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能作の人気の秘密を探る。錫製品の持つ高級感や機能性を活かしたアイテムを多数取り揃える

皆さんは「能作」という会社の名前を聞いたことがありますか?近年、テレビ番組でも取り上げられることの多いこの会社は、世界で初めて錫100%のテーブルウェア「KAGO」や、ニューヨーク近代美術館の販売品にも選定された「ベル」など、世界にも認められる製品を開発したことで、近年大きく発展した日本の会社です。

400年続く富山県高岡市の鋳造技術受け継ぎ、モダンなデザインと斬新な発想で、日本の町工場から大きく成長を遂げた能作の、その製品の魅力と人気の秘密を今回は探っていきたいと思います。「お酒を美味しく飲むために錫製の器を探している」という方や、「割れない金属製の食器が欲しい」と考えている方、「形の変えられる器に興味がある」という方は、ぜひテーブルウェア選びの参考にしてみてください。

能作 が何故支持されるのか?インテリアのプロがその人気の秘密を紐解く

能作とは?

伝統工芸品の「高岡銅器」などの鋳物の町として知られる富山県高岡市。高岡の鋳物の歴史は古く、江戸時代のはじめ頃、1609年に当時の加賀藩主によって新たな高岡の産業のため7人の鋳物師(いもじ)が招かれたことから、高岡の鋳物の歴史は始まりました。初期の頃は農耕具の鋤や鍬、鍋や釜などの鉄製品製造を行い、江戸中期には釣鐘や灯籠といった銅鋳物を、江戸末期にもなると鑑賞性や芸術性の高い仏具や花瓶、煙管などの生産が盛んになり、国内だけではなく国外への輸出品としても高岡の経済を支える一大産業へと、高岡の鋳物業は発展しました。

そんな高岡には、鋳物造りを行う多くの職人や工場が存在し、能作もまたそんな鋳物を扱う町工場の一つとして、1916年に創業しました。創業当時は青銅鋳物による仏具などの製造をメインに行なっていましたが、1965年頃にモダンなデザインの花瓶の開発に成功するとその事業を拡大していきます。ところがそれ以降、景気の低迷や人々のライフスタイルの大きな変化により、順調に見えた能作をはじめとした高岡の鋳物産業に大きな翳りが訪れます。

そんな状況を打開すべく、能作は2000年頃より、これまでの鋳造技術を応用したインテリア雑貨の開発を行うと、真鍮製の「ベル」が、東京で行った展示会で好評となります。このベルは、のちの2008年にはニューヨーク近代美術館(MoMA)の販売品にも認定されるなど、国外からも評価を受けるようになります。さらに能作は、ユーザーからの要望の多かった金属製のテーブルウェア開発に乗り出すと、世界初の錫100%の新製品「KAGO」シリーズを発表。柔らかい金属という錫の特性を生かした、形を変えられる金属製のカゴは、国内外に大きな衝撃を与え、能作の代表作となりました。

2017年には、新社屋・工場を高岡市オフィスパークにオープンすると、工場見学や鋳物製作体験、カフェなどを有するこの本社は、年間10万人以上もの人々が訪れる高岡市の観光スポットとなり、地元地域の活性にも貢献することとなります。高岡の一町工場に過ぎなかった能作は、長年培った鋳物の技術と、新たな試みによるチャレンジ精神によって、10年程の間に大きく成長しました。

日本国内に14店の直営店を展開し、常に商品開発のアイデアにアンテナを張りつつも、観光業や新たな事業展開にも意欲的に取り組み、成長を続ける能作。今年2022年には、台湾・台北にも直営店をオープンしたことにより、今後は海外での展開も注目される、高岡を、日本を代表する企業へと成長を遂げた、日本の伝統産業の指標としても注目の集まるブランドです。

参考:能作 HP「歴史」
https://www.nousaku.co.jp/history/history/

参考:能作 HP「会社概要」
https://www.nousaku.co.jp/company/

能作のスタイル

能作では主に3つの金属素材を使用した製品が扱われています。耐蝕性に優れた青銅は、苔盆栽の器やオーダーの建築金物に。古くから仏具などに使用されてきた真鍮は、澄んだ音を出せることから風鈴やベルなどのアイテムや燭台などの製品を製造しています。最も能作を代表する素材「錫」は、高い抗菌性や水やお酒の味を良くすることから酒器やテーブルウェアなどや、水の腐食を防ぐことから花器などのインテリア雑貨などにも使用されています。

能作のスタイルは、モダンなスッキリとしたデザインや挑戦的なデザインで、錫特有の高級感のある佇まいは、ラグジュアリーなモダンスタイルとの相性も抜群です。洗練された高級なモダンスタイルのブランドの家具に合わせてみても、遜色ない高級感と洗練された佇まいを持ち合わせています。高級感のあるインテリアスタイルに合わせたテーブルウェアとしてや、格式高い食事の場や宴席、祝いの場や引出物などでも人気の高いブランドです。

また、洗練されたモダンスタイルのデザインだけではなく、地元高岡の名産をモチーフにしたアイテムや、日本の富士山や桜をモチーフにしたアイテム、ドラえもんやハローキティなどの日本のキャラクターとコラボした可愛らしいデザインのアイテムも人気が高く、お客さんの要望に応えた商品開発などフットワークの軽さも能作の魅力の一つです。KAGOシリーズをはじめとした、形を変えて使用することのできる皿や箸置きなど、錫素材の柔軟さを活用した製品は、まさに能作の柔軟な発想そのものを象徴するアイテムのように感じられます。

能作の評判

錫製の食器が有名な能作ですが、100%錫を使用していることによる柔らかさや、錫素材特有の特性が、実際の使用にどのように作用するのか、ここでは実際に使用されてい方の感想をもとに探っていきたいと思います。

錫色酒器に注ぐと、ぐい吞みに注がれた日本酒がみずみずしく光ります。

キリリと冷やしたお酒を注ぐと…、

あら不思議!
器自体も、一瞬でひんやり!

錫の熱伝導率に驚きました。びっくり

こんなに冷たくなるなら、ビールのビアカップもほしいな…生ビール

https://ameblo.jp/cocoiro-color/entry-12750625960.html

 

能作の錫(すず)100%のお皿です。

先日、テレビ番組「カンブリア宮殿 」でも紹介さてれいました。

柔らかい錫は、お皿の形を変えられておもしろいです。

のせるものに合わせて形をかえられるのはいいですね。

錫素材は熱伝導率が良いため、冷酒や冷たい飲み物を注いだときに、器も冷えて夏などに活躍します。また、金属アレルギーが出にくいほか、抗菌作用やお酒や水をまろやかにする効果などもあるため、テーブルウェアの素材としてはもってこいの素材と言えます。弱点の一つであった柔らかさを逆手に取ったことで、金属製の器でありながら「形を変えられる」という特徴を活かしたことで、「用途に合わせてお皿を選ぶ」のではなく、「用途にお皿を合わせる」という新しい視点も、現代的なデザインの可能性の広がりを感じますね。

ぐい呑みやタンブラーなどのドリンクウェアや、お皿や小鉢、箸置きなど商品ラインナップも他のブランドよりも種類が豊富で、和食だけではなく、洋食などの海外料理にも使いやすいデザインは、現代の食卓にも取り入れやすいのも魅力です。

 

能作 が好きな方におすすめブランド

大阪錫器(オオサカスズキ)

大阪には「大阪浪華錫器(おおさかなにわすずき)」と呼ばれる錫を使用した伝統工芸があり、「大阪錫器」は大阪浪華錫器を製造することのできる職人を有した大阪の会社です。現代の名工に認められる伝統工芸士「今井達昌」が代表を務めており、5名の伝統工芸士と職人たちの手によって一つ一つの製品が製造されています。

大阪浪華錫器の伝統工芸士が受け継ぐ伝統的な技術を使用しながらも、和風なデザインにモダンなスタイルを取り入れた日本酒器や洋酒器などを取り扱うブランドで、漆による豊富なカラーバリエーションなどの特徴的なアイテムが揃っています。もっと色々な錫製の食器を見てみたい方や、錫製の酒器をお探しの方などは、能作と合わせてチェックしてみはいかがでしょう。

参考:大阪錫器 HP
http://www.osakasuzuki.co.jp/

Georg Jensen(ジョージ・ゼンセン)

1904年、銀細工師「ジョージ・ジェンセン」によって、デンマークのコペンハーゲンに創業した銀製のジュエリーなどを取り扱うブランド「ジョージ・ジェンセン」。現在は、メインのジュエリーや時計以外にも、インテリア雑貨やテーブルウェアなども取り扱っており、モダンなスタイルのステンレス製のテーブル・バーウェアと、クラシカルなデザインの銀製のテーブル・バーウェアを取り扱っています。

銀食器類はやはりかなり高額で、クラシックなデザインと格式高い佇まいが印象的ですが、ステンレスのテーブルウェアは比較的手を出しやすい価格帯と、モダンかつ挑戦的なデザインが魅力的なラインナップとなっています。モダンなデザインの金属製のテーブルウェアに興味のある方は、能作と合わせてチェックしてみてはいかがでしょう。

参考:Georg Jensen HP
https://www.georgjensen.com/ja-jp

プロが選ぶ!能作 の代表的なアイテム5選

ギフトにも人気。手に馴染むタンブラー:NAJIMIタンブラー

能作でプレゼント用としてもとても人気の高い「 NAJIMIタンブラー」は、錫100%でできている、少しずつ使用者の手に馴染んでいくタンブラーです。あらかじめ持ったときに、親指が来る位置に窪みが入っているので持ちやすく、柔らかな錫素材が使えば使うほど持ち主の手に馴染んでいくことから、使用感の評価も高いアイテムです。

錫素材の特性である熱伝導率の良さと、飲み物の雑味を消してまろやかにする効果に加え、ビールなどを入れた際は、内側のザラザラとした凹凸によって細かく泡立ち、注いだビールが最初から最後までとても美味しく飲めると評判のタンブラーです。お酒だけではなく、水をまろやかにしたり、ジュースなども美味しく飲むことができ、口周りが広いので飲み易く、手入れも簡単なのも魅力です。

細かな凹凸のある銀色の器は、シンプルながら窪みのついた味のあるフォルムで、ナチュラルスタイルやインダストリアル風インテリア、和モダンスタイルなど幅広いテイストのインテリアスタイルとも相性が良いのが特徴的です。高級感のある素材感の上品な佇まいながら、日常に馴染んでいくようなタンブラーなので、日常使いはもちろん、贈り物としてもおすすめです。

参考:能作 公式オンラインショップ HP「NAJIMIタンブラー」
https://www.shopnousaku.com/view/item/000000000432?category_page_id=cup_tumbler

日本酒との相性抜群のぐい呑:富士山 FUJIYAMA

富士山をモチーフにした錫100%のぐい呑みです。伏せた状態が日本一の山、富士山を模しており、逆さにして使用します。中側の底にも小さな富士山があり、お酒を飲んでいる時も器の底に富士を見ながら飲むことのできる、粋なデザインも魅力となっています。

伏せた状態だと、不動の立派な富士山に見えますが、逆さにすれば器が薄く、飲み口も滑らかな美しいぐい呑みであることが感じられ、冷酒や燗酒などで日本酒が美味しく飲めると評判の高いぐい呑みとなっています。やはり富士山なので、和食の時や、和風テイストのスタイルに合わせやすく、縁起物としても名高い富士山は、お正月やお祝いの席などにも活躍します。普段は伏せて収納しておくと、オブジェとしても可愛いですね。

参考:能作 公式オンラインショップ HP「富士山 FUJIYAMA」
https://www.shopnousaku.com/view/item/000000000052?category_page_id=guinomi

縁起の良い箸置き:箸置 – 結び –

水引の結びをモチーフにした可愛らしくも縁起の良い箸置きのシリーズです。能作では、ユニークな発想の箸置きがたくさんあり、どれも人気が高く、可愛らしくも高級感があり、また錫素材による抗菌性もあるため、口をつける部分を置く箸置きとしても魅力的な製品と言えます。錫100%の箸置きは、形を変えて使用することができるので、ツルッとした角のないお箸でも転がっていかないように、安定させることができます。

縁起の良い水引の結びのデザインは、引出物やお祝いとして贈り物にされる方も多く、日本らしい心遣いが感じられる品物としても人気です。結びの意味や種類にあまり詳しくなくても、可愛らしい見た目は海外の人にも喜ばれています。サイズはやや小ぶりですが、逆にそれが上品な印象となっているので、きちんとした食事の席でも使いやすいデザインの箸置きです。人を招いた時の食事の席などでも、場の品格を上げることのできる、あると便利なアイテムなので、持っていて損のないアイテムです。

参考:能作 公式オンラインショップ HP「箸置 – 結び – 5ヶ入」
https://www.shopnousaku.com/view/item/000000000121?category_page_id=rest

上品な可愛らしさ:フラワートレー

花をモチーフにした錫100%の「フラワートレー」は、梅・桜・桔梗・コスモス・蓮・ダリアの6種類のタイプがあり、和菓子との相性も良いので、季節に合わせて花の種類を使い分けたいトレーです。小皿としてだけではなく、コースターとして使用したり、アクセサリートレーとしてインテリアにも活躍します。

花びらを曲げることができるので、動きのあるコーディネートも楽しむこともでき、コーディネートのアクセントとしても活躍します。また、花がモチーフの可愛らしいトレーですが、錫特有の上品な輝きが、品の良いコーディネートにも活躍します。同じ能作のぐい呑みやタンブラーなどの下に重ねて使うなど、様々な使い方を楽しみたい方におすすめのアイテムです。

参考:能作 公式オンラインショップ HP「フラワートレー」
https://www.shopnousaku.com/view/item/000000000213?category_page_id=plate

錫の特性を生かして平面から立体へと変化する:KAGOシリーズ

2003年に発表されて以来、能作を代表するアイテムとして国内外で人気の高いKAGOシリーズは、世界初の錫100%のテーブルウェアであり、形を変えて使うテーブルウェアという新しい発想で、多くの人々に衝撃を与えました。平らな状態を手で自在に曲げて籠状にすることで、フルーツや野菜、パンなどを入れておくことができます。

現在では数多くのバリエーションを有しており、MoMAの販売品にも選ばれた「スクエア」や、平面時にはバラの花の形を模した「ローズ」、ダリアの花を模した「ダリア」など様々なデザインが楽しめます。収納時には平面に戻してしまえば、収納場所にも困らず、立体にする時も自由度が高いが特徴。網目状なので、細かいものを入れたい時は、小さなガラスのボウルを中に仕込めば使い勝手の幅も広がります。

大きなサイズから小さなサイズのものまで、大きさのバリエーションも豊富で、小さいサイズのKAGOを利用して、フラワーベースに組み合わせて活けた花を安定させるなど、インテリアアイテムとしても優秀です。金属製の変幻自在なカゴは、ラグジュアリーなモダンスタイルにもマッチする、洗練された雰囲気と高級感があります。

参考:能作 公式オンラインショップ HP「KAGO – ダリア – M」
https://www.shopnousaku.com/view/item/000000000087?category_page_id=flexible

まとめ

能作のアイテムは、使い勝手の良さや発想の自由さと、錫製品の持つ高級感や機能性が活かされた面白いアイテムがたくさんあります。縁起物や可愛らしいデザインのものも多いため、プレゼントとしても人気があり、貰った人の満足感も高く、ファンを増やし続けています。面白いデザインのアイテムも魅力的ですが、シンプルなテイストのデザインの質も高く、錫の独特の色味や質感が、シンプルなデザインでより魅力を放ち、テーブルコーディネートの魅力を引き立てます。

伝統的な技術を現代的な発想で、さらに進化を続ける能作のアイテムを取り入れて、テーブルコーディネートをより自由に進化させてみてはいかがでしょう。

参考:能作 HP
https://www.nousaku.co.jp/

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