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【プロが教える】玄関土間でおしゃれなインテリアを実現する方法!土足で入れる室内空間は色んな楽しみ方ができます

河野ゆみこ
著者:河野ゆみこ (二級建築士/インテリアコーディネーター)

nook interiors代表。一般社団法人感性ひらく空間代表理事。 住宅設備メーカーや住宅コンサルタント会社での勤務を経て独立。日常の中に非日常を感じさせる住空間づくりをコンセプトとし、住宅やオフィス・医療施設・店舗など約1200件の設計やインテリアコーディネートに携わるほか、セミナー講師、コラム執筆も行っている。

外から土足のまま入れる室内空間である土間は、かつての日本の住宅では一般的なスペースでした。

現在では土間を取り入れた間取りはむしろ珍しい存在となりましたが、さまざまな用途にフレキシブルに対応できるとして見直されてきている傾向にあります。

今回は玄関土間に注目し、おしゃれな取り入れ方や参考になる実例の紹介を通して玄関土間の持つ魅力に触れたいと思います。

 

来客が憧れる!玄関土間でおシャレなインテリアを実現するポイント

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年配の方にとっては、玄関土間は懐かしさを覚える場所かもしれません。しかし、土間のある生活空間で過ごした経験が少ない若い世代の方にとっては、おしゃれなスペースのひとつとして認識されていることが多いようです。

玄関土間の採用によってワンランク上のインテリアを実現するために押さえておきたいポイントをまとめましたので、参考にしてみてください。

 

玄関土間とは?

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土間というつくりは、厳密には、土間とは石や漆喰で仕上げた床面を指します。コンクリート打ちっぱなしにして仕上げた土間は土間コンクリートと呼ばれます。

縄文時代の竪穴式住居ですでに存在していた土間は、その後床を板で仕上げた板敷への変化を経て、江戸時代に町屋や農家に浸透していきました。町屋では客が履物を脱がずに商品を見ることができるよう通路や軒先に、農家では農具の手入れや農作業中の食事をする場所として玄関と小上がりの間に土間を設けるのが一般的でした。農家の場合は、複数の世帯で共同で農作業をすることも多かったため、忙しい作業の合間にわざわざ家の中まで入らなくても会話ができるコミュニケーションの場としても使われていたようです。

明治時代に入って生活様式が洋風化したことに伴い、畳などと同じく土間も急速に廃れていきました。しかし現代では、玄関まわりの拡張を目的とした玄関土間をはじめ、さまざまな用途に対応できるスペースとして土間が再び注目されてきているのです。

 

玄関土間のメリットとデメリットとは

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玄関土間を間取りに取り入れる住宅は増えてきていますが、メリットとデメリットの双方を検討段階でしっかり確認しておくことが大切です。

玄関土間を設けるメリットとしてまず挙げられるのは、空間が広げられて開放感が高まるという点です。

リビングやダイニングと隣接していれば大空間が生まれますし、棚や二ッチスペースをつけてアート作品や観葉植物などを飾りアーティスティックな雰囲気を出すこともできます。車やバイクを置いてガレージハウス風の演出をすると個性的ですね。

玄関土間のスペースを使って収納場所を増やせるのもメリットのひとつです。普段家族が通る部分と収納部分とを分けておくと、アウトドア用品やベビーカーといった大型のアイテムを置く場所が確保できる上に、見せたくない物を隠すことで心理的にも落ち着けるでしょう。

対して、玄関土間を設けるデメリットとして考えられるのは居室スペースが減るという点です。敷地面積に対して建築できる住宅の床面積の上限は決まっていますから、上限ギリギリの床面積で設計する場合は玄関土間を設けた分だけリビングやダイニング、水まわりといった他のスペースの広さを削ることになります。

また、土足で歩けるのが玄関土間のよさですが、それだけ汚れやすく雨などの水分によって湿気がたまりがちです。窓や換気口など湿気がたまらないようあらかじめ対策しておくことが重要です。

 

玄関土間をおしゃれに取り入れるポイント1.居室や階段とつなげる

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一般的な間取りでは玄関は独立したスペースであることが多いもの。しかし、玄関土間のある玄関を居室とつなげると、大きな空間ができてとても開放的な雰囲気になります。

たとえばリビングやダイニングとつなげると、それぞれが独立した間取りよりもゆったりとした雰囲気が出せますし、キッチンとつなげると買い物から帰ってきて食材などを収納するのにアクセスしやすくなって便利です。

和室とつなげると、客間として来客をもてなしやすい上に、特別感が増して上質な空間の雰囲気を楽しむこともできるでしょう。

玄関土間と階段を直接つないだ場合は、来客時でも気兼ねなく上階へ行き来できるだけでなく、階段をオープンタイプにすれば吹き抜けと同じような見映えになって開放感が増します。

土間と室内は床面の高さが異なりますから、間仕切壁やドアなどで仕切らなくても視覚的にゾーニング(用途に合わせて室内を区分けすること)ができます。床面の高さの違いがむしろ玄関まわり全体を立体的に見せてくれる効果も得られて一石二鳥ですね。

玄関の次はホール、そして廊下…という一般的な間取りの形にこだわる必要はありません。家族構成やライフスタイル、趣味などに合わせて柔軟に間取りをデザインしてみてはいかがでしょうか。

 

玄関土間をおしゃれに取り入れるポイント2.趣味を楽しむ特別なスペースに仕上げる

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多少汚れても気にならない、土足のまま歩けるという土間の特徴を生かして、アウトドア系の趣味のスペースに仕上げるのもおすすめです。

駐車場とギャラリーを兼ねて室内からいつもお気に入りの車が見えるよう大きなガラス戸で仕切ったり、窓や照明、水道設備などを備えて雨の日でもバーベキューが楽しめるようにしたり。

家の外と中のどちらともゆるくつながる場所ですから、単なる通行スペースで終わらせず、好きなことを楽しむスペースにすると日々の生活もぐんと楽しくなりそうです。

 

玄関土間をおしゃれに取り入れるポイント3.見せる収納で個性を出す

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玄関は家族も来客も使う場所ですが、靴や傘をはじめ意外と物があふれがちです。玄関土間を設ける広さが確保できるのであれば、壁面を活用して収納スペースをつくってしまいましょう。

高さを自由に変えられる部材を使って棚を壁に設置すると、物の出し入れが楽な上に汚れやにおいへの対応もしやすくなります。どうしても見せたくない物があれば、扉をつけた収納スペースを一部造り付けてもいいでしょう。

小さな観葉植物やオブジェを一緒に並べてギャラリー風にする、大きめの鏡をさりげなく壁に立てかけるといった方法もおすすめです。特に鏡は、外出前の身支度のチェック用としてだけでなく、照明の光や自然光を反射によって拡散させることで明るい雰囲気に仕上げる効果も期待できますよ。

 

後悔したくない!気になる玄関土間の注意ポイントとは

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ゆったりとした玄関を演出できる玄関土間ですが、設置する際には注意点もあります。次に挙げる項目について設計段階からしっかり検討してください。

玄関土間を取り入れる場合の施工費の相場

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玄関土間の施工費は、仕上げ材の種類によって異なります。

もっとも多いのはコンクリート仕上げで、施工費は8,000~12,000円/㎡あたりが相場です。コンクリートから砂利を抜いたモルタル仕上げにする場合は3,000~5,000円/㎡程度になるでしょう。

玄関用タイルで仕上げる場合は4,000~5,000円/㎡、大理石や御影石で仕上げる場合は20,000円/㎡前後が相場と考えておきましょう。

施工費を抑えたいならクッションフロアを使う方法もあります。タイルやコンクリート、木などを模したデザインをはじめ柄や色が豊富で、施工費の相場も2,300~2,600円/㎡と安価です。ただし見映えは他の素材と比べるとやや劣りますので、玄関全体のインテリアを考えて選ぶことが重要です。

玄関土間は狭くても大丈夫?必要な幅は?

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一般的な玄関土間の広さは1畳前後です。横幅は成人2人が並んでゆったり通れるよう1800㎜前後が多く、奥行は玄関ドアを開けて小上がり部分まで3~4歩かかる900㎜前後が多いと言われています。これを基準として、玄関スペースに余裕を持たせたい場合は土間を広げていくといいでしょう。

デメリットのところでもお伝えしたように、建築面積の上限ギリギリで設計している場合は玄関土間を広げるほど居室の面積が減ります。通行に支障がない広さでいいのか、視覚的に余裕を感じられる広さにしたいのかは間取り全体のバランスで決めていくことが大切です。

こんなケースに気をつけて!失敗しがちなパターン紹介

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時々あるケースとして紹介したいのが、玄関土間の形状による動線への影響です。

たとえば玄関土間を細長い形状にして一番奥に小上がりを設けた場合、視線が奥に伸びて奥行きが深い空間に感じさせる効果がある一方で、室内に入るまでに長い距離を歩かなければならないというパターンは、意外と面倒に感じてしまうレイアウトです。

毎日使う場所ですから、見せ方を工夫しつつも動線はコンパクトにしておくのがおすすめ。特に家族に高齢者がいるのなら、足腰への負担を考えると動線の簡略化が必須ですから、使い勝手と見映えのバランスをよく検討してレイアウトを決めてください。

 

おしゃれな玄関土間インテリア実例10選

モダンスタイルの玄関土間インテリア実例

実例1.装飾を抑えた内装のスタイリッシュさが光る

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真っ白な壁と天井、薄いグレーの土間コンクリートという無機質な内装はとてもスタイリッシュ。節のあるフローリングの小上がりとのギャップが印象的です。

 

実例2.子供心をくすぐる仕掛けでいつまでもいたくなる空間に

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シンプルな内装だけに、刷毛目が残るコンクリートの玄関土間が目を引きます。壁1面を黒板仕上げにしてあるので、日替わりのインテリアを楽しめそう。

 

実例3.玄関土間から複数のアクセスが可能

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玄関土間からキッチンやダイニング、2階へ上がる階段と複数のアクセスができる間取りは、廊下を排除した効率的な動線が確保できます。間仕切壁やドアがないので空間に一体感がありますね。

 

北欧・ナチュラルスタイルの玄関土間インテリア実例

実例4.吹き抜けの下の玄関土間は癒しのセカンドリビング

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吹き抜け空間を素焼き風のタイル土間とパイン素材の内装材で仕上げると、リゾートホテルのラウンジのような雰囲気に。ついカウチソファを置きたくなる気持ちも分かりますね。

 

実例5.オープン階段との組み合わせでダイナミックな空間に

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圧迫感のないオープン階段の段板に誘われて視線が天井の方へ移り、空間の広がりを感じさせます。タイル仕上げの玄関土間と無垢フローリング、鉄骨の手すりという異素材の組み合わせのバランスも絶妙。

 

実例6.目地を目立たせたタイル土間がほどよいアクセントに

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特殊な張り方をしたタイルの目地を目立たせることで、空間のアクセントとなっている玄関土間。ミドルグレーの色合いが落ち着いた印象を与えます。

 

和風の玄関土間インテリア実例

実例7.直線で構成された凛とした雰囲気が魅力的

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モルタルに混ぜた石が見えるように仕上げた洗い出しの玄関土間と板張り天井との組み合わせで、上質な和の雰囲気たっぷり。ダウンライトの延長線上にある丸窓がフォーカルポイントになっています。

 

実例8.談話スペースを設けて長く過ごせる空間に

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大梁を残し、丸柱や塗り壁などで構成された談話スペースを玄関土間に設けた事例。ゆるくカーブしたラインで2色配色とした玄関土間の仕上がりが何ともお洒落です。

 

独自のスタイルを突き進む玄関土間インテリア実例

実例9.どこにいても家族の気配を感じられる開放感が魅力

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低めの小上がりから和室や板張りスペースへと直接出入りできる開放的な間取り。玄関土間から居室や奥の階段まで視線が通り爽快な気分で過ごせそうですね。

 

実例10.漆黒の玄関土間が空間を引き締める

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深みのある黒色の玄関土間は、シンプルながらどこかモダンな雰囲気が漂います。天井面と色をそろえているあたりにセンスの良さが感じられますね。

 

まとめ

家の中と外をゆるくつなぎ、雨をしのぎながら土足でくつろげる土間は間取りの構成要素の中でも独特の存在感があります。

収納を兼ねたり隣接した空間を広く見せたりするだけでなく、何も置かないことで空間の余白を味わうといった楽しみ方もできるので、毎日の生活の質が上がるはず。

今回紹介した事例を参考に、個性的な玄関スペースづくりをぜひ検討してみてください。

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