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knoll / ノル の評判は?アメリカを代表するモダン家具ブランドの人気の秘密を探る

1940年代〜1960年代のいわゆるミッドセンチュリーと呼ばれる時代、第二次世界大戦後のアメリカでは、後世に名を残す多くのデザイナーによって名作家具の数々が誕生しました。その背景には、戦後の住宅や家具の需要の拡大や、戦時中戦火から逃れるためにドイツなどヨーロッパからアメリカへの逃れた著名な建築家やデザイナーの存在、そして戦時中に開発された新素材を家具へと利用した画期的な手法など様々の要員がありました。

こうして多くの要因から家具デザインの中心が、ヨーロッパからアメリカへと移り、アメリカで家具デザインの全盛が巻き起こったミッドセンチュリー期に活躍した家具ブランドの一つが、今日でもデザイナーズ家具とオフィス家具で有名な「ノル」でした。

今回はそんなノルについて、改めてその歴史の魅力を探っていきたいと思います。今もなお人気を誇るミッドセンチュリー期を代表するデザイナーズアイテムの数々を扱うノルが、いったいどのようにして多くのデザイナーとの共同に成功したのか?多くの魅力的なデザイナーズアイテムと共に、ノルの魅力を探っていきましょう。

knoll が何故支持されるのか?インテリアのプロがその人気の秘密を紐解く

knollとは?

ミース・ファン・デル・ローエの初期の作品製作や、革製家具を扱うドイツのトップブランドとして知られるWalterKnollを家業にもつ、「ハンス・ノル」が1938年現在のノル社の前身となる会社をアメリカで設立したことから、ノル社の歴史の歩みは始まります。設立当初は、ヨーロッパの家具の輸入販売を目指していましたが、時は第二次世界大戦只中。輸入が難しい状況に、ノル氏は家具の国内生産とオリジナルの制作、インテリアデザインのプランディングの業務へと会社の舵を切ることにしました。

そんな波乱の時代を共に乗り越える相棒となったのが、デンマークの若手デザイナーであった「イェンス・リソム」でした。家業と血統により身につけた商才と情熱を武器にノル氏が顧客の対応を行い、北欧より渡米した才能溢れるリソム氏がデザインを行う二人のコンビネーションは、設立間もない会社を大きく成長させていくことになります。そんな順調なノル社にも、戦争の陰が忍び寄ってきたのは、間もなく1943年のことでした。リソム氏が徴兵され、一時的にノル社を離れることになったのです。

リソム氏が不在となったノル社に、新たにデザイナーとして雇われたのは、以前から仕事を共にしていた「フローレンス・シュスト」でした。彼女は、革新的なインテリアデザインサービス「ノルプランニングユニット」を設立し、アメリカのオフィスインテリアに革命を起こしました。1946年、ハンス・ノルとフローレンス・シュストは結婚し、ビジネスセンス溢れる夫とデザインセンスに満ちた夫人は、公私共に最高のパートナーとなりました。

妻となったフローレンス・ノルは、ノル社の世界的な発展に大きく貢献しました。親交のあるデザイナーの「エーロ・サーリネン」「ハリー・ベルトイア」などからノル社での家具デザインをしてもらうことや、尊敬する教師であった、モダン建築の巨匠「ミース・ファン・デル・ローエ」より、バルセロナコレクション・ブルーノチェア・MRシリーズなどの家具の独占製作権利を譲渡してもらうことに成功しました。今日のノル社の特徴とも言える、著名なデザイナーによるデザナーズアイテムやオフィスインテリアの数々での成功には、ノル夫人の存在がとても大きかったと言えるでしょう。

参考:Knoll HP「アーカイブ」(海外サイト)
https://www.knoll.com/the-archive/

knollのスタイル

ノル社には3つの部門があり、オフィス関連のアイテムを扱う「KnollOffice」、北米最大級のテキスタイルサプライヤでもある「KnollTextiles」、そして著名なデザイナーのプロダクトを扱う「KnollStudio」となっています。「KnollStudio」では、マルセル・ブロイヤーやミース・ファン・デル・ローエなどバウハウス出身のモダニズムの巨匠たちの作品や、フローレンス・ノルをはじめ、ハリー・ベルトイア、エーロ・サーリネンなどのミッドセンチュリー期のデザイナーの作品、そしてエドワード・バーバー&ジェイ・オズガビーやピエロ・リッソーニなど近年活躍するデザイナーの作品など、モダン家具の歴史を辿るように時代を彩る著名なデザイナーのアイテムを取り扱っています。

各々デザイナーの個性や時代の流れ、アイテムに込められたコンセプトなど、魅力的で品質の良いおしゃれなデザイナーズ家具の数々は、ノル社の魅力を語る上では欠かせない存在です。

knollの評判

多くの名作デザイン家具を取り扱うノル社のアイテムの中には、すでに意匠権が切れ、リプリダクト品として他社が製造している製品もいくつか存在しています。リプロダクトのメリットは、本物の値段よりもはるかに安く手に入ることですが、やはり作者から製造を託された正規メーカーならではの、本物の魅力というものがあります。見た目は似ていたとしても、真似し切れない、ノル社の本物ならではの魅力とはどんなものがあるのでしょう。実際に購入された方の感想をもとに、探ってみてみましょう。

この椅子はリプロダクトの製品も多く出回っていて、それこそ大塚家具などでは3分の1のお値段でもっと安く買えるはずです。
でもKnoll社のものとは、革の質感や座り心地等、天と地の差があります。
版権が切れているので偽物という訳ではないですが、やっぱりKnoll社のものが一番だと思います。

https://ameblo.jp/maico117/entry-11755056328.html

「この椅子」とは、近代建築の三大巨匠の一人「ミース・ファン・デル・ローエ」の傑作「バルセロナチェア」のこと(下記画像参照)。バルセロナチェアは、1929年にデザインされたモダンデザインの傑作とも言われる世界的にとても有名なチェアです。意匠権が切れたため、世界中で数多くのリプロダクト品が制作されている椅子でもありますが、ノル社製のバルセロナチェアこそが正規品です。

ローエ氏はバウハウスの校長や、イリノイ工科大学の建築学科主任教授も務めており、教授時代に若い頃のフローレンス・ノルの指導も行いました。可愛がっていた教え子に、バルセロナチェアをはじめ、自身の作品の多くの独占製作権利を譲渡したのは、優秀な教え子ならば自身のデザインを損なうことなく完璧な状態で製品化することができると、信頼していたからなのではないでしょうか。

ノル社は長年多くのデザイナーズ家具を取り扱っており、豊富な素材知識と高品質な素材、製造ノウハウを有しています。肌に直接触れ合うチェアやソファなどの家具などでは、特にその品質の差は実際使ってみて感じやすいものでしょう。

 

knoll が好きな方におすすめブランド

Herman Miller(ハーマンミラー)

ハーマンミラー社は、ノル社と並ぶアメリカのモダン家具ブランドの一つです。「チャールズ&レイ・イームズ夫妻」や「ジョージ・ネルソン」など、ミッドセンチュリーに活躍したインテリア史に名前を残すデザイナーのアイテムと、「アーロンチェア」などのオフィスチェアで有名なブランドです。フローレンス・ノルやハリー・ベルトイア、エーロ・サーリネンらと、ハーマンミラーに所属していたイームズ夫妻は同じクランブルック美術アカデミー出身であり、交友の深い関係でした。

ミッドセンチュリーインテリアを作るのに欠かせない、イームズ夫妻とネルソン氏のコレクションを数多く扱っているブランドであり、共に同時期に活躍したデザイナーのアイテムを扱うノル社のアイテムとは相性が良いブランドです。

HermanMiller HP
https://www.hermanmiller.com/ja_jp/

Vitra(ヴィトラ)

ヴィトラ社は、世界的に有名なスイスの家具ブランドであり、インテリア史に名を残す著名なデザイナーのアイテムを多数取り扱っているブランドです。ヨーロッパと中東でのイームズデザインの生産販売権を有しており、ヨーロッパの方ではイームズを扱うブランドとしても有名です。数多くの名作家具の製造販売を行っており、独自の機関でデザインと建築の研究を行い、美しいデザイナーズアイテムの再発掘再生産をいくつも成功させています。

デザインに込められたデザイナーの想いやコンセプトを正確に読み解き、卓越した技術と知識によって、デザイナーが思い描いたアイテムをこの世に生み出すことに長けており、高い品質と完成度に定評があります。完成されたデザイン性や高い品質、個性豊かな数多くのデザイナーの生み出した名作家具の数々は、ノル社のデザイナーズアイテムと合わせて、インテリアファンの心を満たしてくれることでしょう。

Vitra. HP
https://www.vitra.com/ja-jp/home

 

プロが選ぶ!knoll の代表的なおすすめアイテムを5選

knoll のおすすめソファ

上品なクラシックモダンスタイルのソファ:Florence Knoll Collection Classic and Relax Sofa

1954年にフローレンス・ノルによってデザインされたラウンジコレクション。フローレンス・ノルは、「ヴァルター・グロピウス」や「マルセル・ブロイヤー」「ミース・ファン・デル・ローエ」といった、アメリカに渡ったドイツ・バウハウスのモダニズムの巨匠の元でデザインに従事した経歴を持っており、そのデザインにもドイツのモダン建築の要素が随所に感じられるのが特徴的です。また、インテリアデザイナーの仕事を、今日のような建築に付随する計画的な仕事として確立させた人物でもあり、彼女の家具デザインには個々の個性を出した家具というよりも、インテリア全体をより良く演出するためいったコンセプトが感じられます。

彼女が最も尊敬した師であるミース・ファン・デル・ローエの影響を受けたデザインのこのソファは、建築のような構成的なモダンなソファでありながらも、クラシックで上品な印象が魅力的です。品の良い印象なので、上品なモダンインテリアや応接空間、オフィスなどにも取り入れられるソファとなっています。装飾的な役割や個性などはありませんが、全体を上質なモダンインテリアコーデにしたい時などにおすすめのソファです。

Knoll HP「Florence Knoll Collection Classic and Relax Sofa」
https://www.knolljapan.com/knoll-studio/by-category/sofa/florence-knoll-collection.html

シンプルかつ機能的なソファ:Piero Lissoni Avio Sofa System

2016年にイタリアのデザイナー「ピエロ・リッソーニ」がデザインしたソファです。ピエロ・リッソーニは、カッシーナやB&Bイタリア、照明ブランドのフロスなどでもデザインを行っており、イタリアの「コンパッソ・ドーロ賞」の受賞歴があるなど、現代のトップデザイナーの一人として世界各国で活躍している人物です。特定の機能や目的のためではなく、人のためのデザインを哲学に掲げ、アルネ・ヤコブセンやポール・ケアホルムといったデザイナーからもインスピレーションを得ている彼のデザインは、シンプルで機能的でありながらどこか優しげな印象が特徴です。

繊細でスマートな脚元と、ゆったりとした印象の大きなシート部分が、ソファが数センチ浮いてるような印象を受けるアヴィオソファ。ノル社の豊富な張地によって、あらゆるインテリアシーンに馴染み、快適な座り心地を提供します。北欧デザインに影響を受けたイタリアの名デザイナーによる、柔らかさと洗練されたスタリッシュさが混在するアヴィオは、北欧モダンやイタリアンモダンなど様々なスタイルのリビングルームにおすすめです。

Knoll HP「Piero Lissoni Avio Sofa System」
https://www.knolljapan.com/knoll-studio/by-category/sofa/avio-sofa-system-compact.html

knoll のおすすめテーブル

洗練された美しいテーブル:Platner Collection Low Tables

1966年にアメリカの建築家・デザイナーの「ウォーレン・プラットナー」によってデザインされた「プラットナーコレクション」のローテーブルです。プラットナー氏は、建築家のレイモンド・ローウィ、エーロ・サーリネン、イオ・ミン・ペイなどと共に仕事をした経験を持ち、ニューヨークのジョージ・ジェンセン デザインセンターや、ワールドトレードセンターのレストランなどを手掛けた人物です。このプラットナーコレクションは、彼のデザインした家具の中でも特に代表作として知られており、名前は知らなくとも印象的な佇まいは、どこかで見覚えのある方も多いのではないでしょうか。

プラットナーコレクションは、数百の湾曲したスチールロッドを溶接したフレームが特徴的で、日本の竹細工によく例えられます。均等に並んだ細いスチールロッドは、「モアレ」と呼ばれる現象によって豊かな表情を見せ、透明なガラス天板によってその美しさが際立ちます。テーブルとしての機能を一切損なわずに、装飾的で華やかでありながら、優雅で美しい佇まいを持っており、洗練されたラグジュアリーな空間から、和モダンスタイルなど、多くの上質なインテリア空間におすすめです。

Knoll HP「Platner Collection Low Tables」
https://www.knolljapan.com/knoll-studio/by-category/low-table/platner-low-tables.html

ミッドセンチュリーを代表する一本足の名作テーブル:Saarinen Collection Low Tables

フィンランドで生まれ、アメリカで活躍した「エーロ・サーリネン」によって、1957年にデザインされたテーブルです。エーロ・サーリネンは、クランブルックアカデミーの初代校長であるエリエル・サーリネンの息子であり、大使館やケネディ国際空港のターミナルを手掛けるなど建築家としても活躍した人物です。ミッドセンチュリーを代表する建築家・デザイナーとして知られる人物です。フローレンス・ノルとは兄妹のような親しい交友関係を築いており、彼女からの頼みでノル社で家具のデザインを行いました。

彼の代表作として知られる「チューリップチェア」と同様の一本脚で自立する特徴的なデザインのテーブルシリーズです。テーブルの下がチェアやテーブルの脚で混み合う「スラム化」を解決するため、研究の末に誕生した、当時でも画期的なデザインでミッドセンチュリーを代表する名作家具の一つです。一本脚の近未来感のあるデザインは、今でもミッドセンチュリーやスペースエイジインテリアなどでも人気で、シンプルでスマートな佇まいは、ミニマルインテリアやシンプルコーデにもおすすめです。

Knoll HP「Saarinen Collection Low Tables」
https://www.knolljapan.com/knoll-studio/by-category/low-table/low-tables.html

knoll のおすすめチェア

彫刻のような佇まいの傑作チェア:Bertoia Collection Lounge Seating -Diamond Armchair-

1952年に彫刻家「ハリー・ベルトイア」がデザインした金属ワイヤーで作られたチェアです。ハリー・ベルトイアは、多彩な芸術家であり、特に金属彫刻家として多くの作品を残しています。クランブルックでは、チャールズ・イームズやフローレンス・ノルとも交友があり、卒業後にはイームズ氏の積層合板の加工開発の手伝いも行っています。ベルトイア氏は生涯で一つの家具シリーズしかデザインしませんでしたが、その唯一の家具シリーズはまさにミッドセンチュリーを代表する傑作の一つでした。

細いワイヤー状の鋼を格子状に溶接したこの画期的なチェアは、その複雑な技術もさることながら、三次元の滑らかな曲線表現をワイヤーの加工と構成のみで見事に表現した、芸術品のような美しさを持っています。金属という重厚な素材を、まるで空気のような軽快な印象のチェアへと昇華したこの作品は、20世紀のモダンデザインの中でも歴史に残る名作です。ラウンジタイプからハイタイプ、サイドチェアタイプなど使用するシーンに合わせてシリーズから選択できるので、リビングやダイニングなどでの使用や、アウトドア仕様をお庭や玄関先に置いて、この芸術的なチェアを存分に楽しむことができます。

Knoll HP「Bertoia Collection Lounge Seating -Diamond Armchair-」
https://www.knolljapan.com/knoll-studio/by-category/lounge-seating/diamond-arimchair-with-seat-pad.html

まとめ

ノル社は、建築家による家具デザインを製品化したブランドの先駆け的存在でもありました。現在でも数多くのデザイナーのアイテムを取り扱っています。ダイヤモンドチェアやプラットナーコレクションのような、複雑で高い技術を必要とするアイテムの量産を可能にしてきた実績にも目を見張るものがあります。確かな技術と、著名なデザイナーとの強い信頼関係があったからこそ、多くの名作を今も作り続けることができているのでしょう。

モダンインテリア好きな方なら絶対に押さえておきたい、ドイツバウハウスやミッドセンチュリーモダンの名作家具の数々を、ぜひ一度は手に入れてみてはいかがでしょう。

参考:Knoll Japan HP
https://www.knolljapan.com/

参考:Knoll HP(海外サイト)
https://www.knoll.com/