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スガハラの花器の人気の秘密を探る!熟練の職人によるガラスの魅力を存分に味わう

ガラスというと、固くて涼しげな素材というイメージが強いですね。しかし、その製造工程は、1400度もの高温の溶解炉によって760度程までに熱せられ、柔らかく溶けた状態を巧みに成形していくという真逆の状態から作られていきます。私たちユーザーの手に届く時には固くヒンヤリとして繊細なイメージですが、製造時の柔らかく熱い力強く流動する状態はあまり見る機会がないので、ガラス製品から温もりや柔らかさ、躍動感といったイメージは湧きにくいかもしれません。

今回ご紹介する「スガハラ」は、そんな固くてヒンヤリとしたガラス製品のイメージを覆すような、職人のよく知るガラスの躍動感や温もりが感じられる、モダンで挑戦的なデザインが人気の日本のハンドメイドガラスブランドです。卓越した日本の職人技による、ガラス素材の特性を存分に引き出したガラス職人ならではのデザインを得意とするスガハラの魅力を、花器を中心としたアイテムから探っていきたいと思います。

涼しげなガラス製の花器を探している方や、日本のガラスブランドに興味のある方、モダンで凝ったデザインがお好きな方など、ぜひ花器選びの参考にしてみてください。

スガハラ が何故支持されるのか?インテリアのプロがその人気の秘密を紐解く

スガハラとは?

スガハラは、千葉県九十九里に本社と工房を構える、日本のハンドメイドガラスのブランドです。「江戸硝子」の伝統工芸士5名を筆頭としたガラス職人たちを抱え、一点一点職人の手によって製造から仕上げの工程までを行う高品質な製造技術と、ガラス素材を知り尽くしたガラス職人ならではのデザインを中心とした4000種類ものアイテムを展開しています。「千葉県なのに江戸硝子?」と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、その設立は東京都江東区の亀戸から始まっています。

そもそも日本の硝子工芸の歴史は、弥生時代のガラス工芸品が出土していることからも、遥か昔には既に日本にも硝子製造法が伝来していたことが明らかになっています。しかし弥生期以降、ガラス工芸はそれほど盛んに行われることはなく、弥生期のガラス製法はそこで一度日本のガラスの歴史から姿を消します。

新たな製法によるガラス工芸が日本で盛んに行われるようになったのは、18世紀初めの頃と言われています。江戸時代、ガラス工芸が盛んになると江戸でのガラス工芸が開花します。江戸時代民衆向けに、鏡や眼鏡、風鈴や万華鏡・簪などが人気を博し、ガラス工芸の伝統が受け継がれていくことになります。江戸硝子とは、そんな江戸時代に江戸の町で興ったガラス工芸の伝統を継いできた工芸品で、東京都の江戸川区・墨田区・江東区周辺で作られるガラス工芸品として、2014年には国の伝統工芸品にも指定された、日本の伝統的なガラス工芸の一つなのです。

初代である「菅原一馬」によって、現在の東京都江東区亀戸でガラス食器の製造がはじまったのは1932年のこと。現在の本拠地である千葉への移転は、1961年頃になります。70年代以降、受注生産による業態から、オリジナル商品中心の生産へと舵を切ると、職人たちを中心とした製品開発や研究が活発となり、現在のスガハラのスタイルを確立していきます。

1984年にニューヨークの百貨店で開催された「日本展」きっかけに、その後は欧米や香港・シンガポール、オーストラリアなどの海外への輸出も開始。国内でも東京・大阪・福岡などの都市部にショップを開設するなど、販路も大きく広がりを見せます。2019年には、建築の内装材に使うガラスのタイルなどを扱う「Sghr materials」や、食器のレンタルなど新たな事業もスタートさせ、これからの活動にも注目していきたいブランドです。

参考:スガハラ HP「会社概要」
https://www.sugahara.com/about/

参考:KOGEI JAPAN HP「江戸硝子」
https://kogeijapan.com/locale/ja_JP/edogarasu/

スガハラのスタイル

スガハラのアイテムは、流動的で自在なフォルムや、ガラスの中に封じ込めた泡の表現、カラフルな色ガラスによる華やかな彩りなど、楽しげでコーディネートがワクワクするようなデザインが特徴的です。柔らかな表現や動きのあるフォルムが作れるのは、ガラスの特徴や特性、製造過程によるガラスの知られざる一面を最も理解している職人さんたちがデザインし生産しているからこそ。個性的なデザインを製品として製造できる高い技術力や、日本ブランドならではの丁寧さなど、そのクオリティにも注目したいところです。

一輪挿しの小さな器も多く、同じシリーズでも色違いで数個集めても可愛いのも魅力で、可愛らしいのでプレゼントなどにもおすすめです。可愛らしいデザインや個性的なデザインの他にも、シンプルでスッキリとしたデザインのものも多く、豊富なアイテムの種類や、毎年新作を発表するなど創作意欲が旺盛なところもファンに人気の理由です。職人さんによるデザインも多いですが、時には外部のデザイナーやブランドとのコラボなども行っています。

花瓶の他にも、テーブルウェアやグラスウェアのラインナップも豊富で、こちらも個性的でおしゃれなデザインで、レストランなどでも使用されているなど人気が高いです。ごく自然な滑らかな曲線表現や可愛らしいデザインは、和風モダンや北欧モダンスタイル、ナチュラルモダンなどの幅広いインテリアスタイルにマッチします。また、アバンギャルドなオブジェのような攻めたデザインもあるので、個性的なインテリアスタイルにもおすすめです。

スガハラの評判

職人さんによるデザインが多いスガハラのアイテムですが、実際その使いやすさはどうなのか、気になる方も多いでしょう。ここではスガハラのアイテムを実際に使用している方の感想を参考に、実用性の部分なども探っていきたいと思います。

スガハラガラスのアルテミス
フォレストグリーン
フォルムも素敵ですが、
上の素焼きの部分が花留めの代わりにもなって
お花を飾りやすいです。
水替えも素焼きの部分を取れば
簡単にできました♡

 

「パフ」というフラワーベース♬

Lサイズはなかなかの大きさ。
バラを20本活けても余裕です。

とにかく口が広いので使い勝手がいい!
ブーケなどをそのまま活けられるというところが気に入りました。

https://ameblo.jp/ouchi-kobe/entry-12092172578.html

「アルテミス」は、ガラスと素焼きパーツを組み合わせた花瓶です。あまり見ない奇抜なデザインをしていますが、意外と使いやすいのも魅力となっています。ツボ型のガラス部分に、真ん中に穴の空いた逆円錐型の素焼きパーツを組み合わせた花瓶で、素焼きのパーツが水を吸い上げ蒸散させることで加湿機能を持った新しい機能性花瓶です。

「パフ」は、丸っとした球体に近いフォルムのエレガントな印象の花瓶で、縦向きに凹凸が入っているので、陽の光を通すと影が非常に美しいのが特徴的です。スガハラのアイテムは、斬新なデザインでありながらも、きちんと日常で使用できるような機能性や、品の良い美しさも持ち合わせているのが魅力です。

デザイナーによるデザインはもちろん素敵ですが、スガハラのアイテムは、実際にガラスを成形する職人さんもデザインしていることもあり、「ガラスでこんなこともできるんだ?!」と驚くようなデザインのアイテムも多く、普通のガラス製の花器では満足できない方にもおすすめのブランドです。また、一輪挿しの種類も豊富なので、セカンドやサードフラワーベースとして一輪挿しを探している方もぜひ覗いてみてはいかがでしょう。

スガハラの花器 が好きな方におすすめブランド

津軽びいどろ(北洋硝子株式会社)

青森県の伝統工芸品にも指定されている、ハンドメイドのガラスブランド「津軽びいどろ」。元々は漁業用の浮き球作りを行なっていた北洋硝子が、浮き球作りの「宙吹き」の技術を応用して、大きめの花器などを生産したことから始まります。四季や青森の自然を思わせる色彩豊かな色ガラスを用いたデザインが多く、カラフルで見た目にも華やかな雰囲気のデザインが魅力の一つです。

縁日の水風船のようなポップでカラフルな見た目の一輪挿し「彩手鞠」シリーズ(上画像参照)の他、ファッションショーに登場する洋服のような華やかな色彩と、大胆な造形によるアールヌーボー期のガラスのようなクラシカルで華やかな造形美を持つ、花瓶や水盤などの花器も多く扱っています。華やかなガラスの花器をお探しの方や、印象的な花器をお探しの方は、ぜひスガハラと合わせてチェックしてみてください。

参考:津軽びいどろ HP
https://tsugaruvidro.jp/

Henry Dean(ヘンリー・ディーン)

ベルギーのブランド「ヘンリー・ディーン」は、デザイナー「ヘンリー・ディーン」によって1972年に設立されました。古典的な吹きガラス製法によるハンドメイドガラスの花器などを扱っており、モダンでスタイリッシュかつ独特なデザインが魅力的なブランドです。

スガハラや津軽びいどろのガラス製品と比べて、ガラスにぽってりとした厚みがあるのが特徴的。色ガラスによる華やかな色使いやガラスに温もりや柔らかさを感じさせる独特のフォルムなど、二つのブランドに通じるものもあります。印象的なデザインが多いブランドなので、スガハラや津軽びいどろと合わせてチェックしてみてはいかがでしょう。

参考:Heanry Dean日本総代理店 HP
https://henrydean.jp/

プロが選ぶ!スガハラの花器 の代表的なアイテム5選

お皿状のふち周りが印象的:CALMA(カルマ)

ふち周りがプレート状に大きく広がったデザインが特徴的な「カルマ」は、ラインがスッキリとしていて、モダンなインテリアスタイルにピッタリな花瓶です。グリーン・ブラック・クリアのコーディネートしやすい3色のカラーラインナップと、M・Sの二つのサイズから選ぶことができます。プレート状のふち周りは、花を安定させたり、花びら受けなどにも役立つほか、蔓タイプ植物のディスプレイにも役立ちます。

Sサイズはブーケなどを活けてダイニングテーブルに置くのにちょうど良いサイズで、Mサイズはリビングなどに向いています。プレート部分が大きいですが、足元はスッキリしているので、周囲に小物を配置してコーディネートの主役として使用することができます。

カップ咲の薔薇やポンポンマムのような丸っとした花とも相性が良く、半球状に整えたブーケなどをそのまま活けても様になります。花びら受けがついているので、花びらの落ちる花や、ポソポソ落ちやすいカスミソウのドライフラワーなどとも相性が良く、花瓶周りが落とし物で汚れるのが気になる方にもおすすめの花瓶です。

参考:スガハラ HP「CALMA」
https://shop.sugahara.com/collection/calma

置く角度が自在な四角形:CUBO(クーボ)キューブベース

一見、立方体に見えますが、角部分が入れ口と、対角線上に底面になるよう反対側も平面に削られているので、口を真上に向けても、斜め向きでも使えてしまう面白い形の小型のフラワーベースです。細めの茎なら1〜3本ほどのお花を活けることができる程度の程よい大きさで、ガーデニングで育てた花を飾ったりする時や、可愛い野草の花を摘んで帰ってきた時、ブーケの花が残り少なくなってきた時の移し替えの時などに活躍するサイズです。

現在、5色展開をしており、可愛らしい見た目と上品なカラーラインナップは、そのままオブジェとして置いておいても良い見た目の良さも備えています。また面白いのが、重ねて配置することもできてしまうので、コーディネートの自由度が高いのポイント。ガラスは水面のような揺らぎのあるテクスチャーなので、光が通る窓辺などに配置するのがおすすめです。

参考:スガハラ HP「CUBO」
https://shop.sugahara.com/collection/cubo

置物としてもカワイイハート型:HEART CURVA(ハートクルヴァ)

女性やブライダルギフトにも人気の高い「ハートクルヴァ」は、フリーハンドのハート型を模した曲線表現が特徴的なデザインのフラワーベースです。ハートの両方のラインが交わる位置に茎を差し込んで安定させるスタイルは、「花を活けるには容器が必要」という固定観念に衝撃を与えます。ちなみに、実はハートの下側部分に窪みがあるので、きちんと少量の水を溜めておき、切り口から水を吸い上げられますので安心してください。

とにかく見た目が可愛いので、カラーバリエーションの5色全部揃えて並べても可愛らしく、また使用していない時もオブジェやアクセサリートレーなどでも活躍します。ダイニングテーブルや玄関、窓際はもちろん、洗面所やトイレなどの限られた空間にも置きやすい小さなサイズ感も扱いやすく、お部屋の中に小さなハートが潜ませて楽しく気分を盛り上げたい方にもおすすめです。透明感のあるガラスのハートなので、少女趣味的な雰囲気もなく、大人の女性でも使いやすい品の良い佇まいも魅力ですね。

参考:スガハラ HP「HEART CURVA」
https://shop.sugahara.com/collection/heartcurva

シンプルだけど可愛い一輪挿し:MINI VASE(ミニベース)シリーズ

「ミニベース」シリーズは、五種類のフォルムの一輪挿しのシリーズです。円盤・三角形・三角錐・平角・サイコロの5つのフォルムと、6色のカラーラインナップがある、掌ほどのサイズの小さなベースで、お値段もお安いのでたくさん集めて使いたくなる可愛い一輪挿しです。

シンプルなフォルムに有機的な曲線、小さなサイズ感のガラスは素朴な雰囲気を持っており、ナチュラルテイストなモダンスタイルやシンプルモダンなどのスタイルとの相性が抜群です。器のガラスはやや厚みがあり、重量もあるので、安定感があり、少し茎が長めでも活けることができます。グリーンを一本活けても様になるので、お部屋にある植物の剪定をした時やフラワーアレンジメントの余りが出た時にも活躍します。

参考:スガハラ HP「MINI VASE」
https://shop.sugahara.com/collection/minivase

加湿機能を持った花瓶:ARTEMIS(アルテミス)

プロダクトデザイナー「小林和生」によってデザインされた「アルテミス」は、加湿器とフラワーベースの二つの役割を担う花瓶です。電気を使用せずに生活に馴染む形の加湿器をコンセプトに考えられたアルテミスは、植物の持つ蒸散作用と素焼きのパーツによって室内を加湿する機能を実現したものです。ガラス製の花瓶というと夏場に多く使用されますが、アルテミスは暖房の効いた乾燥した冬の室内で活躍する花瓶です。

取り外し可能な上部の素焼きパーツは、真ん中に穴の通った逆円錐状の形をしており、花を安定して活けられる形状でもあります。この素焼きパーツが、花瓶内の水を吸収し、蒸発させることで程よい湿度を室内にもたらします。また、植物自体にも吸収した水分を葉から蒸発させる蒸散作用と呼ばれる効果があるため、この二つの部分によって加湿を行うようにデザインされました。

透明なガラス部分とマットな素焼きパーツの異素材の組み合わせや、スッキリと洗練された見た目は、シックなモダンスタイルや渋めのモダンスタイルにもおすすめです。カラーは落ち着いたテイストのレッド・グリーン・ブラックの3色。サイズもLサイズとSサイズの二種類あるので、落ちつたインテリアスタイルにおしゃれな加湿器や花瓶をお探しの方はぜひ検討してみてはいかがでしょう。

参考:スガハラ HP「ARTEMIS」
https://shop.sugahara.com/collection/artemis

まとめ

スガハラは、花瓶はもちろん、凝ったデザインの一輪挿しも多く扱っており、ちょっとした棚の空いた場所や、部屋の隅などにも取り入れやすいサイズの可愛い花器も多く扱っています。また、固くてヒンヤリとした印象のガラスとは思えない、自由で柔らかい曲線や温かみのあるデザインは、夏場だけではなく冬にも活躍してくれる存在です。

熟練の職人さんによるガラスの魅力が存分に引き出されたスガハラのアイテムを取り入れて、インテリアスタイルをもっと楽しくおしゃれに演出してみてはいかがでしょう。

参考:スガハラ HP
https://www.sugahara.com/

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