【プロが教える】おしゃれな屋上ガーデンを実現する方法!構造や設備のリスクに留意しながら進めよう
屋上のある家に住んでいる方なら、せっかくある空間を利用して素敵な庭をつくってみたいですよね。屋上なら広々ゆったりしているうえ、眺望を楽しむこともできます。床材や植栽にもこだわったルーフガーデンにして、家族や友人と楽しく時を過ごすガーデンパーティーにも憧れます。
ところで、今ある屋上にたくさん資材を摘んだり、土を盛っても大丈夫なものでしょうか。今回は屋上でガーデニングをするときのリスクにも触れたうえ、おしゃれなガーデンをつくる方法を解説します。
目次
屋上でガーデニングは可能?おしゃれな屋上ガーデニングを実現する方法
そもそも屋上でガーデニングは可能なのか?屋上ガーデニングのポイントを解説
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新築住宅の屋上で作りこんだガーデンにしたいなら、建物設計の際から計算に入れておくことが重要です。資材や土の重量に耐えられる構造、植栽がある前提の排水設備、水やり用の水栓設備、照明器具や電気が使えるように野外用コンセントなども必要になってきます。
すでに築年数のたった住宅の場合、屋上ガーデンにする前提の構造・設備がない可能性が高いので、数々のリスクが伴います。建物の構造に負担をかけないよう重い資材は避けるべきですし、排水溝には葉やゴミがつまらないように留意する必要があります。屋上の古い防水層は作り替えたほうが良い場合もあります。
マンションの屋上なら、まずどの程度のガーデニングが可能か管理会社に相談しましょう。
ある程度のガーデニングができる場合、自分だけの野外空間を思い切り楽しむ方法を考えましょう。まずは屋上ガーデンでの生活を思い描いてみてください!好きな花を育てたりハーブ園や菜園のある生活、家族や友人と時をすごす週末、日光浴や読書、または昼寝のひとときなどなど。
描いたライフスタイルにふさわしい床材やフェンス、ファニチャー類や植栽を組み合わせていくことで自分ならではの屋上ガーデンを構成しましょう。
屋上の植栽のポイントと屋上ガーデンに合う植物
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屋上緑化前提で設計されている建物なら大きな植栽エリアに高木、低木、地被類をまぜた本格的な屋上ガーデンが可能です。その場合、自動潅水や土壌の排水も視野に入れてプランしましょう。一方あまり重さはかけられない場合は、少ない数のプランターを効果的にならべてより印象的な緑を見せるように工夫しましょう。
屋上向けの植物は、直射日光や暑さ、また風の強さに耐えられる植物です。さらに少ない土壌や乾燥に強い植物を選ぶのが良いでしょう。例えば高木や低木ならソテツ、ドラセナ、ブラシノキ、ヒイラギモクセイ、シャリンバイなど。地被類ならアロエ、アガベ、メキシコマンネングサ、ローズマリーなど。
一方、屋上といっても日陰が多い、ガーデニングが好きで毎日の水やりは大丈夫、などさまざまなケースがあると思います。育ててみたい植物がある場合は特性を調べてみましょう。設置場所の環境でリスクなく育てられ、自分にふさわしければどんな植物でもよいのです。
さらに詳しく!屋上の広さ別屋上ガーデニングのポイント
5㎡以下の狭い屋上のケース
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部屋の外に屋根のない小さな空間がある場合、まずは室内から見て楽しめるガーデンにしましょう。高さの違う複数の鉢を飾ったり、ガーデニングシェルフに小さな鉢をたくさん並べたりすると立体的に緑が楽しめますよ。時を過ごすためのスペースがあるなら、小さめのテーブルセットやベンチがおすすめです。
15㎡程度のそこそこ広いケース
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屋上ガーデンもある程度広さがあるなら、時間を過ごして楽しめそうです。野外用のソファセットのおけるウッドデッキやタイルのテラスを設けて、周りを植栽にしてみましょう。植栽は植木鉢やウッドプランターで取り入れるのが手軽です。
50㎡以上 のかなり広めの屋上のケース
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建物の面積と同じ屋上なら、かなり広い屋上です。面積があれば、屋上をいくつかのエリアに分けて複数の機能を設けることも可能です。アウトドアダイニング、アウトドアリビング、菜園など。ファニチャー類もリビングにはソファ、ダイニングにはテーブルセットなど、それぞれのエリアに設けると豊かな空間になります。
後悔したくない!注意したい情報を事前に押さえておこう
屋上ガーデニングのデメリットとは?
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屋上ガーデンのデメリットは、地上のガーデンに比べて高くなるリスク&コストです。
屋上をガーデンとして使うには、様々なリスクがあります。例えば小さなお子様の転落の危険性を減らすことが重要。石やおもちゃを階下に投げないように手すりにネットをかけるなどの工夫も有効です。また台風や強風によってウッドパネルやファブリック類が飛ばないよう固定をしっかりする必要もあります。
地上よりも搬入経路が長く、施工に時間と労力がかかるためコストがあがります。何もない場所に床材や植栽エリアを設けるため、建材のコストが多くかかります。屋上環境では紫外線や風雨による劣化も早いので、維持費も見ておく必要があります。植物が多いほど潅水するための水道代も高くなります。
屋上ガーデニングの防水対策はどうすれば良い?
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新築でこれから建てるなら屋上緑化の希望を伝え、しっかりした防水計画・施工をしましょう。築年数の古い建物の屋上に植栽エリアを設けたら、雨もりの原因になってしまいます。屋上の床素材が劣化していたり水がたまった跡が見られる場合は補修工事が必要です。この場合も施工会社に屋上緑化の計画を伝えましょう。
プロが教える!おしゃれな屋上ガーデニング実例15選
おしゃれな屋上ガーデニング モダン編 4選
ウッドデッキ、フェンスとコンクリートプランターの組み合わせならモダン
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連結型のウッドパネルなら施工が簡単ですが、作りつけのウッドデッキならより凝ったデザインが可能。照明器具を組み込んだり、一部を丸くくりぬいて植栽にすることもできます。同じ木目のフェンスで空間を囲って、コンクリートプランターに植栽すればモダンな雰囲気に。
鉢植えだけでもおしゃれな屋上ガーデンが可能
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白を基調にした空間にモノトーンの鉢を大小並べ、形がはっきりしていてインパクトのある緑でまとめるとモダンです。例えばドラセナ、ユッカ、アロエ、アガベ、サンセベリアなど。床には野外用マットを敷くとコージーな雰囲気が出せます。写真では黄色のアルミ椅子がアクセントになっています。
室内と同じ機能をしつらえると、より豊かなガーデンに
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アウトドアにキッチン、ダイニング、リビングルームがそろっていれば、確実に上質な生活がアピールできます。新築で大きな屋上があるならぜひご検討ください。写真の例では、グリルのあるアウトドアキッチンは屋根つき、ダイニングはウッドデッキ、リビングはタイルデッキと素材を変えて空間に変化をつけています。
夜景を借景に、草原の中のラウンジを表現すればゴージャス
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屋上を大人の社交場のような空間にしたいなら、カクテル片手にくつろぐラウンジのようにデザインしてみませんか!大きなプランターで四隅にコーナーをつくり、ソファを設けましょう。中央にはファイヤーピット、プランターにはオーナメンタルグラスを植えて照明器具を設置。
おしゃれな屋上ガーデニング 和風編 4選
和の植物の鉢を並べ、小石をあしらえばモダン和風に
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つぼ型の鉢植えを並べるだけでも和風が表現できます。例えば株立ちのカエデ類、盆栽に仕立てた針葉樹、下草のヤブランやシダをそれぞれ鉢植えにして並べましょう。木の枠で仕切った「植栽エリア」に黒い小石を並べればよりスタイリッシュです。
置き灯篭+石+白砂なら夜も素敵な和の景観ができる
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搬入、設置可能な大きさの自然石で石組みをしサツキの鉢植えを配置。平たい石の上には金属製の置き灯篭や露地行灯をおいて中に照明を仕込みます。手前には不織布と見切り材を設けたうえに白砂を敷き、水紋を描けば写真のような風景が実現できますよ!
竹を使えば和のリゾートやアジアン風に演出できる
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手すり壁沿いに設けた大きなウッドプランターにシホウチク、クロチクなど高くならない種類の竹を植えれば目隠しになるうえ和風やアジアンリゾート風でスタイリッシュな屋上ガーデンになります。下草にはフウチソウ、シダなどを用いれば涼し気な演出ができます。
竹垣の背景にすれば最小限のマテリアルで和風を表現できる
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限られたスペースでも和風ガーデンが実現できます。陶器の鉢にカエデなど和のイメージの植物を一つだけ植え、周りに自然石や砂利を配置し、奥には竹垣を取り付けましょう。シンプルなほど和モダンに。お好みで水盤や照明器具を追加しても素敵です。
おしゃれな屋上ガーデニング 小さめ編 4選
観葉植物とソファセットだけでも居心地のよい屋上空間になる
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小さな屋上空間でものんびりお茶しながら読書のできる素敵な空間がつくれます。ソファセットと野外用マット、そして観葉植物を置くだけで簡単。屋上で時間を過ごすときは、クッションやブランケットなどを豊富に並べて居心地よくしてください。
ファニチャー類、植栽にこだわるだけで豊かな空間になる
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こちらも比較的小さな屋上ですが、小さなテーブルセットとソファを置き周りに様々な植栽を配置することで豊かな生活を実現しています。カエデのような落葉樹、トウヒのような針葉樹、トレリスに這うフジのようなつる性植物、地被植物など特徴の違う植物を組み合わせると植栽に変化がでます。
スモールスペースでも垂直に空間を利用すれば菜園も可能
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極小さな屋上スペースでも菜園が可能です。手すりより低い壁ぞいにスタンドを設け、プランターや木箱をおけばOK。上下2段のプランターならたくさんハーブや野菜を育てることができます。
おしゃれな屋上ガーデニング 大きめ編 3選
広いけれど細長いスペースなら、性格の違う空間に分けるとより楽しめる
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部屋に沿った細長い屋上があるならイメージの違う複数のコーナーをつくるチャンス。例えばリビングルームの前にはウッドデッキを敷きアウトドアダイニングに。ウッドデッキの四隅にオリーブ+ウッドプランターを置いて空間を仕切り、和室の前には人工芝や砂利を敷いて和風の植物を飾りましょう。
ウッドプランターで空間を仕切れば広い屋上に奥行き感がでる
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広い屋上をいくつかの部屋のように空間を分けたいなら、プランターが有効利用できます。リビングルームやダイニングルームを分けたいなら、それぞれの空間の間を植栽ゾーンで区切ってみてください。プランターに少し高めの植栽を植えて、それぞれの空間が垣間見えると素敵です。
高低差のある屋上ガーデンなら空間にさらに面白味がでる
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ガレージの屋根を利用して屋上ガーデンにしたいなら、住宅の庭とガレージの屋上を階段でつなげて行き来できるようにすると面白い空間になります。それぞれの空間にファニチャーを置くことで、まるで部屋のように使うことができます。プランターや鉢植えの緑を壁のコーナーに配置すれば柔らかい雰囲気がだせます。
まとめ
屋上ガーデンにはリスクもあるので、どの程度のガーデニングが実現可能か調べましょう。重量に制限があるなら、軽い素材を少なく効果的に置くことで素敵な空間を演出しましょう。新築やガーデニング対応の建物なら床やフェンスの素材にこだわり、大きなプランターを使ってよりボリューム感のあるガーデンが可能です。
屋上をガーデンにしつらえて上手に利用すれば、より豊かな生活がおくれます。家族や友人と緑豊かなテラスで時を過ごしたり、眺望を眺めながら自分だけの時間を楽しんだり。屋上で菜園を実現したい人も多いことでしょう。マイホームに合った素敵な屋上ガーデンを実現してくださいね。