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【プロが解説】庭と住宅外観をおしゃれに調和させる方法!スタイル別に徹底解説【お庭のデザイン連載 第4回】

橋本朝子
著者:橋本朝子 (一級建築士)

フィンランド在住。法政大学建築学科卒業。建築設計事務所、ガーデニング設計施工会社を経て独立。現在はフィンランドで個人邸宅の庭をはじめ、学校、店舗、公園など幅広い外部空間の設計を手掛ける。設計のテーマは、「毎日の暮らしがより楽しくなるガーデン」。住まいは築50年の住宅。インテリア、ガーデンともにリノベーションを重ねて家族と住む。趣味はアップサイクル。

マイホームの計画において庭を含めた敷地全体をおしゃれに仕上げる方法についての連載、第4回目です。ロケーション、ガーデンでのライフスタイルを検討することによって、おしゃれを実現する方法を解説してきましたが、今回はデザインのスタイルを決めることで庭と住宅の外観デザインを調和させる手法についてです。

これというスタイルを決めないマイホームはちぐはぐな印象になることが多々あります。例えばモダンな外観に和風の庭木、玄関前には洋風の装飾のついたテラコッタポットが置かれるなどです。マイホームの計画段階でデザインのスタイルを決めておけば、容易にマテリアルや植栽などを統一されたイメージでまとめることができます。

そこで今回はマイホームの外観デザインを調和させることのできるデザインのスタイルにはどのようなものがあり、どう決めていけばおしゃれに仕上げるのか、その方法について詳しく解説します。

庭をデザインする際に庭と住宅外観をおしゃれに調和させる方法!

デザインのスタイル、テーマやテイストを決めよう

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デザインのスタイルは住宅と庭を調和させるために最低限必要なデザインの基本的な方向性です。例えば洋風スタイル、和風スタイル、モダンスタイルなどです。デザインには、スタイルの他にもテーマやテイストなどが考えられます。大きなデザインの方向性をスタイル、自分ならではのこだわりがテーマ、もっと細かい好みがテイストと分けて考えてみるとデザインを整理しやすくなります。

例えば洋風、つまりヨーロピアンスタイルが基本、テイストは地中海のリゾート風。または基本が和風スタイル、テーマは紫、テイストは田舎風など。写真の例だと、基本はモダンスタイル、テイストは日本風です。

庭と住宅のデザインスタイルが一貫していれば、簡単に統一感がでる

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最も基本的で重要なコンセプトはデザインのスタイル、例えば洋風、和風、モダンスタイルなどです。デザインスタイルが住宅と庭の両方で統一されていれば、比較的簡単に素敵に調和して見える敷地外観になります。

デザインのスタイルは、住み手にとって心地よいと思えるスタイルを設定しましょう。もしあまり好みがないなら、モダンスタイルがおすすめです。シンプルデザインが多いモダンスタイルは、他のテイストと組み合わせやすく汎用性が高いと言えるからです。

テーマやテイストを持たせれば、より味わいのある外観になる

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基本のデザインスタイルの他に、テーマやテイストを設定することによって自分ならではの素敵な世界観を表すことも可能です。テーマなら、白やベージュ、黒といったカラー、マリンスポーツや陶芸といった趣味などが考えられます。テイストは~風味、例えばナチュラル、リゾート、イングリッシュ、北欧、地中海などが考えられます。

ファニチャー類や玄関先の飾りつけもテイストによって選べばより統一された空間が作れます。写真の例なら、モダンスタイルの建築にアジアンリゾートの風味をつけたデザイン。シンプルながらリラックスされた雰囲気のラタンファニチャー、バンブーやカエデをポイントとした植栽、ウォーターガーデンなどが味をだしています。

住宅外観のスタイル別お庭のデザインのポイント

モダンな住宅外観に合わせたいお庭デザインのポイント

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モダンな住宅外観なら、装飾が少ないシンプルな面や立体で表現された要素が多くなります。建物がモダンでシンプルなスタイルなら、ウォールやフェンス、テラスや園路などの庭の要素も抽象的・幾何学的な形状やグラフィカルな配置に徹するとまとまりやすいです。

植栽もはっきりした形を見せるように配置するとモダンスタイルによく似合います。彫刻のようなインパクトのある形状のヤシ類、サボテン類、多肉植物をつかうほか、モクセイ類やツゲ類を刈り込んだりグラウンドカバープランツを列植・群植したりして幾何学的な面やボリュームを見せましょう。

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逆に、ミニマルでモダンな外観だからこそコントラストをなすような庭をコンセプトにするのも素敵です。住宅が白い四角い箱のような形でも、庭は森や草原を切り取ってきたようなデザイン、もしくは割肌の石などラスティックな素材を対比的に使うのもありです。

和風の住宅外観に合わせたいお庭デザインのポイント

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和風住宅なら和風の庭が最もよく似合います。ただ回遊式庭園や苔庭のような伝統的な庭園だとそれなりの管理が必要です。そこで現代の生活スタイルに合わせて和の庭のエレメントを取り入れていくのがおすすめです。板塀や竹垣、飛び石、延べ段、砂利、自然石などは現代の庭にも気軽に取り入れられる要素です。

植栽は日本で流通の多い株立ちの樹木をメインに、地被類をあわせてしっとりとまとめましょう。日本の野山をイメージしたナチュラルな風景を再現しても良いですね。竹や笹も和の雰囲気を盛り上げるのに役立つ植物ですが、都市住宅の庭で地植えする場合は地下茎の対策が必須です。

洋風の住宅外観に合わせたいお庭デザインのポイント

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洋風をヨーロッパなどの欧米のデザインとすると、どの国かによってデザインのポイントがちょっとずつ違ってきます。そこでイメージする国や地域をより明確にすると住宅の外観と庭のデザインがはっきりし、マテリアルなどが決めやすくなります。また住宅外観は地域特性はあまりないシンプルな洋風とし、地域的な特徴はテイストとしてガーデンデザインに足していくという考え方もできます。

イングリッシュコテージ風ならレンガや自然石のコバ積みのウォール、砂利敷きの園路、ローズガーデンやボーダーガーデンやなど。地中海風なら白い漆喰仕上げの外観やウォールにラベンダーやオリーブなどの地中海気候で育つ植物など。北欧風ならモノトーンやカラフルな色合いに塗装された板張りの住宅外観に素朴なフェンス、シラカバやコニファーをシンボルツリーとした芝生の庭など。

詳しくは過去の記事もご参考ください。

憧れのイングリッシュガーデンを実現する方法!小さなスペースでも特徴的な要素で実現可能

憧れの地中海ガーデンを実現する方法!自宅にいながらリゾート気分を味わおう!

憧れのフレンチガーデンを実現する方法!エッセンスを理解すれば奥行き1.5mでも表現できる

憧れのイタリアンガーデンを実現する方法!高低差のある敷地は、イタリア風の庭園にするビックチャンス

憧れの北欧ガーデンを実現する方法!季節を感じる庭でアウトドアライフを充実させる

ミックススタイル、ミックステイストの住宅外観に合わせたいお庭デザインのポイント

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どんなスタイルも、どんなテイストも自由にマッシュアップさせて自分スタイルにすることができます。しかしこの場合も、あまりたくさんの要素をつめこんだのでは雑然としてしまいますので、いくつかに要素をしぼったほうがきれいにまとまります。そして住宅の外観の色やマテリアルといった要素が庭でもリピートして見えれば調和しやすくなります。

写真はモダンな住宅に様々なミックステイストの要素が見られます。赤いベンチはインダストリアルな感じのモダン、テラスはウッドやレンガが使われヨーロピアンでさらにアジア風の陶器鉢にカエデが植栽されていますが、ラスティックな素材感とダークな色合いでうまくまとめています。

新居の住宅外観スタイルごとの庭デザインを極める!プロが厳選した施工実例20選

モダンな外観に合う庭デザインの施工実例 5選

モダン住宅にはグラフィック模様を描くようにデザインされた庭が調和する

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モダンな住宅なら、庭の要素は、正方形・長方形・三角形・円もしくはそれらを立体的にした形状の要素を加えていくとかっこよくまとまります。ストライプ、ジグザグ、波状、市松模様などのグラフィック模様を描くような配置も効果的です。園路、ウォールやフェンス、テラス、植栽の配置などの要素に応用しましょう。

構築的な形の植物を少数合わせた庭なら、モダン住宅がさらにスタイリッシュに見える

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コンクリートやタイル貼りなどのどっしりとした印象のモダン住宅には、ソテツやヤシの木、サボテンや多肉植物などのはっきりした形の植物が映えます。植栽の数はしぼって余白をのこし、植栽の輪郭がはっきり見えるように気を使いましょう。

高木・低木を刈り込んで立体にすれば、まるで建物のように扱うことができる

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モダン住宅と相性のよい刈り込みは、ウォールや目隠しとして使うことも可能です。写真のように隣地との境に常緑や落葉樹の高木の生垣のレイヤーを設ければ、庭空間をまるで室内のように囲うことができます。単幹の樹木をリズミカルに並べ、アートとして楽しんでも良いですね。

ミニマルなモダンスタイルに草原のような庭を組合せれば、家と庭が引き立てあう

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白い箱型やコンクリート打ち放しのミニマルな外観のモダン住宅に、あえて草原のようなナチュラルな風景を組み合わせるとおしゃれです。緑陰をつくる落葉樹やオーナメンタルグラス類を選んで、シンプルな背景に季節の彩りを添えましょう。

真っ白なモダン住宅なら、濃い緑の里山風景を組み合わせればコントラストを楽しめる

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こちらの例もモダン住宅の真っ白な背景に、濃い緑のボリュームを対比させたような庭のデザインです。里山の風景を再現したような庭ですが、玄関アプローチはミニマルな印象の白い大判タイル。あくまで自然と人工のコントラストを効かせるのがおしゃれに見せる秘訣です。

和風の外観に合う庭デザインの施工実例 5選

少ない要素で和を表現すれば、実現も管理も容易

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本格和風でなくても、和の雰囲気を持つ住宅+庭が可能です。写真の例では引き戸の門や板塀、株立ちの雑木と地被植物という少数の和の要素をバランスよく採用。スマートに敷地全体が統一された現代の和スタイルを実現しています。

飛び石まわりに植栽すれば、緑豊かな和風アプローチになる

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玄関アプローチが庭のメインになるような和風住宅なら、和風の小道ガーデンにするとまとめやすくなります。小道は飛び石でも、乱貼りの飛び石風でも。石の形を利用して不定形な緑地を設け、モミジ、松、ナンテン、アセビなど和の植栽をあしらいましょう。

建物にも庭にも縦格子を用いれば、和の庭の背景として調和しやすい

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縦格子は竹垣に比べればずっと現代的の庭にマッチしやすい和の要素です。建物の外壁や敷地境界に使えば目隠しになるうえ和の植栽を引き立てる効果もあります。

竹を列植すれば、簡単に整った和の外観にできる

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竹は和風建築と相性が良い植物の一つ。玄関アプローチの片方、もしくは両脇に列植するだけで簡単に整った印象をつくることができます。写真のように石の延べ段と砂利の舗装、竹垣、置き行灯など和の要素を追加すればさらに和のスタイルが完成に近づきます。

舗装の一部を緑地に変換した和の庭コーナーなら簡単に実現できる

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和風のモダン住宅の玄関アプローチには御影石の舗装が似合います。舗装を一部とって緑地にすれば、最小限でモダンな和の庭が実現できます。ヒメシャラ、エゴノキ、アオダモなどを中心に植栽し、地面には砂利と自然石でベースをつくり、ところどころタマリュウやサツキで緑を添えましょう。

洋風の外観に合う庭デザインの施工実例 5選

シンプルな洋風住宅に南ヨーロッパ的な要素を追加すれば、素敵なテイストに

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白い外壁、切妻屋根のシンプルなヨーロピアンスタイルの住宅なら、テイストを足して様々なイメージに近づけることが可能。写真では白いウォール、オリーブの木、素朴な素焼きの鉢などを合わせて南ヨーロッパテイストを表現しています。

前庭が充実していれば、ヨーロピアンカントリースタイルが映える

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ヨーロピアンカントリースタイルのハウス&ガーデンを生かせるのは、大きな前庭です。ナチュラルカラーの住宅外観に合わせ、自然石の風合いを生かしたウォールや玄関アプローチを配置。前庭には広々とした芝生の庭、通路やウォール沿いに季節の花が咲くボーダーガーデンを設けましょう。

植栽エリアが限られているなら、鉢植えや壁面緑化で洋風ガーデンにできる

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ヨーロッパの密集した都市住宅の外観は、すぐに日本の洋風の都市住宅で応用が可能です。前面道路や駐車スペースで緑地が限られるなら、鉢植えで緑化しましょう。加えて外壁に藤やつるバラなどを這わせれば緑豊かで素敵な外観になります。

住宅がレンガの外観なら、ツゲの刈り込みの中に花木を植えればきちんと見える

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住宅がレンガ貼りなら、ヨーロッパの郊外都市の雰囲気のガーデンが似合います。素材をそろえたレンガ敷きのエントランスアプローチ、ツゲの刈り込みで整えた玄関前に花木を植えればいつも整った印象の外観になります。花木はセイヨウニンジンボクのほか、サルスベリ、マグノリアなどが似合います。

赤いパネル貼りの北欧風木造住宅は、リンゴの木や素朴な柵で統一感をだせる

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北欧の木造住宅を思わせる外観なら、素朴な北欧風の庭を合わせるのが正攻法。木の簡易な柵に砂利や自然石敷きのエントランスアプローチ、一部にウッドデッキのある芝生の庭がよく似合います。植栽ならシラカバ、コニファー類、ライラック、リンゴの木、ブルーベリーなどがぴったりです。

ミックススタイルや様々なテイストのハウス&ガーデン施工実例 5選

モダン建築×ボーダーガーデンなら、快適も彩りも手に入れることができる

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イギリスの田舎の庭にありそうなボーダーガーデンをモダンスタイルの住宅建築の前庭に施工した例。庇のついた快適なテラスからボーダーガーデンを眺めて楽しむことができます。通路はコンクリート平板をリズミカルに並べ、庭空間をモダン建築に調和させています。

モダン建築×水辺や湿原の風景なら、リゾートの雰囲気を醸し出せる

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水辺がテーマのガーデンは数多くありますが、水面がなくても水辺の雰囲気をだせます。エントランスアプローチよりも緑地を低く設け湿原に続く木道をイメージさせる庭があれば、まるで水辺に立つ別荘のような光景に。

ナチュラルモダン×ドライガーデンならドライでスタイリッシュな雰囲気に

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角がまるまったしっくい仕上げのナチュラルモダンな住宅は地中海風、砂漠のドライガーデンなどさまざまなテイストに合わせられます。サボテン、アガベ、アロエなどを植栽したドライガーデンは夏の暑さと乾燥の激しい都市部の庭にも合います。

欧米での日本庭園を逆輸入すれば、洋風にもモダンにも調和する

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住宅は洋風、でも和の雰囲気も生かしたい。そんなミックススタイルなら、欧米での日本風庭園の施工例を参考にしてみましょう。例えば写真では、芝生とテラスの一画に和風のコーナーを実現した例。紅葉と石灯籠、白砂や自然石が和風ですが、ヒューケラや芝、ラチスフェンスはどこか洋風なのにうまく調和しています。

どんなスタイルでも、自分テイストに仕上げられればそれでOK!

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写真は洋風住宅にカラフルな花を植えた洋風ガーデンで美しく調和した外観ですが、よく見るとフェンスに面白いオーナメントがついています。庭を自分だけの野外美術館として、好きなオブジェやアート作品で飾って自分テイストにすれば、注目を集めるオリジナルな庭ができますね。

まとめ

建物と庭が美しく統一されて素敵な世界感をだすには、双方に共通するデザインコンセプトが必要です。デザインコンセプトを、基本となるスタイルやテイストなどを厳選したうえであらかじめ設定しておけば、素材や色、植栽が選びやすいうえ結果的にまとまった仕上がりになります。

今後もまだまだ素敵なガーデン&ハウスの実現方法について説明していきます。次回は、道路、敷地、住宅、それぞれの位置関係からみたガーデンプランについてです。それぞれの位置関係によってどうすればおしゃれなお庭のあるマイホームができるか解説しますので、お楽しみに!

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