2022/03/26
【プロが教える】モルタルの床でおしゃれなインテリアを実現する方法!家具の選び方からメンテナンスまで徹底解説
お部屋の印象を大きく左右する床材選び。木質感溢れるフローリングや、豊富な色柄が揃うクッションフロアなど、どんな種類の床材を選ぶかで迷う方は多いことでしょう。
そこで、選択肢のひとつにぜひ加えて頂きたいのが、モルタルの床。まるでショップやカフェのようなおしゃれな雰囲気を、お家で実現することができます。
今回は、モルタル床を選ぶ際のポイントや、おすすめのインテリア実例などを詳しくご紹介。「モルタルの床を取り入れるのは難しそう」と思われていた方も、モルタル床の特性やコーディネートの幅広さに触れることで、きっとその魅力に気づいて頂けるはずです。
目次
プロが教える!モルタルの床でおしゃれなインテリアを実現する方法
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デザインの自由度やさまざまな場所に施工できる扱いやすさから、DIYでも人気が高まっているモルタル。まずは、モルタルの特性について抑えていきましょう。
そもそもモルタルってなに?
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モルタルは「セメント1:砂3:水」の割合で、ペースト状に混ぜた建築材料のこと。コンクリートに含まれる砂利が入っていないぶん、強度はコンクリートほどはありませんが、万一物が落下しても、モルタル床が簡単に破損することはありません。
モルタルは、土間や床の上塗りとして使われるほか、住宅の外壁やコンクリート壁の仕上げ材、ブロックやレンガを積む際の目地を埋める材料、タイル貼りの下地(接着剤)など、さまざまな用途に使われています。
モルタルの床でおしゃれなインテリアを実現する方法
https://suvaco.jp/doc/morutaru-181002
モルタル床を全面に敷いたお部屋は、派手さのないシックなグレーカラーとモルタルならではの硬質感が強調され、クールで格好良いスタイルに仕上がります。
しかし、「冷たさ」や「硬さ」などの印象が強まりやすいので、木や籐など自然素材のアイテムや、グリーンインテリアを適度に組み合わせるのがよいでしょう。「温かみ」や「抜け感」を程よくプラスすることができます。
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「モルタル床を全面に敷いてしまうと、寒々しいお部屋になりそう…」と不安な方は、木質感漂うフローリングや、クッションフロアなどと貼り分けるのもおすすめ。
”寛ぎスペースはフローリング、食事場所や窓際はモルタル床”など、場所によって床材を変えることで、壁などで区切らなくても、視覚的にお部屋をゾーニングすることができます。
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また、モルタル=グレーカラーというイメージがありますが、実は、さまざまなカラーモルタル(色モル)から選べるのも嬉しいポイント。上の画像は、土間にブラックのモルタルを採用した例です。
木材や畳など、天然素材を多用する日本の住居では、ベージュやブラウンなどのアースカラーや、空間を引き締める黒色のモルタル床などを取り入れるのもおすすめ。インテリアテイストや内装材、家具などのカラーと揃えることで、よりおしゃれな雰囲気を演出することができます。
さらに詳しく!モルタル床との相性をインテリアスタイル・建具・壁紙・家具ごとに見ていこう
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リビングやダイニング、玄関、土間、ベランダなど、さまざまな場所に施工できるモルタルの床。和・洋どちらのインテリアとも相性抜群ですが、なかでも下記3つのスタイルが特におすすめです。
どんなインテリアスタイルと相性が良い?
【インダストリアル】
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「産業・工業の」という意味を持ち、素材のむき出し感や無機質感を特徴とするインダストリアルスタイルは、モルタル床とぜひ合わせてみたいもの。
上の写真は、モルタルの床のみならず、天井・梁のコンクリート材やホワイトレンガ、スチール系素材などを組み合わせて武骨感を演出した例。色数は極力少なめに、モノトーン系色でシンプルにまとめるのがコツです。
【カフェ風】
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写真は、モルタルに近い質感の土間タイルを貼ったカフェ風のコーディネート。規則的な目地ラインがシャープな印象を与え、一般的な左官仕上げによるモルタル床とは一味違った表情が楽しめます。
デザインが異なる椅子を組み合わせたり、オブジェやアート類をディスプレイしたりするのもよいでしょう。古材を使った家具や内装材で、古さを醸し出すコーディネートもおすすめ。ラグを配すれば、よりリラックスしやすい空間に。
【モダン】
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現代的でスタイリッシュな印象を与えるモダンスタイルも、モルタル床にぴったりなテイスト。
モルタル床に揃えて、壁面や天井をすべてグレー系色で統一するなら、白と黒色で展開する定番のモノトーン色のほか、赤やブルーといった原色系を、アクセントカラーとして取り入れてみるのも素敵です。
どんな色の建具・壁紙と相性が良い?
【建具】
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モルタル床の一般的な色はグレー。どんな色とも相性が良い色とされる無彩色です。内装材や建具の色は、明度(色の明るさ)によって印象が変わるので、お部屋を明るい印象にするなら、明度高めの明るい色の建具を選びましょう。
上の写真のように、扉や収納棚、キッチンカウンターを白色系で揃えれば、「白+グレー」で、清潔的で爽やかな空間に。反対に、主張強めの黒色系を選ぶと、「黒+グレー」で、きりっと引き締まった印象になります。
白や黒といった無彩色以外で、よりナチュラルでやわらかい雰囲気に仕上げるなら、ブラウンやベージュなどのアースカラー系の建具を取り入れてみましょう。
【壁紙】
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床部分と同様、壁面もお部屋の広い面積を占める部分。壁紙を選ぶ際は、モルタル床との素材感やカラーリングのバランスが重要です。
写真は、本物の古材をTV背面側の壁にパネリングした例。本物の木でなくても、ウッド調壁紙を貼ることで、お部屋にナチュラルな温かみが加味されますね。
石目調やコンクリート調など、モルタル床と似た質感でまとめすぎてしまうと、お部屋がクールな印象になりやすいので、ライトブラウンやオレンジなど、暖色系や明るい色調の壁紙を選ぶのもよいでしょう。
どんな家具を選ぶべき?
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さきほどもご紹介したように、モルタルの床は、硬さや冷たさを感じさせやすいもの。そのため家具選びは、インテリアテイストによって大きく2つの方向性があります。
ひとつは、ガラスや金属など、人工的な素材の家具を合わせる方法。モルタル床の質感と相まって、スタイリッシュで無機質なテイストにまとまります。
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対して、布や木材などの天然素材の家具を組み合わせると、モルタル床の硬さや冷たさが程よく緩和され、ソフトで温かみのある印象に。
モルタル床のグレー色は、同じ無彩色である白や黒色はもちろん、ベージュやブラウンなどのアースカラー、赤や青などの純色(ビビッドカラー)にも合わせやすいのが特徴。お部屋全体の色数は、3~4色を目安にするのがおすすめです。
後悔したくない!気になるポイントを事前に押さえておこう!
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モルタルの床は、その性質上いくつかのメリット・デメリットがあります。「どうしても本物のモルタル床は諦めざるをえない」という方は、モルタルの質感をリアルに再現した床材を検討するのもあり。
費用やメンテナンスなど、気になるポイントについてご紹介します。
費用はどれくらいかかるの?
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床をモルタル仕上げにする場合にかかる費用は、1㎡あたり1,500~4,000円位が相場といわれています(下地や塗料の種類によっても変わります)。
また、滑り止め対策に必要なノンスリップ材にすると、1㎡につき150円前後の費用が別途かかるので、こちらも合わせてみておきましょう。
DIYを検討される方は多いかと思いますが、比較的施工しやすいといわれる壁面と比べると、床面は表面を滑らかに施工するための一定の技術が求められるため、専門業者に一任するのが安心です。
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本物のモルタルにこだわらない方でしたら、モルタルの質感をリアルに表現するクッションフロアやタイルなどから選ぶのも手。上の写真は、モルタル柄のフロアタイルを貼った例です。
メーカーによってさまざまな商品がラインナップされているので、ひとつの選択肢として考えてみるのもよいでしょう。
メンテナンスはしやすい?
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モルタル床の表面は凹凸が少ないため、掃除やメンテナンスは楽々。土足で行き来する土間なら、ほうきなどで砂汚れを簡単に掃き出すことができます。防塵塗装が施されているモルタルは、ブラシ類で水洗いすることも可能。
また、メンテナンス性から話は外れますが、扉の開け閉めや歩く音などが響きやすかったり、長期間使用するにつれて、染みが跡として残りやすかったりすることも。ほかに、食器などを落とすと割れやすいのもデメリットのひとつといえるでしょう。
高齢者や幼いお子様がいるご家庭では、転倒などによる怪我にも注意が必要です。
その他のメリット・デメリット
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モルタルの床は冷え込みやすい特性があり、夏場はひんやりした感触を楽しめますが、冬場はその冷たさがネックになる場合があります。
とはいえ、蓄熱性に優れているのがメリット。日当たりの良い場所では、日中たくさんの熱を蓄え、日が落ちた後も長く放熱するので、省エネ効果を期待することができます。
床暖房や暖炉などと組み合わせることで、快適な室内環境をつくることができるので、断熱対策にも配慮しましょう。
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厳密にはモルタルではありませんが、最近、注目を浴びている「モールテックス」にも触れておきましょう。
「モールテックス」は、ベルギーのBEAL社が開発したもので、高い意匠性と機能性を併せ持つ新素材の左官材料です。特殊な樹脂を含んでいるため柔軟性に優れ、乾燥などによるヒビが入りにくいのが特徴。
上の写真は、モールテックスを施工したお風呂場。防水性に優れているので、キッチンや洗面台など、水廻りにも使用することができます。カラーバリエーションも豊富なので、ぜひ合わせて検討してみてください。
失敗しがちなパターン紹介
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上の写真は、キッチンカウンターやキッチンボードを黒色で揃えたキッチンです。シックで落ち着いたコーディネートですが、黒色の配分が多すぎるためか暗い印象が拭えないですね。
このような場合は、同じ無彩色でも明るい色調を選ぶのがベター。キッチンボードを白色にするだけでより明るく、清潔感溢れる空間になります。
ナチュラルなテイストがお好みなら、ダイニングテーブルや椅子の色に合わせて、ブラウン系色を合わせてみるのもよいでしょう。
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場所別!モルタルの床のコーディネート実例10選を解説!
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ここからは、モルタルの床を使ったコーディネート実例をご紹介。家具の組み合わせ方はもちろん、壁面や天井などの素材やカラーリングにも注目してください。
モルタルの床×リビング実例5選
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まずはリビングから。木質感のある素材を取り入れると、温かみが添えられ、よりリラックスしやすい空間になります。
フローリングとモルタル床を敷き分けてお部屋ごとの雰囲気を一変
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奥に見えるフローリング床とは雰囲気を変え、手前のお部屋は床全面にモルタルを敷いたお部屋です。床の素材や色を変えることで、隣室とのゾーニングを明確にできますね。
コンクリート躯体現しの内装で武骨さを表現
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モルタル床やコンクリート躯体現しの内装が、武骨さを醸し出すコーディネートです。ダクトや照明レールもむき出しにすることで、ラフ感をさらにアップ。
キリム柄のラグやクッションなど、民族調&幾何学模様のデザインが、お部屋に彩りを添えています。
ブラウンに染色したラワン合板を取り合わせて木質感をプラス
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床はモルタル塗り、壁はブラウンに染色したラワン合板を貼ったLDK。モルタルの床下は、冬でも快適に過ごせるように床暖房を設置しています。
モルタルのグレー×タイルの白×キッチンのシルバーで洗練された印象に
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リビングダイニングは全てモルタル床、キッチン壁はタイルを配した、清潔感溢れる空間です。
モルタルのグレー、タイルの白、キッチンのシルバーに観葉植物のグリーンが映える、カラーコントラストが美しいコーディネート。
アクセントクロスやリビング畳もモルタル床と同じ寒色系で統一
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リビングの床面より一段下げたワークスペースに、モルタル床を取り入れた例です。モルタル床は奥の廊下と続いているので、ワークスペースとの移動動線も楽々。
ワークスペース壁面に貼ったアクセントクロスや、右手側のリビング畳は寒色系をチョイス。素材やカラーリングの取り合わせが絶妙ですね。
モルタルの床×玄関実例3選
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玄関は、訪れる方が最初に目にする空間であり、お家の印象を左右するスペースでもあります。モルタル床ならではのコーディネート例をご覧ください。
モルタル造形を施したフレンチアンティーク風の玄関
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モルタル造形による黒い目地のデザインが目を引く玄関です。アーチ壁やパイン無垢材の床、古めかしさを再現した板張りの壁など、そこかしこにフレンチアンティークなテイストを醸し出していますね。
モルタル造形とは、特殊なモルタル造形用セメントをカービング(削る作業)し、レンガや石、木、金属などをリアルに再現する技術のこと。プレーンで平滑な仕上がり以外にも、さまざまな表情を味わえるのが、モルタル床の魅力です。
色や形の異なるシーグラスを一つ一つ埋め込んだモルタル床
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浜辺の宝石と呼ばれるシーグラスを一つひとつ埋め込んだ、モルタル洗い出し仕上げの玄関です。行き来するたびに、色や形が異なるガラス片の美しさに魅了されそうですね。
濃紺色のモルタルを用いた玉砂利洗い出し仕上げ
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濃紺色のモルタルが美しい、洗い出し仕上げの玄関です。洗い出し仕上げとは、モルタルに色石やビー玉、貝殻などを入れて塗り付け、完全硬化する前に噴霧器やブラシなどで水洗いし、素材の頭を表す仕上げのこと。
玉砂利の種類や大きさ、ベースとなるモルタルのカラーの組み合わせ次第で、さまざまなアレンジを楽しむことができます。
モルタルの床×ベランダ実例2選
https://suvaco.jp/doc/ohta-mio_lifestyle-181101
最後にご紹介するのは、厳密には屋外ではありませんが、インナーバルコニーなどのコーディネート例です。屋外では、必ず防水材が入ったモルタルを使用することがマスト。
風雨や紫外線などの影響により、チョーキング現象(触ったときに白い粉がつくこと)が発生したり、ひび割れたりした際は、早急に補修することが大切です。
インナーバルコニーとリビングの境目をモルタル床で仕切る
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インナーバルコニーにモルタル床を施工した例です。明るい陽光が降り注ぐ窓際を中心に、インテリアグリーンを配すれば、テラスのような空間に。
フローリング床とモルタル床を敷き分けることで、緩やかに空間を区切っているところがポイント。
モルタル床で仕上げたバルコニー近くに置き型の浴槽を設置
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南に面したバルコニーと浴室の床を、モルタル床で仕上げた例です。浴室の壁や天井はFRP(繊維強化プラスチック)防水仕様。樹脂製の浴槽は、ひっくり返したり移動したりしやすいよう、置き型タイプを選んでいます。
浴室全体の掃除がしやすいのも、モルタル床ならでは。外との繋がりで開放感が得られるほか、採光面も期待できる心地良さ満点の浴室です。
まとめ
今回は、モルタル床のメリットやデメリットを踏まえつつ、おしゃれなコーディネート例をご紹介しました。
仕上げ方によって、さまざまな雰囲気に仕上がるモルタル床の魅力に、改めて気づかれた方も多いのではないでしょうか。
DIYがしやすいモルタルですが、床面への施工は、壁と比べると一定の技術が必要。耐久性やメンテナンス性を考えると、腕の良い専門業者に依頼するのが安心です。
モルタル床を取り入れて、ぜひ素敵なお部屋づくりに挑戦してみてくださいね。