あらかじめ準備しておく必要があります。

正規品と見比べなければわかりませんが、シェード部分のツヤ感が、正規品の方が滑らかで艶やかな印象です。しかし、単体でリプロダクト品を見る限りは、特筆すべき差のない良品と言えます。

バルブランプ (30バルブ):PERKS

 正規品価格:¥332,000 リプロダクト価格:¥44,444

高額な「2097」ライトの雰囲気をリーズナブルな値段で体感できるリプロダクト品です。30灯タイプと50灯タイプから選択できます。

ただし、電球が付属しておらず、別途電球の購入が必要になるため、本体の値段プラスの予算が必要になります。また、こちらの商品は自身での組み立てが必要となり、レビューなどでも「組み立てが大変」という声がありますが、その分点灯した時の満足度は高い商品になっています。

これだけ聞くと難しい商品に思えますが、ショップの対応が良いとの声が多く、質問などにも丁寧に答えてくれるなど安心して購入できるショップです。リプロダクト品を購入する際には、商品はもちろん、販売しているショップの評価も調べて購入することが大切ですね。

Luminator:WORLDLINE

正規品価格:¥75,000 リプロダクト価格:¥8,593

アキッレ・カスティリオーニとピエル・ジャコモ・カスティリオーニの兄弟が1954年にデザインした「Luminator」は、1955年度にコンパッソ・ドーロ賞を受賞した作品です。

ランプの形がそのままデザインとして表現され、3本の脚で自立している様がユニークで親しみやすいデザインとなっています。半世紀前にデザインしたとは思えない前衛的でモダンなライトですね。

その「Luminator」をリプロダクトしたもので、正規品の「高さ189cm」よりも大きく、高さが「195cm」もありますが、モダンでインダストリアルチックな佇まいがきちんと再現された商品になります。

正規品よりも重さが軽く、足幅が狭いなどの注意点はありますが、お部屋を演出するための照明としては十分なスペックと言えます。「Luminator」自体がメイン照明というよりも間接照明としての役割が期待されるライトであり、複数個置くなどの使用を考えると、お値段的にも調度良いと言えるでしょう。

まとめ

「FLOS」の照明はどれも有名なデザイナーによってデザインされた、洗練された、お洒落なものばかりです。

しかしそれだけではなく、かつて新素材であった「cocoon」を用いて新しい照明器具を開発したように、現代の新技術なども取り入れながら発展し続ける姿勢を保つ、トップブランドとしてのプライドを持ったメーカでもあります。

近代的で革新的なライトは、インテリアをさらにお洒落に、洗練された雰囲気へと格上げしてくれます。お部屋の印象をぐっと引き上げたい方や、モダンインテリアを極めたいと思っている方は、ぜひ一度フロスのライトを試してみてはいかがでしょう。