Hello Interior 思い描いた部屋に住もう

   

【プロが指南】庭におしゃれなガーデンキッチンを建てよう!素敵な事例もたっぷり紹介

橋本朝子
著者:橋本朝子 (一級建築士)

フィンランド在住。法政大学建築学科卒業。建築設計事務所、ガーデニング設計施工会社を経て独立。現在はフィンランドで個人邸宅の庭をはじめ、学校、店舗、公園など幅広い外部空間の設計を手掛ける。設計のテーマは、「毎日の暮らしがより楽しくなるガーデン」。住まいは築50年の住宅。インテリア、ガーデンともにリノベーションを重ねて家族と住む。趣味はアップサイクル。

家族や親しい友人を集めて庭でバーベキューパーティー、憧れますよね。庭でバーベキューというと、スタンド付きのカセットコンロや炭焼きを芝生において肉を焼くようなイメージをするかもしれませんが、今注目を集めているのはその進化形ともいえる、ガーデンキッチンです。

よくデザインされたガーデンキッチンがあれば庭での調理や仲間と過ごす時間がもっと充実するだけでなく、おしゃれな庭として見て楽しむこともできます。キッチンの設備を庭で実現するとは、少々ハードルが高く感じられるかも知れませんが大丈夫。これからガーデンキッチンの実現方法を解説します。我が家でも取り入れられる、さまざまな素敵な実例もたくさんご覧くださいね。

来客が驚く!おしゃれなガーデンキッチンを実現する方法を教えます。

そもそもガーデンキッチンとは?

https://www.pinterest.jp/pin/345932815142556358/

ガーデンに設けられたキッチンことを、ガーデンキッチンと呼びます。アウトドアキッチン、アウトドアグリルと言われる場合もあります。室内同様、調理に必要な設備をまとめた場所のことです。給排水設備や炭・ガス、もしくは電気によるグリル、調理台をそろえるのが一般的です。

ガーデンキッチンと連続させて、食事ができるスペースを設けると良いでしょう。

https://www.pinterest.jp/pin/844143523886175966/

ガーデンキッチンは家族と普段の週末のひと時を楽しんだり、友人たちを集めて家でパーティーするようなシーンで特に魅力を発揮します。より自然に近い開放的な環境の中で、会話を楽しみながら調理したり食べたりする贅沢な時間を楽しむことができるのがガーデンキッチンの醍醐味です。

またそのようなライフスタイルを庭でアピールすることにもなり、ガーデンキッチンがあるだけでもおしゃれなハウス&ガーデンを演出できます。

ガーデンキッチンのデザインについて考える

https://www.pinterest.jp/pin/25755029107845385/

ガーデンキッチンの構造や素材は、住宅や庭のイメージに合わせると一体感が生まれます。ヨーロピアンカントリーデザインなら石やレンガなどを使用したラスティックなイメージに、モダン住宅なら金属製やコンクリート、タイルなどですっきりしたデザインに。

DIYの得意な人なら木製を中心に考えても良いでしょう。木製は洋風にもモダンにも合いやすく、機能的でありながらナチュラルな雰囲気を出すことができます。また塗装でイメージを変えることも可能です。

https://www.pinterest.jp/pin/311663236686444036/

キッチンのレイアウトも重要な要素です。室内のキッチン同様、I型、L字型、U字型、アイランド型のガーデンキッチンが考えられます。I型なら最小限のスペースで実現でき機能的です。L字型やU字型ならより存在感のある大型のキッチンになります。アイランド型なら対話を楽しみながら調理ができます。庭のサイズや使い方を吟味してデザインしましょう。

ガーデンキッチンの設置場所について考える

https://www.pinterest.jp/pin/775885842073574487/

ガーデンキッチンはテラスの一画に設置することが多いです。外で調理して、外で食べるのが目的なので、テーブルやソファ、ベンチなどがあるコーナーの一画に取り入れると良いでしょう。テラスが建物に付属しているなら、建物外壁を上手に利用したり、逆に建物の反対側の手すりとなる場所に設置しても良いでしょう。

https://www.pinterest.jp/pin/293156257003674347/

広い庭なら、あえて母屋から離れた場所にパーゴラやガゼボを建設してキッチンを設けることができます。より自然に近い環境や、日常の空間から少し離れた場所での新鮮なひと時は、究極の贅沢といえるでしょう。

プールサイドに設ければ、ビーチリゾートにあるラウンジのようなおしゃれな庭になります。キッチンガーデンの中に設ければ、収穫した野菜を調理してそのまま外でいただくことも可能です。工夫次第で他にはない、オリジナルなガーデンキッチンにしてみるのも良いですね。

ガーデンキッチンに取り入れる機能について考える

https://www.pinterest.jp/pin/819584832208324461/

アウトドアキッチンに必要な最小限の設備は、グリルと作業台です。グリルはバーベキューや焼肉など、アウトドアでの調理に欠かせない設備であり、食材を美味しく焼き上げることができます。作業台は、食材の下ごしらえや調理時に常に必要になります。

https://www.pinterest.jp/pin/441212094761784835/

次には、水栓と排水設備、シンクがあると、調理の効率がさらにアップします。調理時に食材を洗ったり、調理後の後片付けをガーデン内で完結させることができます。棚や引き出し付きなら調理器具や食器類の保管に便利ですし、ミニ冷蔵庫があれば食材や飲み物を母屋まで取りにいく手間が省けます。家電類をガーデンで使うなら、野外用コンセントも必要です。

ガーデンキッチンエリアに屋根がついていれば、設備類を風雨から守ってきれいな状態を保つことができます。その場合、グリルやピザオーブンの上に換気扇を設ける場合もあります。またキッチンに照明器具がついていれば夕方以降の作業が簡単になるうえ、暗い時間帯のムードアップにも一役買います。

後悔したくない!気になる情報も事前に検討しておきましょう。

必要な広さは?価格は?!

https://www.pinterest.jp/pin/447052700524964026/

最小限のガーデンキッチンなら、場所をとりません。独立型で調理台付きのバーベキューコンロのサイズは80×60センチほど、予算は10万円ほどです。室内のキッチンのようにコンロ組み込み型なら、コンロの価格+作業台のスペースで120×60センチほどの設置スペースが必要。施工を依頼すれば予算も30万円以上かかります。

L型やU形にするには、キッチン自体のスペースが2×2メートル程度となります。その場合の予算は大きさにもよりますが50万円以上はかかります。給排水設備、電気設備など専門的な施工が増えるにつれ材料費+施工費が増えます。キッチン本体だけでなく、テラス床やダイニングセットなどの費用も見ておくと良いでしょう。

こんなケースに気をつけろ!失敗しがちなパターン紹介

https://www.pinterest.jp/pin/65443000812623085/

ガーデンキッチンを実現する際、最も注意したいのが火災や事故の危険性です。狭い空間にたくさんの設備をつめこんだ結果使い勝手が悪くなり事故につながったりしないよう、調理や配膳の手順を考えながら慎重に計画しましょう。

例えばコンロの背後には最低1m自由に動ける空間が必要です。この空間にはものを置いたり段をつけたりしないほうが安全です。熱調理された食材をスムーズに食卓に提供できるよう、導線にも注意を払いましょう。調理台と食卓の間の床に高低差があると、皿や鍋をもって上がり降りすることになり危険です。

https://www.pinterest.jp/pin/77898268542188634/

野外といっても、建物と連続している屋根付きのスペースにガーデンキッチンを設けるなら、換気設備があったほうが良いでしょう。換気扇があれば、煙が室内に流れるのを防ぐことができます。

住宅のプロは知っている。ガーデンキッチンを検討するときに、問合せて見てほしい会社

https://www.elg-inc.jp/kojin/bbq.php

グリルと調理台がセットになり、簡単に着火できるガス式のバーベキューグリルは、ガーデンキッチンを始める最初の一歩です。ガスバーベキューグリル専門に扱っている会社に問い合わせて、我が家にぴったりのバーベキューグリルを見つけましょう。

ELG(イーエルジー)株式会社

プロが教える!ガーデンキッチンを取り入れたおしゃれなガーデン実例12選

置くだけの簡単ガーデンキッチン編 6選

野外版ミニキッチンなら、最小限スペースでガーデンキッチンが完成

https://www.pinterest.jp/pin/10133167901613536/

コンロ、作業台、水栓とシンクがコンパクトに収まっている既製品のミニキッチンなら、置き家具の感覚で取り入れられます。テラスの片隅に設置して給排水を接続するだけで、工事が簡単です。黒・ウッド・ステンレスのカラーの組み合わせがモダンです。収納スペースにもなる棚も便利です。

ルーフガーデンにも使えそうなコンパクトな写真のキッチンはRoshultsの製品です。

本当に簡単、IKEAで買ってきて組み立てるだけで完成

https://www.pinterest.jp/pin/28499410132518441/

もう少しスペースのあるテラスなら、ガーデンキッチンのユニットを組み合わせてI型、L型、さらにはコの字方などお好きな形につくることも可能です。イケアのGRILLSKÄRシリーズなら、グリルと作業台、シンク台がすべて同じ高さ、同じ素材で組み合わせることができ、統一感のあるキッチンになります。

木製のワゴンを利用すればナチュラルカラーのガーデンキッチンになる

https://www.pinterest.jp/pin/694328467565758452/

野外用の木製ワゴンを組み合わせてガーデンキッチンを作った例です。バーベキューコンロをはめ込む穴をつくれば、最初から組み込んであったかのような完成度です。写真のガーデンキッチンは実はワゴンが3つだけの簡単なつくりですが、背後のウッドフェンスを棚に利用するなどして大きなスペースに見せています。

U字溝など工業製品を利用すれば、積むだけで安定した調理台になる

https://www.pinterest.jp/pin/453737731225394966/

U字溝やコンクリートブロック、有穴ブロックを積んで板を渡せば、調理台が出来上がります。調理台の高さは85センチが目安です。お手持ちのグリルの高さをうまく調節してください。コンクリートのテクスチャーはそのまま楽しんでもよいですし、好きな色に塗装しても素敵です。

屋根付き、収納付きのグリルスタンドをDIYすれば便利で素敵なアクセントに

https://www.pinterest.jp/pin/345932815142557541/

写真はウッドパネルで箱状のスタンドを作り、中に棚をもうけて電気式のバーベキューコンロを設置した例。家の外壁やウッドフェンスと同じ色の塗装で統一感を出しています。調理器具を整理整頓もできて便利なうえ、テラスの良いアクセントにもなっています。

グリルできるファイヤーピットを置けば、キャンプファイヤーと食事が両方楽しめる

https://www.pinterest.jp/pin/861383866250887126/

ガーデンキッチンも良いですが、グリルできるファイヤーボウルはまさにファイナルアンサーかも知れません。ファイヤーボウルのまわりにスツールを置くだけで、キャンプファイヤーもおいしいグリル料理も味わえます。省スペースで実現でき、使用していない際も庭のデザインのアクセントになってくれます。

庭の暮らしを思い切り楽しむガーデンキッチン編 6選

パーゴラ下の空間を囲えばカウンターバーのようにおしゃれ

https://www.pinterest.jp/pin/4222193392435582/

ウッドデッキの一部にパーゴラを建設しパーゴラの柱の間にキッチンカウンターを設ければ、コの字型のまとまった空間のガーデンキッチンになります。グリルやシンク、冷蔵庫があれば立派なバーカウンターとしても機能します。こんなウッドデッキでパーティーをすれば、ゲストをわくわくさせることができますね。

ガーデンキッチンでハーブを栽培すれば、新鮮なまま食卓へだせる

https://www.pinterest.jp/pin/1099159852787921312/

ガーデンキッチンの調理台の上に多めに棚をつくり鉢植えのハーブやレタスを育てれば、摘み取ってすぐに食卓にだせます。家庭菜園とガーデンキッチンが同じ場所にあれば、収穫物をすぐにあらって調理することもでき便利です。

ガーデンキッチンに暖炉があれば、秋の夜を野外で楽しめる

https://www.pinterest.jp/pin/613334043016986613/

バーベキューで思い切り食べた後くつろいでいると、夜がふけて寒くなってきます。ガーデンキッチンの脇に暖炉を設けておけば、薪をくべてゲストを温めてあげるおもてなしができますね。

キッチンガーデンまわりに照明を組み込むことで、夜の庭がムーディーになる

https://www.pinterest.jp/pin/797770521498249829/

テラスに設けたキッチンガーデンまわりは照明でさらに機能やデザイン性を高めることができます。例えば調理台には壁付けの照明器具、パーゴラや屋根があるならペンダント式照明器具やガーラントのデコレーションライトを取り付けることができます。照明デザイン次第で、夜はまた一味変わった素敵な空間になります。

室内のキッチンと連続感を持たせれば、より広々した空間に見せることができる

https://www.pinterest.jp/pin/306033737190321788/

室内キッチンがすぐ外のウッドデッキに面しているならラッキーです。同じ色合いのキッチンカウンターを庭側にも設置してグリルを組み込みましょう。室内をまるでコピーするかのように、キッチン、ダイニング、リビングルームをウッドデッキにも設けましょう。これで生活空間の面積も楽しみも倍増します。

パビリオン×ガーデンキッチンなら、もうレストランに行く必要がない

https://www.pinterest.jp/pin/69876231718048578/

大きなペンダント照明がポイントのパビリオンの下にキッチンやダイニングセット、ソファーセットを備えれば、どんなレストランに出かけるよりもラグジュアリーな時間が過ごせます。パビリオンまであるく小道まわりには季節の花を植えて素敵に演出してくださいね。

まとめ

週末には家族や友人と一緒に、バーベキューをして楽しみたい、ガーデンパーティーができる庭にしたい。それならガーデンキッチンがおすすめです。グリルとちょっとした調理台さえあれば、ガーデンキッチンは可能。室内キッチンのように給排水とシンクがついていればなおキッチンらしくなります。

ガーデンパーティーのためにあると便利なものは他にもたくさんあります。ウッドデッキやタイルの床のテラス、冷蔵庫、収納、屋根やパーゴラ、照明器具など。ガーデンキッチンがあるだけで、ライフスタイルが充実し、人々の注目をあつめるワンランク上のガーデンになりますよ!

Hello Interior LETTER

"こだわりのある大人" のための
インテリアのヒントをメールでお届け

インテリアのプロが毎月2通配信♪
2,000名以上の方が購読中♪