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【カール・ハンセン&サンのテーブルのある生活】インテリア初中級者向けに魅力を徹底解説

北欧家具のメーカーと聞いて、皆さんはどこの会社を思い浮かべるでしょうか。デンマークの有名な家具メーカー「Carl Hansen&Søn(カールハンセン&サン)」の名前を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。

「ハンス・J・ウェグナー」をはじめとした、デンマークのデザイナーがデザインした家具をたくさん作っているカールハンセン&サンは、近年では安藤忠雄など日本のデザイナーともコラボなどを積極的に行っています。

110年以上ハンセン一族で経営を続けてきた老舗と言える会社ながらも、最新の技術と長年の職人技術を合わせる事で、丈夫で長く使える家具を製作しているカールハンセン&サン。

デニッシュモダンらしい繊細でシンプルなデザインと、しっかりとした丈夫な作りが魅力的なカールハンセンのテーブルについて今回は解説していきたいと思いますので、ぜひテーブル選びの参考にしてみてください。

カールハンセン&サンのテーブル、その歴史を紐解く

現代に通じるカールハンセン&サンの原点と信条

1908年10月28日に家具職人「カール・ハンセン」が、デンマークのオーデンセに工房を開設したことからカールハンセン&サンの歴史は始まります。

「優れたクラフトマンシップと最新技術を融合すれば、リーズナブルな価格で、質の高い家具を人々に提供できる」ことを信条とし、妥協の無いクラフトマンシップへのこだわり、そして新しいデザインを追求する優れたデザイナーとの協働が、カールハンセン&サンの歴史を支えてきました。

開業当時の製品はダイニングと寝室用の注文家具を扱っていましたが、その後次第に小規模ながら量産品のコレクションを持つようになります。「注文家具の職人技巧と量産品の合理性」の二つを両立させていくことを工房の基本とし、それは現在のカールハンセン&サンにも通じるものです。

当時、著名なデザイナーであった「フリッツ・ヘニングセン」とも仕事をしていました。完璧を求めたヘニングセンは、自らの工房で製品を生産することにこだわっており、他社にデザインを提供することはごく稀で、存命中に「製造を委ねられる」と信用した工房は2社のみでした。

その信頼された工房うちの一つがカールハンセン&サンで、1940年代半ばまで製造をすることになります。

カールハンセン&サンと家具デザイナー「ハンス・J・ウェグナー」

経営は1934年にホルガー・ハンセンに引き継がれました。ホルガー氏の指揮下、営業を担当していたアイヴィン・コル・クリステンセンは、1940年代に頭角を現し始めたデンマークのデザイナーたちに注目し、その中でも特に「ハンス・J・ウェグナー」の作品に注目しました。家具職人ギルド展での評判から一部では知られていたものの、ウェグナーの名は、一般的にはまだ無名でありました。

しかし、クリステンセン氏はウェグナーのデザインがカールハンセン&サンの大きな機動力となると確信し、1949年にウェグナーにコンタクトをとります。

ウェグナーはカールハンセン&サン用にイスを4点デザインし、1950年から販売が開始されました。その時デザインされたものは、現在でも名作として知られる「Yチェア(CH24)」や、ペーパーコードが美しい「イージーチェアCH25」そして「CH22」「CH23」です。

特に「Yチェア」は現在でも生産が続けられているカールハンセン&サンのロングセラー商品で、世界的にも有名であり、皆さんも一度は見たことのあるアイテムと言えます。

初めのコラボ以来、その後もウェグナーは数々の名作デザインをカールハンセン&サンから発表し、長年に渡りカールハンセン&サンとの強い信頼関係を築いていきました。

そして現在、カールハンセン&サンは、ハンス・J・ウェグナーの家具を生産する最大のメーカーとなっています。ウェグナー亡き後も、ウェグナー事務所と密接な関係を保ち、ウェグナーが残した旧作の復刻、そして未発表デザインを発掘し、偉大なデザイナーの残した名作家具たちをこの世に送り出しています。

1950年代にデニッシュモダンを国際舞台に押し上げる大きな原動力となったウェグナーは、最も偉大なデザイナーの一人であり、ベストセラーデザイナーとして名前を知らない人はおりません。世界中で名作と称され、コレクターアイテムとなっているウェグナーデザイン。そして、ウェグナーのビジョンはカールハンセン&サンの大事なDNAとして、今も息づいているのです。

現在のカールハンセン&サンとデザイナーとのコラボ

1962年にホルガー・ハンセンが亡くなると、彼の妻エラ・ハンセンが経営を引き継ぎます。そしてその後、長男であるヨルゲン・ゲアナ・ハンセンが会社の実権を継承し、1988年まで会社の運営にあたりました。

この時はまだ創立者カール・ハンセンが1930年代に移築したオーデンセの工場を使用していましたが、2002年にトップに就任したホルガーとエラ・ハンセンの次男である「クヌッド・エリック・ハンセン」が就任したのを機に、フィン島オーロップに最新設備をもつ大規模な工場を新設し、移設しました。

現在、カールハンセン&サン社は世界中にショールームやフラッグシップストアを開設し、さらにアメリカや日本、香港には自社オフィスを設立し、グローバル展開に力を注いでいます。「最高級の家具を世に送り出す」という創業当時からの使命感を忘れず、今もデンマークの工場から全ての商品を世界に向けて発信しています。

最新設備を備えたデンマークの工場の「最新技術」と、伝統的な「職人技術」を組み合わせた、次世代にも受け継がれる質の高いアイテムの製作や、創始者やデザイナーの意思を継承する、真っすぐな家具への取り組みとサスティナビリティーへの配慮を持った姿勢は、今もなおカールハンセン&サンに受け継がれています。

カールハンセン&サンでは、「モーエンス・コッホ」の「MK99200 フォールディングチェア」や、「コーア・クリント」の「KK47000 サファリチェア」、そして「オーレ・ヴァンシャー」の「OW149 コロニアルチェア」といった、偉大なデンマークのデザイナーの名作家具の生産も行っています。

また、デンマークのデザイナーデュオ「ストランド&バス」や、ヨルゲン・カストホルムを父に持つ「ボー・カストホルム」など、若く才能あるデザイナーとの共同作業にも積極的に取り組んだり、日本人の建築家「安藤忠雄」とのコラボレーションなども積極的に行っています。

創業当時の「優れたクラフトマンシップと最新技術の融合」、そしてハンス・J・ウェグナーなどの名だたるデザイナーとのコラボによって得てきた「優れたデザインとそれを正確に再現し得る確かな製造技術」、110年以上に渡って受け継がれてきた「家具製作に対する姿勢」こそが、デンマークが誇る家具ブランド「カールハンセン&サン」の歴史と言えるでしょう。

カールハンセン&サンのテーブルの魅力

カールハンセンの魅力1:長く使えるように、選び抜かれた高品質の素材

カールハンセン&サンの製品は、「世代を超えて長い間愛用し続けること」を考えてデザイン・製作されており、そのための素材にも強いこだわりを持って挑んでいます。素材の強度や耐久性、褪せない美しさ、サスティナビリティ、デザイナーの意向、安全性など、多様な条件に基づいて素材を厳選し、ただ見た目が良いだけという商品とは違う、確かな実力を秘めた商品を製作しています。

カールハンセン&サンで特に多く扱いのある木製家具では、使用するすべての広葉樹材を、長年に渡る共同作業で信頼関係を築いた製材所から購入しています。また、デザインや品質の関係から新材のみを使用し、再生材は使用していないなど、材料への強いこだわりを感じます。

カールハンセン&サンのホームページには、家具に使用されるオーク材、ビーチ材、アッシュ材、ウォールナット材、チェリー材について、その産地や特徴などを記載するなど、材料の厳選度合いと性質への理解度が感じられます。

こういった素材に対する真摯な姿勢が、高品質で長く使える家具の製作を可能にしているのでしょう。

カールハンセンの魅力2:デザイナーとクラフトマンシップのコラボ

長年カールハンセン&サンを支えてきた優れたクラフトマンシップは、デザイナーの要求する繊細で心遣いに満ちたデザインを正確に再現してきました。カールハンセン&サンの商品の素晴らしいところは、ウェグナーなどの素晴らしいデザイン力を持ったデザイナーのデザインを、妥協することなく実現させることのできる確かな職人技術と、最新技術を取り入れることのできる柔軟性だと考えられます。

例えばテーブルの天板や脚、幕板などのパーツ、一つ一つの仕上がりや、ジョイントなどのディテールに到るまで、細部に渡り繊細でいながら丈夫で長持ちする構造を構築したアイテムは、デザイナーの発想と、それを実現する製作技術の双方がなければ実現できないでしょう。

カールハンセン&サンにデザインを託したデザイナーたちは、木の性質や、素材の品質、加工性や癖などを熟知した職人の技術や長年のノウハウの積み重ね、家具に対する真摯な姿勢を持ったカールハンセン&サンだからこそ、協働することを選んだと言えるのではないでしょうか。

こだわり抜かれた製品ながら、手入れ・メンテナンスが容易

カールハンセン&サン社の製品は、世代を超えて長く使い続けられるようにデザイン、製造されており、より長く心地よく使用するために、きちんとしたお手入れが不可欠です。正しいお手入れがされ、日光にも適切に対処された無垢材の家具は、時を経て美しく色艶を変化させていくなど、持ち主と共に時を重ねていく様子を楽しむことができます。

カールハンセン&サンのテーブルによく施される仕上げは、4種類ほどとなっており、その手入れ方法さえ知っておけば、長く大事に使用することができますので、ぜひ覚えておいてください。

  • ソープ仕上げ
    北欧家具によく見られる、木の素材感や美しさをそのまま表現できる、安心・安全な「ソープ仕上げ」は、日常のクリーニングは、ぬるま湯に浸し、よく絞った柔らかい布で拭くだけです。週4〜週6に一度、「ソープ溶液」(無着色・無香料の市販の石鹸から作ったもの)を塗布して乾かし拭き取ります。これを繰り返す事で、汚れに強くなっていくのです。
  • オイル仕上げ
    植物性のオイルは体に無害で、家具の表面に塗膜をつくることなく、木本来の性質をそこなうことなく仕上げる「オイル仕上げ」は、日常ではぬるま湯を軽く含ませ湿らせた、柔らかい布で拭くだけのお手入れで済みます。また、大きな手入れも、年に2回から4回ほどオイルを塗布するだけのことで済むので、非常に手入れが簡単です。
  • ホワイトオイル仕上げ
    経年変化の出にくい「ホワイトオイル仕上げ」もオイル仕上げと同様の手入れで簡単に済ませることができ、大きな手入れも、使用するオイルの種類の違いからの拭き取り時間以外にオイル仕上げとの違いはありません。
  • ラッカー塗装仕上げ
    木部を塗りつぶす「ラッカー塗装仕上げ」は、お手入れがシンプルで簡単です。日常のお手入れは、ぬるま湯を含ませよく絞った柔らかい布で拭く程度で済み、オイルやソープ仕上げに比べて経年による変化が少ないのが特徴です。

カールハンセン&サンのテーブルは、無垢材を使った木目の美しい天板が魅力の製品が多く、木目を生かしたソープ仕上げやオイル仕上げのアイテムが多いです。傷がついてしまっても、ヤスリで磨く事で元どおりになるなど、長い年月の使用にも向いています。小さな子供が大きく成長する過程でも傷を消しながら長く使用でき、まさに世代を超えて愛用できる製品なのです。

カール・ハンセン&サンの代表的な名作テーブル3選

ハンス・J・ウェグナーの美しい名作:CH008 COFFEE TABLE

デンマークの家具デザイナー「 ハンス・J・ウェグナー」が、1954年にデザインした名作「コーヒーテーブル CH008」。

ウェグナーは、特に椅子を500脚以上デザインし、「椅子の巨匠」と呼ばれるほどの人物として世界中で知られている人物で、「シンプルな美と機能性を追求し、その家具の核となる、その家具の本質ともいえるべきものを露わにしていくデザイン」を得意とし、デニッシュモダンを世界に広めたデザイナーとしても有名です。

CH008は、無駄のない美しいフォルムが印象的な3本脚のコーヒーテーブルで、ウェグナーの代表作と評価される逸品です。常に高い完成度を追求したウェグナーの典型的なデザインと言われ、 目立たない部分をより重視し、構造部分を強調したデザインとなっています。

3本の脚を接合するための見えないフレームにも天板と同様の時間と努力を注いでデザインされており、構造そのものが印象的な意匠となったコーヒーテーブルと言えます。 無垢材の質感を十分に生かした、シンプルで優雅なCH008は、ラウンジチェアをはじめ、ウェグナーの名作椅子との併用に適したテーブルです。

無垢材の魅力を存分に生かしたフォルムや3本の脚の柔らかで優美な形状、接合部分の美しさなど、ウェグナーデザイン特有の細やかな仕上がりの丁寧さが見られる、美しいコーヒーテーブルです。木の温もりという言葉をよく耳にしますが、このテーブルこそ「自然のもつ柔らかさや優しさ」を、ウェグナーの洗練されたデザインと品質の良い素材によって「木の温もり」として感じられる名作と言えるでしょう。

ディテールの美しさが目を惹く:CH327

ハンス・J・ウェグナーが1962年にデザインしたダイニングテーブル「CH327」は、「デザイナーのビジョンが顕著に表れた」テーブルであり、素材への深い造詣があるからこそ成しえるディテールへの配慮が美しいデザインが特徴です。

CH327テーブルは、「ディテールと優れた職人技巧」にフォーカスしデザインされたもので、「偉大なるデザイナーの斬新なビジョンを実現するためには、優れた職人技巧がいかに不可欠であるか」を証明した作品と言えます。

天板に無垢の広葉樹材を用い、広葉樹材の資質を存分に引き出した優美な印象ですね。テーブルの長さに合わせて木取りした材を使用することで、木目がより美しく見え、全体的にバランスの取れた印象となっています。

また、 この天板は幕板フレームから離すような形で取り付けられており、まるで浮いているような軽快な印象を与えます。先端に向かって細くなる丸脚は、天板の少し内側に入っているため、95×190cmと大きなダイニングテーブルにも関わらず、空間に圧迫感を与えずにダイニングをスッキリとした印象にしてくれます。

一見シンプルなダイニングテーブルに見えますが、巨匠ハンス・J・ウェグナーのデザインらしく、木の特性とディテールへの細やかな配慮が感じられるデザインであり、カールハンセン&サンの高い職人技術によりその繊細なデザインが正確に再現されていることがわかる名作と言えます。

ボーエ・モーエンセンの名作テーブル:BM1160 HUNTING TABLE

1950年に開催されたコペンハーゲン家具職人ギルド展にて、「ボーエ・モーエンセン」によって発表された「BM1160 ハンティングテーブル」です。モーエンセンは「デモクラティック・デザイン」を掲げ、住宅、コントラクトに向けた、シンプルで機能性に優れた木製家具を数多く発表しており、いずれも控えめな美学と耐久性を考慮した構造が特長となっています。

デザインの基盤となっているのは、「明確な構造と装飾をできるだけそぎ落とすこと、そして実験的な試み」であり、その好例がハンティングテーブルやデッキチェアのセットと言えます。「使用する人々を核とする」という独特のコンセプトで、耐久性に優れた家具を世に送り出してきたボーエ・モーエンセンは、第二次大戦後のデニッシュモダンを牽引した大きな影響力を残すデザイナーの一人です。

「BM1160 ハンティングテーブル」は、卓越した木工加工の美しさと、印象的な真鍮の支柱が特徴的なオーガニックな野性味が全体を包む印象。BM1160 ハンティングテーブルの名前の由来は、「ハンティングロッジ」をテーマに開催されたコペンハーゲン家具職人ギルド展で発表されたことと、野性味あふれる木材のイメージから。

丸みを帯びた加工が映える木部の意匠や、テーブルの各部に繰り返し用いられる無駄のない美しいディテールが魅力的で、 天板は他のテーブルに比べて細身であり、空間に限りある場所にも適しています。

ほぞ継ぎや職人技が映えるコントラストをつけた木製のくさびなど、脚部の美しさが、テーブルの優雅さを強調しており、真鍮製またはステンレス製の2本の支柱による接合がこのテーブルを一段と魅力的に演出しています。

カールハンセン&サンらしいディテールの美しい処理と、モーエンセンらしいどこか素材の持つ野性味の感じられるシンプルなデザインが魅力的な名作テーブルです。

まとめ

カールハンセン&サンは、デニッシュモダンの、繊細で細部にまでこだわりながらも、シンプルで機能的なデザインを持った多くの名デザイナーたちの作品に触れる機会を、今私たちに与えてくれる会社です。それは長年大切にしてきたクラフトマンシップや、家具づくりへの真摯な姿勢が、デザイナーたちの信頼を得てきたからこそできることと言えます。

日本人好みの職人気質な堅実なモノづくり姿勢、モダンでありながら優しさを感じられる繊細なデザイン、そして丈夫で長く使うことを考えられたテーブルを、皆さんのインテリアにも、ぜひ取り入れてみてはいかがでしょう。