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      2021/12/30

【チャールズ・イームズの名作チェア】デザインした椅子の歴史と商品の魅力を徹底解説します

「チャールズ・イームズ」の名は、妻の「レイ・イームズ」とともに、「イームズ夫妻」や「チャールズ&レイ・イームズ」として皆さんも聞いたことがあるでしょう。ミッドセンチュリーを代表するアメリカのデザイナーであり、積層合板やプラスチック、金属などを使用して家具をデザインした、20世紀のプロダクトデザインに強い影響を与えた人物(たち)として有名です。

彼(ら)のデザインしたチェアは現代でも、インテリア業界で人気を誇る名作として発表から数十年経った現代でも人気は衰えていません。イームズのチェアとして知らなくても、映画やドラマ、テレビ番組や雑誌や広告など、あらゆるメディアの中にさりげなく採用されていたりするので、きっと皆さんもどこかで見たことがあるのではないでしょうか。

そんな魅力たっぷりのイームズのチェアについて、その歴史と魅力をご紹介していきたいと思いますので、ぜひ参考にしてみてください。

チャールズ・イームズのチェア、その歴史を紐解く

チャールズ・イームズの生い立ちと妻レイとの出会い

1907年、アメリカのミズーリ州に生まれた「チャールズ・イームズ」。

高校に通いながら製図工の見習いとして働き、まだ若いながらも設計や製図を身につけました。その後奨学金を受けて大学の建築学科へと進学しますが、2年ほどで退学となります。理由は、クラシックな伝統的な建築を重視する学校に対し、イームズ氏は当時前衛的な建築で知られる「フランク・ロイド・ライト」を熱烈に支持していたためと言われています。当時から、新しいことへの興味や挑戦、情熱家な一面が伺えるエピソードですね。

1930年には建設設計事務所を開設し、「聖メリーズ教会」を設計。それが、フィンランドの建築家でアメリカで活躍する建築界の巨匠「エリエル・サーリネン」の目に留まったことから、サーリネン氏との交流が始まります。サーリネン氏は当時、ミシガン州で「クランブルック美術学院」で校長を勤めていたことからイームズ氏を招待しました。学院ではサーリネン氏の息子である「エーロ・サーリネン」と親友となり、またのちの妻となる「レイ・カイザー」とも出会いました。

イームズ氏が家具の分野で頭角を表してきたのは1940年のこと。親友エーロ・サーリネンと共に、ニューヨーク近代美術館開催の「オーガニック家具デザイン」コンペに成型合板を使った家具を出品し、2部門で優賞しました。この頃からイームズ氏とその仲間たちは、成形合板の加工技術の研究と製作を行っていたわけです。この成形合板の研究には、41年に結婚し妻となるレイ・カイザーや、ヴィトラ社のダイヤモンドチェアで知られるハリー・ベルトイヤなども関わっていたと言われています。

参考:Eames Office HP(海外サイト)
https://www.eamesoffice.com/

参考:HermanMiller HP「チャールズ&レイ・イームズ」
https://www.hermanmiller.com/ja_jp/designers/eames/

参考:フリー百科事典ウィキペディア(Wikipedia)「チャールズ・イームズ」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%BA%E3%83%BB%E3%82%A4%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%82%BA

三次元成形合板加工や家具へ新しい素材を使う試み

夫婦となったイームズ夫妻は、ともに木材成型の研究を続け、合板の成型装置を発明するなど成型合板の技術を発展させました。時は第二次世界対戦中、その技術は戦争で負傷した兵士のための添木や担架、グライダー用のシートなどに活用されることになりました。中でも脚用の添え木「レッグ・スプリント」(上画像)は、戦争が終わるまでの間に15万本以上も製造され、その時培った大量生産の経験は、戦後の家具需要に応用されることになります。戦後、経済が急速に活動を始めると、イームズ夫妻は戦時中に培った成形合板の大量生産の技法を応用し、「プライウッドチェア」を生み出します。

現在、イームズ夫妻のほとんどのデザインを扱っているハーマンミラー社との関係も、40年代後半から始まりました。その後1950年代には、成形合板だけではなく、プラスチックや金属ワイヤーを素材とした椅子をデザインしました。成型合板やプラスチック、ワイヤーなど時代を先取るような挑戦的な素材を用いて家具を製作してきたチャールズ・イームズの作品は、現在ではミッドセンチュリー(1940年代〜1960年代)を代表する家具として幅広く認知されています。

今では珍しくもない合板やプラスチック、金属素材の家具も、開発当初は何度も実験を繰り返すことで、ようやく製品として世に生み出すことに成功しました。そしてその作品たちは、20世紀のプロダクトデザインに大きな影響を与えました。第二次世界大戦とその後の経済の急速な発展という大きな変化を伴う時代のニーズを読む力と、臆さず新たな素材とデザインに挑戦する精神は、イームズ夫妻の作品に確かに息づき、今もその作品から力強いエネルギーを発しているように感じられます。

参考:Eames Office HP(海外サイト)
https://www.eamesoffice.com/

参考:HermanMiller HP「チャールズ&レイ・イームズ」
https://www.hermanmiller.com/ja_jp/designers/eames/

参考:フリー百科事典ウィキペディア(Wikipedia)「チャールズ・イームズ」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%BA%E3%83%BB%E3%82%A4%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%82%BA

チャールズ・イームズのチェアの魅力

身体にフィットする座り心地

イームズのチェアといえば、当時の時代の先端を行く新しい素材と技法を用いて作ったデザインが特徴的です。しかし夫妻の椅子が、なぜ現代に至るまで世界的に評価を受け、ロングセラーとなっているかといえば、それは単に目新しさだけではなく、座る人の快適性を追求した座り心地にあるからだと言えます。

新しい素材に取り組む時、夫妻は何度も実験と研究を重ねてからデザインを完成させていました。時に必要とあれば、座り心地を良くするために新たな技法を生み出すことまでしました。イームズの代表的なチェアには、成型合板や成型プラスチックなど、人の身体にフィットする曲線があらかじめ「成型」されたシェルを使用しています。

そのため一見固そうで座りにくそうな印象を受けるシェル型のチェアも快適な座り心地となっているのです。

ミッドセンチュリーを代表するアイコン的存在感

未だ人気のアメリカンミッドセンチュリー(1940年代〜1960年代)テイストのインテリアといえば、ポップで近未来的なデザインや、モダンテイストのシンプルで新素材を利用した古新しい印象のアイテムを使ったコーディネートです。とはいえ、あまりに先進的なデザインやポップすぎるアイテムを日本の住宅に取り入れるのは、なかなかハードルが高いのではないでしょうか。

イームズのチェアは、シンプルなデザインでありながら、豊富なカラーバリエーションと使い勝手の良さでインテリアに取り入れやすいアイテムとして人気です。かつて日本で起きたミッドセンチュリーブームでは、イームズのプラスチックチェアが特に人気を博し、多くの当時の若者たちを魅了しました。憧れのアメリカ映画やホームドラマなどにチラリと登場して心惹かれていた世代の人も多いはずです。

上の世代の人は学生時代に憧れたアイテムとして、若い世代には目新しさとポップな印象のアイテムとして人気です。ミッドセンチュリーを代表するデザイナーとして広く知られているイームズ夫妻のチェアは、どの世代にも愛されるアイコニックなアイテムとしての魅力も持っています。

シンプルで軽くて扱いやすいデザイン

イームズ夫妻が活躍した時代は、第二次世界大戦とその後の経済が急速に発展し、住宅事情が大きく変化した時代でした。家で家族と過ごすことの多くなったこの時代、夫妻がチェアをデザインする際に求めたのは、「最大多数の人びとに最のものを、最低価格で提供する」こと。つまり多くの人々に提供できるような「大量生産可能」で「低価格」であることでした。

その結果イームズのチェアは、装飾性のないシンプルで、手頃な値段の商品を多く発表してきました。とはいっても、もちろんイームズ夫妻は商業的な思考だけでデザインを作ったわけではなく、夫妻らしい好奇心とチャレンジ精神を持ったデザイナー的思考により、挑戦的な素材を用いてデザインを作り上げています。

そんなイームズのチェアは、ダイニングやリビングはもちろん、書斎や玄関、寝室などあらゆる部屋に置いても、そのシンプルな見た目と扱いやすい手軽さによって、場所を選ばず活躍してくれます。例えば壁際にちょっとした物を置くための台の代わりに使ったり、キッチンにちょっとした休憩椅子として置いておいても、邪魔にならなずにしっかり馴染んでしまうのが、イームズのチェアの魅力と言えます。

チャールズ・イームズがデザインした代表的な名作チェア6選

プライウッド・チェア:Herman Miller

1946年に発表された「プライウッドチェア」は、戦時中に活躍した成形合板の技術と、戦後の家具需要のためにイームズ夫妻が生み出した傑作の一つです。シンプルなデザインで、ファブリックや詰め物などクッション素材を使用せずに、快適な座り心地を生み出し、かつ家具需要に対応できる大量生産が可能なデザインとして開発されたプライウッドチェアは、1999年の「タイム誌」にて「20世紀最高のデザイン」とも言われました。

プライウッドチェアが開発された当時は、無垢材を使った家具が主流であり、建築資材であった合板を利用した成型合板の家具は一般的ではありませんでした。そんな中、イームズ夫妻は合板のコストや量産性といった生産面におけるメリットに着目し、実験を重ねることでついに合板を三次元に成形する成形合板の大量生産技術の開発に成功します。それまで二次元的な成形までしかできなかった合板を三次元に、複雑な曲線表現を可能にしたことで、人の身体にフィットするような複雑な形の椅子を作り出すことができるようになりました。

この三次元成形合板の技術とプライウッドチェアの誕生は、その後のプロダクトデザインに大きな影響を与えました。また、スイスのヴィトラ社が現在のような家具ブランドになるきっかけとなったのも、このプライウッドチェアの存在があります。ヴィトラ社の創業者がアメリカに来た時に、偶然見掛けたこの椅子のダイニングチェアに一目惚れしたことから、家具メーカーとしての歩みが始まったという逸話も残っています。

合板で作られているプライウッドチェアですが、三次元成形により身体にフィットする形状と、ゆったり座れる低めの座面、背もたれと座面の幅が広いことで快適な座り心地となっています。

参考価格:¥139,700〜370,700(税込)
サイズ:W55.9×D61.6×H67.4cm(ラウンジチェア)
W49.3×D55.3×H73.1cm(ダイニングチェア)

参考:HermanMiller HP「Eames Molded Plywood Chairs」
https://www.hermanmiller.com/ja_jp/products/seating/side-chairs/eames-molded-plywood-chairs/

ラ・シェーズ:Vitra

1948年に発表された「ラ・シェーズ」は、ニューヨーク近代美術館(MoMA)主催のローコストデザインコンペティションに出品された作品の一つです。しかし、当時の技術では製造が難しく、また多額の費用を必要としたため、コンペには入選される事無く、プロトタイプが数点のみ製作されるに終わりました。

そんなラ・シェーズですが、実は発表当時から作品自体は高く評価されており、幻の名作と呼ばれるほどでした。1996年頃に技術の進歩によりVitra社によって製造販売されることになると、たちまちその高いデザイン性に多くのファンが魅了されました。また、ラ・シェーズは、イームズ夫妻が最も愛した家具とも言われており、彼らのデザイン理論や思想を強く反映した特別な存在とも言われています。

ラ・シェーズ は、芸術家「ガストン・ラシェーズ」のふくよかな人体彫刻「フローティング・フィギュア 」(※下画像参照)という作品からインスピレーションを受けたものとされており、複雑な曲線を描く有機的なフォルムは、自由に曲線的表現を取り入れて成形できるプラスティック成形技術によって、抽象的なアート作品を家具へと昇華させた稀有な作品と言えるでしょう。

人を模した彫刻から、有機的フォルムの独特な寝椅子を作り出したイームズの発想は、斬新で挑戦的であり、それゆえに発表から70年以上過ぎた現代でもラ・シェーズには古臭さはなく、むしろ新しさを感じます。

彫刻を模した複雑な曲線を描くグラスファイバー ( GFRP製 ) のシートを、細い5本のクロームメッキのロッドでオーク材のベースに固定した姿は、家具でありながら浮遊感を強く感じさせ、独特のフォルムも相まって、普通の家具とは一線を画すインパクトのある美しい存在感を生み出しています。

滑らかで複雑な凹凸形状は、シートに空いた穴付近が一番深く沈み込んでおり、人体を模した彫刻がモデル故か、はたまたイームズ夫妻による緻密な計算も含まれているためか、自然と人の身体にフィットし、通常の座り方から横座り、寝転ぶような体勢でもあっても身体に沿うように座ることができる、まるで座れる彫刻のような造形美と機能性を備えているのです。

参考価格:¥1,016,400(税込)
サイズ:W150×D82.5×H87cm

参考:Eames Office HP「La Chaise 」
https://www.eamesoffice.com/the-work/la-chaise/

参考:Vitra. HP「La Chaise / ラ シェーズ」
https://www.vitra.com/ja-jp/living/product/details/la-chaise

シェルチェア:Herman Miller

1950年に発売された「シェルチェア」は、1948年のニューヨーク近代美術館(MoMA)が主催した「ローコスト家具デザイン国際コンペ」のためにデザインされたものでした。コンテストに出品した初期のシェルチェアは、金属をベースとしたシェルの表面を合成ゴムでコーティングしたもので、コストが掛かるために、コンテストでは2位を受賞しました。製品として成立させるためには素材の見直しが必要となったのです。

そんな中イームズ夫妻が目を付けたのが、「ガラス繊維強化ポリエステル樹脂(GFRP)」でした。この素材には、有機的な成型、生産上のコスト効率、丈夫さと耐久性、そして軽量で扱いやすいという特性がありました。当時家具への使用は一般的ではなかったGFRPを使用して作られたこのイームズシェルチェアは、世界で初めて大量生産されたプラスチックチェアとなり、発売からわずか1年で有名となり、世界で愛されるチェアとなりました。

しかし1980年代後半から1990年代初頭までの間、シェルチェアは一時期製造を中止することになります。それは、GFRPに使用されるガラス繊維の製造過程において環境への影響に懸念があったことが原因でした。その後2001年に、100%リサイクル可能な素材としてポリプロピレン製のプラスチックシェルを採用したことにより、再び製造が開始されます。このポリプロピレン製のシェルの製造には、1970年にイームズ夫妻が作ったガラス繊維を使用していないプラスチックで試作した作品をベースに作られました。

2013年、イームズ夫妻長年の夢であった三次元成形合板によるウッドベニアのシェルを実現。(上画像)この成形合板による背座一体型のシェルは、イームズ夫妻が長年作りたかった椅子の形であり、シェルチェア誕生から65年の時を超えてようやくこの世に誕生したのでした。

そして2014年、プラスチックシェルの素材を独自のファイバーグラス製造法により、GREENGARDのゴールド認定を受けた環境に優しい素材を使用したGFRP素材に変更し、環境に優しいオリジナルのGFRPシェルチェアを再び復活させることに成功したのです。

発売当初からのデザインを守り、人の身体に沿った一体型のシェルによって長時間快適に座り続けることができるシェルチェア。発売から70年以上経過した現在、幅広いカラーバリエーションと、豊富なレッグパーツ、そしてアームチェアや布張りのシートなど、時代に合わせて進化し続けてきました。そのシンプルで飽きの来ないデザインと、軽くて座り心地の良いチェアは、これからも時代の変化に合わせて、いつまでも世界中で愛され続けていくことでしょう。

参考価格:¥46,200〜48,400(税込)(プラスチックシェルサイドタイプワイヤーベース)
¥96,800〜135,300(税込)(ウッドシェルサイドタイプワイヤーベース)
サイズ:W46.5×D55×H81cm(サイドタイプ ワイヤーベース

参考:Herman Miller HP「Eames Molded Fiberglass Chairs」
https://www.hermanmiller.com/ja_jp/products/seating/side-chairs/eames-molded-fiberglass-chairs/

参考:Herman Miller HP「シェルの物語」
https://www.hermanmiller.com/ja_jp/stories/why-magazine/shell-shorts/

ワイヤーメッシュ・チェア:Herman Miller

1951年に発表されたワイヤーチェアは、全てがワイヤーロッドによって作られたアイコニックなチェアです。シート部分はロッドを縦横に溶接したワイヤーメッシュのシャル型シートとなっており、プラスチックシェルチェア同様に身体にフィットする緩やかな曲線を描いています。このワイヤーチェアの誕生には、プラスチックシェルチェアが深く関わっており、きっかけはプラスチックシェルチェアの初期型の素材の見直しにありました。

上で紹介した通り、1948年のMoMAのコンペに出品した初期のシェルチェアの素材は、コスト上の問題で量産に向かず、そのため素材の見直しが行われることになりました。最終的にはGFRP素材に出会うまでには、多くの試行錯誤が行われており、その作業に行き詰まりを感じていた時に見出されたのがワイヤーロッド素材でした。

イームズ夫妻は、目についたトレイやバスケット、ネズミ捕獲機やトルソーといったワイヤーロッドで作られた製品から、ワイヤー製造技術に目を付けたと言われています。また、イームズ夫妻の友人には、のちに「ダイヤモンドチェア」を生み出す金属彫刻家「ハリー・ベルトイア」がおり、彼の影響と協力も少なくはないでしょう。

1950年代に始まったワイヤーチェアの研究はそういった背景を持ち、その翌年の1951年には製品として完成することになります。金属製のワイヤーロッドを使用したこの椅子は、軽量で耐久性があり、またコスト面でも優れており、ミッドセンチュリーを代表する名作チェアの一つに数えれています。一見頼りなさそうに見える細いワイヤーで構成された椅子ですが、フレームを細径ワイヤーで製作し、2重構造にすることで強度を増し、溶接により固定された「エッフェルベース」と呼ばれる脚部の強度も、座面に座った時にワイヤーが締まり強度が増すよう設計されています。

シートにはパッドなしのシート面がそのままのワイヤータイプの他、2種類のレザーシートパッドのオプションがあります。レザー張りのシートバッド付きのタイプと、シートと背もたれにレザーパッドがついた通称「ビキニ」と呼ばれるタイプです。シャープなフォルム、繊細なシルエット、見る角度、映る影すら目を引くワイヤーチェアは、その存在感とデザイン性、そして実用性を兼ね揃えたチェアとなっています。

価格:¥102,300〜161,700(税込)
サイズ:W50×D52.5×H84cm

参考:Herman Miller HP「Eames Wire Chairs」
https://www.hermanmiller.com/ja_jp/products/seating/side-chairs/eames-wire-chairs/

参考:Eames Office HP「Wire Chairs」
https://www.eamesoffice.com/the-work/wire-chair/

ラウンジチェア&オットマン:Herman Miller

1956年に発表された「イームズラウンジチェア&オットマン」は、19世紀イギリスのクラブチェアを、イームズ風のモダンスタイルへと生まれ変わらせた作品であり、20世紀を代表する名作家具の一つとして非常に知名度の高い存在です。ニューヨーク近代美術館やシカゴ美術館の永久収蔵品にも加えられており、多くの映画やテレビドラマにも登場している、アイコニックなラウンジチェアとしてその存在は幅広い世代、地域に知られていることでしょう。

従来のラウンジチェアよりも、より良いラウンジチェアを作りたいと考えたイームズ夫妻により生み出されたこのチェアは、人間工学に基づいた快適な座り心地と、完成された美しいデザインの二つが揃っており、イームズデザインの中でも傑出した作品です。「まるで使い込まれた一塁手のミットのように温かく包み込むような外見」とチャールズ氏自身が語ったように、アメリカの4 大プロスポーツに数えられる野球のミットを思わせるデザインは、まさにアメリカを象徴するデザインと言われていることにも納得です。

イームズデザインの得意とする合板を使ったシェル部分は木目の美しさが際立ち、ミットのような身体を包みこむクッションは長時間座ってもヘタれることなく快適な座り心地が続きます。傾斜した座面は、脊椎下部への負担を背もたれに分散させ、腰を支えるクッションによってゆったりと姿勢を快適に保つことで、いつまでも座っていたいリラックスした座り心地を実現しています。それぞれの部品は現在でも手作業で丁寧に組み立てられており、職人の技術力もまたこの名作を構成する重要なピースとなっています。

価格:¥708,400〜1,122,000(税込)
サイズ:W83.2×D83.2×H81.3cm(チェア)W66×D54.6×H43.8cm(オットマン)

参考:Herman Miller HP「Eames Lounge Chair and Ottoman」
https://www.hermanmiller.com/ja_jp/products/seating/lounge-seating/eames-lounge-chair-and-ottoman/

アルミナム・グループ:Herman Miller

「イームズアルミナムグループチェア」誕生のきっかけは、エーロ・サーリネンとアレキサンダー・ジラードが請け負っていたある仕事から始まります。アメリカの実業家J.アーウィン・ミラーの私邸の設計の依頼を受けていた二人は、その邸宅の屋外に使用する上質なチェアを求め、イームズ夫妻に依頼することにしました。

これまでのイームズ夫妻のチェアといえば、外殻のあるシェル型のシートを使用しておりましたが、夫妻はこの依頼で新たなシートの形へと挑戦します。アルミナムグループの名前の通り、アルミニウムを用いたフレームに、合成繊維のメッシュ素材の張地をピンと張ることでシート部分を作り出したアルミナムグループチェアは、「シッティングポケット」と言われるサポート性と柔軟性のある座面を生み出し、快適な座り心地を実現しました。

このアルミナムグループチェアは、1958年からハーマンミラー社で製造が開始され、以来長い間人気のアイテムの一つとして愛され続けてきました。しかしながら発売から間も無く、デザイン当初のメッシュ素材の屋外仕様は製造中止となり、以降は屋内向けのオフィスチェアとして販売され続けていました。屋外チェアから屋内チェアへと転身したアルミナムは、その快適で使い勝手の良いデザインから、オフィスチェアとしても高い人気を誇る存在となり、近年再び屋外仕様のアルミナムの復活を果たします。

現在はファブリックとレザー、そして2001年に新たに採用された新素材メッシュ「シグナス」を張地として採用し、多くのチェアバリエーションと機能を持つことで、自宅の書斎から会社のオフィス、そして屋外まで、幅広いシチュエーションで活躍し続けています。

参考価格:¥232,100〜361,900(税込)(マネジメントチェア)
サイズ:W58.5×D56×H79〜86.5cm(ガス圧シリンダータイプH79〜91,5cm)(マネジメントチェア)

参考:Herman Miller HP「Eames Aluminum Group Chairs
https://www.hermanmiller.com/ja_jp/products/seating/office-chairs/eames-aluminum-group-chairs/

参考:Eames Office HP「Aluminum Group Chairs
https://www.eamesoffice.com/the-work/eames-aluminum-group/

チャールズ・イームズのチェアを使ったおしゃれコーディネート6選

プライウッドチェアを取り入れた、WICを格上げするモノトーンコーデ

WIC(ウォークインクローゼット)を使っていると、意外と椅子があると便利なのですが、イームズのプライウッドチェアのような、コンパクトで軽く持ち運びしやすいチェアはまさに最適と言えます。

オフィスワーカーなどモノトーンな服の多い方などは、WIC全体もモノトーンでコーディネートすることで、空間がまとまって見える効果も期待できます。直線的な構造のクローゼットなどの収納家具に、流れるような曲線を持ったプライウッドチェアはアイコニック的に良く映えます。

決して人に見せるわけではないWICも、おしゃれにコーディネートすることでインテリアに対する意識の高さも感じます。

オブジェのようなラ・シェーズチェアでボリュームのあるモダンクラシックコーデ

彫刻をモデルにしたラ・シェーズチェアは、その優雅な曲線美でクラシカルなインテリアにもばっちりマッチします。

モダンクラシックスタイルは古典的な要素と近代的な要素を組み合わせるインテリアスタイルですが、ラ・シェーズのように近代的な素材を使いつつも、有機的で滑らかな曲線を持ったグラマラスでエレガントなフォルムのラウンジチェアは、装飾的なクラシックテイストのアイテムと合わせても、存在負けすることもなく、かといって反発しあうこともなく良く馴染みます。

インパクトのあるラ・シェーズチェアを、アイコンとしてではなく、インテリアに馴染ませる形で利用したコーディネートです。

シェルチェアの豊富なカラーバリエーションを活用した明るいダイニングルーム

豊富なカラーバリエーションを持ち、シンプルでスッキリとしたデザインの「プラスチックシェルサイドチェア」は、ダイニングルームに最適のアイテムです。家族のそれぞれ好きな色を選択したり、ビタミンカラーでヘルシーな印象に演出するなど多彩な表現が可能です。

脚部パーツは、ナチュラルやカントリー調ならば木製のダウェルベースがマッチ。モダンでクールな印象にしたい場合は、ワイヤーベースなどがおすすめです。

ウッド×メタルで洗練されたプロ風キッチン&ダイニングスタイル

ウッドとシルバーの金属素材でまとめられたダイニングキッチンスタイル。ウッドの温もりと高級感のある質感と、金属素材の冷たく無機質な光沢とのコントラストが絶妙なコーディネートです。

シンプルで無駄なものがなく、ストイックな印象はどこかプロの料理人のキッチンのよう。ワイヤーによる軽快でシャープな印象の「ワイヤーメッシュチェア」は、キッチンのストイックな印象をそのままダイニングにも再現しています。

ワイヤーメッシュチェアのように視界を妨げないチェアを使ったコーデは、広い部屋はもちろん、スペースに限りのあるお部屋にも真似できるスタイルです。

プライベート&コミュニケーションシーンの両方に使えるラウンジチェアの配置

書斎兼応接室としても使用できるお部屋に、「イームズラウンジチェア&オットマン」を取り入れたコーディネート。

オットマンとラウンジチェアを別々に配置することでコミュニケーションスタイルとなり、本を読むときにはオットマンとラウンジチェアを使用して個人で楽しむプライベートスタイルにもできます。

「イサムノグチのコーヒーテーブル」や「イームズスツール」と同様の、ウォールナット製のフレームを使用した、ブラックのレザーの張地の高級感のあるタイプを使用することで、書斎に統一感が生まれ、重厚感のある落ち着いた雰囲気となっています。

アルミナムグループチェアで省スペースを活用したスッキリとした書斎

「アルミナムグループチェア」のスッキリとしたシャープなフォルムは、スペースの限られた空間でも圧迫感なく使用でき、スタイリッシュで軽快な印象になります。本や資料が多くなりがちな書斎などで、なるべく空間をスッキリさせたい場合などにもおすすめのチェアです。

張り地バリエーションが豊富で、ファブリックタイプのカラーバリエーションが豊かですが、ブルーやイエローなどカラフルな色を選択しても、デザイン自体がシンプルでシャープなため、浮ついた雰囲気になることはなく、スッキリとした印象が保たれます。

写真のようにブルーのシートで、書斎にアクセントカラーを添えたコーディネートも楽しめます。

まとめ

戦争と経済の急成長という激動の時代の中、素材に対するチャレンジ精神と研究・実験を行う忍耐強さで、新しい時代のプロダクトデザインの道を切り開いたイームズ夫妻。20世紀の偉大なデザイナーの内に数えられる二人ですが、二人がとても楽しんで家具をデザインしている様子が写真に残されています。

そんなチャールズ・イームズとレイ・イームズの夫婦の好奇心とエネルギーは、イームズのチェアに今も宿っているように感じられます。シンプルなのにどこか人を惹きつける存在感や、見ているだけでどこかワクワクするような気持ちになるイームズのチェア。シンプルで取り入れやすいのもまた魅力的です。

皆さんもぜひインテリアに取り入れて、楽しいインテリアスタイルを、イームズ夫妻のように好奇心いっぱいに挑戦してみてはいかがでしょう。

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