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円形の花壇徹底解説!スモールスペースの庭やモダン、洋風の庭で、特に目を引くコーナーを作るのに最適

橋本朝子
著者:橋本朝子 (一級建築士)

フィンランド在住。法政大学建築学科卒業。建築設計事務所、ガーデニング設計施工会社を経て独立。現在はフィンランドで個人邸宅の庭をはじめ、学校、店舗、公園など幅広い外部空間の設計を手掛ける。設計のテーマは、「毎日の暮らしがより楽しくなるガーデン」。住まいは築50年の住宅。インテリア、ガーデンともにリノベーションを重ねて家族と住む。趣味はアップサイクル。

曲線を描く花壇は直線のものに比べて自然になじみやすく、庭に生き生きした表情を与えます。なかでも完全な円形を描く花壇は特別目立ちます。デザインによってはとびきりおしゃれになる可能性も、逆に悪目立ちする可能性も秘めています。そんな円形花壇のデザイン手法、知っていて損はありません。

そこで今回は、円形デザインを使いこなして庭での魅力を引き出す方法や、円を用いたデザインアイデアを豊富な実例と共にご紹介します。きっと、新しい発見がありますよ!

円形の花壇徹底解説!おしゃれなガーデンを実現する方法

円形の花壇をデザインする

円形の花壇のレイアウトはどう考える?

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円形の花壇には完全な円や半円、またはそれらを組み合わせたものがあります。丸い輪郭を強調すればスタイリッシュに、花苗を規則正しく装飾的に配置すれば洋風に、円と他の形を自由に組み合わせれば自然な印象をつくることができます。

円を用いた花壇デザインとしては、一つの大きな円形の中をレイアウトしていく手法、大小の円を並べたり重ねたりする手法があります。複数の円を組み合わせるデザインでは、それぞれの円形花壇の立ち上がりに高低差があれば立体的に楽しむこともできます。

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植物レイアウトには、様々な方法があります。たとえば円形の中に群植したり、樹木とグラウンドカバーですっきりまとめたり。また円の縁から中央にむけて高くなるように草花や低木を配置する方法、規則正しく同心円状や放射状に植物を配置させる方法、円の輪郭を常緑低木で縁取った中に花を植える方法などがあります。

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花壇だけでなく、花壇周辺の通路、ベンチ、鉢、照明器具、ガーデンオブジェの配置も円に合わせて同心円・放射・左右対称などの規則に従って配置すると洋風の庭に統一感を出すことがができます。

円形の花壇立ち上がりはどう考える?

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円形の花壇は、立ち上がりの高さや素材によって印象がだいぶ変わります。立ち上がりの高さは花壇のサイズとのバランスもありますが、小さな花壇ほど低く、大きな花壇では自由度が高いと言えます。また立ち上がりが高いほど構築的でかっこいいイメージ、低いほどナチュラルでソフトなイメージになりやすい傾向です。

素材は、円形がきれいに表現できるものを選びましょう。コンクリートや金属製ならモダンでスタイリッシュなイメージ、自然石やレンガ、丸太杭や枕木縦使いなら洋風やナチュラルなイメージに似合います。

円形の花壇を自分で作るときのポイント

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円形の花壇を自作すれば、愛着のわく素敵な庭になりますね!円形の花壇を作る場合は、花壇の中心に杭を立て、縄などで円弧を描くと良いでしょう。もっとも簡単に施工できる立ち上がりは市販の花壇エッジ材、もしくは自然石などです。レンガや枕木を縦使いに並べるのも良い方法です。花壇の縁が低いほど施工が楽なうえ、土圧によるストレスのない花壇となります。

さらに詳しく!サイズ別円形の花壇のデザイン方法

一般的な円形の花壇(直径1~2m程度)

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一般的な円形の花壇なら、縁は自然石やレンガの組積造で高さは地面レベルから0~30センチ程度です。花壇中央まで管理の手が届くことを考えると、直径2m以内に収めるのが理想です。

植栽は円の中に自由に配置してもまとまりやすいですが、中央にポイントとなる樹木やオブジェ、花壇の周辺には常緑低木の縁取り、中央に各種の草花を植えるのがきちんと整理されて見える洋風花壇の定番です。

小さい円形の花壇(直径50センチ程度)

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直径50センチから1mまでの小さな円形花壇は、花壇の立ち上がりはなしか5~10センチ程度に抑えるとバランスよくまとまります。芝生面や舗装面をくりぬいたような円形花壇なら素敵なアクセントとなってくれます。玄関前ならポストや照明器具を組み合わせて機能性も追加できます。

小さな花壇の場合は背の低い植物やグラウンドカバープランツのみ植えて円の輪郭がよく見えるように剪定すれば円を強調することができます。逆に3~5種類のやや背の高い植物を寄せ植えすれば、ナチュラルな雰囲気を出すことができます。写真のように数種の多肉植物をぎっしり詰め込んでも素敵です。

大きい円形の花壇(直径3m以上)

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花壇の直径3メートルを超えるなら、管理しやすい緑地を目指すのが得策です。高木と低木やグラウンドカバープランツの組み合わせが管理しやすい緑地の例です。花木や紅葉のきれいな低木を取り入れたり、縁取りのみを花のきれいな一年草にすれば、季節ごとに見どころを与えることができます。

管理を楽にするという観点だと、花壇内の植物を減らす方法もあります。例えば花壇の一部をバーク敷き、砂利敷きや自然石で構成するのはよくとられる手法です。また大きな円形緑地の一部をテラスにしたり貫通する通路を設けたりしてみましょう。円に沿ったベンチなどを取り入れてもおしゃれですね。

プロが教える!場所別の円形の花壇、実例12選

円形の花壇 主庭編 4選

芝生を円形にくりぬくだけで簡単に施工でき、視覚効果も抜群

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芝生を丸くきりとって中の土を掘りとり培養土を入れれば、円形花壇の出来上がりです。芝生の庭に植えた樹木の周りを小さな花壇に仕立てて早春の球根の花を植えておけば、春が来るのが楽しみです。樹木の周りが花壇になっていれば芝刈りも楽です。

シンボルツリーの足元に円形花壇を設置すれば、視線を集める庭になる

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シンボルツリーの足元に円形花壇を設けてみましょう。樹木の下は多くの花にとって快適な木漏れ日の空間です。写真のように色とりどりの花を寄せ植えれば目を引く象徴的なコーナーに、またグラウンドカバープランツ主体の植栽にすればローメンテナンスの花壇になります。

円形花壇のまわりに左右対称にデザインしていけば、簡単に洋風ガーデンになる

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中央に円形の花壇と噴水がある洋風の庭に憧れる人が多いかも知れません。写真のような花いっぱいの庭は熟練したガーデナーでないと管理できないかも知れませんが、庭の構成自体はいたってシンプルです。円形花壇と噴水を囲んだ円形広場を設け、ベンチやガーデンオーナメント、鉢やトピアリーを左右対称に配置していきましょう。

ドーナツ型の円形花壇の中の広場なら、華やかでいこごちのよい空間になる

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敷地いっぱいを使って大きなドーナツ型の円形花壇をレイアウトすれば、庭にまた違った表情を与えることができます。ドーナツ型の花壇には長いボーダーガーデンとして様々な花苗を植え込めばそれだけで庭中が華やかな印象に。花壇に囲われた部分は通路、芝生の広場やテラス、池などを設けて見どころいっぱいの庭にすることができます。

円形の花壇 玄関アプローチ編 4選

ポストまわりに花を寄せ植えすれば、フロントガーデンの素敵なアクセントになる

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オープン外構にするなら、独立型のポストを設置することも多々あります。ポストの足元は小さな円形花壇にぴったりの場所。季節ごとに花が咲く一年草、多年草や球根類、カラーリーフプランツを寄せ植えして彩ればマイホームのイメージアップに一役買ってくれますよ。

フロントガーデンに噴水&円形花壇があれば、上品で整った印象の住宅に見える

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マイホームのフロントガーデンに噴水のある円形花壇があれば、毎日水の音と花の色に癒されること間違いありません。噴水にあわせて同心円状・左右対称に通路やさらなる緑地を配置し常緑低木の刈り込みで縁取れば、品があって格の高い洋風ガーデンとなります。

シンボルツリーの足元に石積みの円形花壇を設ければ、常にきちんとした印象に

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洋風住宅のフロントガーデンにシンボルツリーを植栽するなら、足元に円形花壇を設けるとおしゃれです。写真のように30センチ程度高さのあるレンガや自然石の組積造のしっかりとした立ち上がりを設ければ、それだけできちんとした印象になります。

舗装を丸くくりぬいた円形花壇なら、都市空間に映える

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建てこんだ住宅で庭といったら駐車場のまわりだけという場合は、庭のほとんどを舗装にして、一部を潔く丸く切り抜いた円形花壇にする方法があります。舗装面を有効に使えるうえ、都市空間に映える花壇になりますよ。舗装面とコントラストをなすように、ふわっと広がる柔らかいイメージの植栽を合わせるとナチュラルなうえ、スタイリッシュです。

円形の花壇 菜園・キッチンガーデン編2選

コールテン鋼のポットを利用すれば、すっきりしたモダンな菜園に

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手軽にできる菜園でよく使われる木枠は、円形デザインにしにくい面があります。その点コールテン鋼などの既製品のシリンダーポットを使えば置くだけで新感覚のキッチンガーデンが出来上がります。サイズ違いで並べればよりおしゃれなイメージに。ポットごとに一種類の苗を植えれば管理も楽です。

キーホールガーデンにすれば省スペースで菜園とコンポストが両立する

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高低差のある2つの円を重ねて一部を通路にした形の菜園、鍵穴のような形のキーホールガーデンにすればより少ない面積で菜園とコンポストが同時に実現できます。直径を2m以下にすること、中央のコンポストを高めにし、周りの円形花壇の土はコンポストにむけて高くなるように計画するのがポイントです。

円形の花壇 バルコニー・ルーフガーデン編 2選

大型のローポットならベランダで花壇の気分を味わえる

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背の低い円形の鉢なら、マンションのベランダでも気軽に取り入れることができます。直径が高さよりも大きい鉢なら、地面の花壇に似たバランスなので円形花壇の気分が味わえます。

金属製シリンダー型の鉢を複数置けば、ルーフガーデンをモダンに演出できる

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面積の広いルーフガーデンなら、より本格的な庭づくりにチャレンジできます。長方形のプランターは一般的で汎用性がありますが、少々平凡です。一方シリンダー型の大型金属ポットを高低差をつけて複数ならべれば、モダンでスタイリッシュな表情です。

まとめ

円形の花壇は、スモールスペースの庭やモダン、洋風の庭で、特に目を引くコーナーを作るのに最適です。円という形を生かすために、植栽やガーデンオブジェに加えて通路など花壇のまわりも円を生かした配置にするとデザイン性がアップ、よりおしゃれに庭になります。

円形花壇はメインガーデン、フロントガーデンのアクセントとして使えるほか、おしゃれなキッチンガーデンをレイアウトするのにも効果的。円形花壇をイメージしたベランダやルーフガーデンも素敵です。円形花壇を生かせば注目を集めるお庭になること間違いなしです!

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