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【プロが教える】アッパーライトでインテリアをおしゃれにする方法!屋内でも屋外でも間接照明を取り入れる

佐伯美知枝
著者:佐伯美知枝 (二級建築士/インテリアコーディネーター)

宿泊施設専門のコンサルティング会社にて、旅館やホテルのオープン・リニューアル案件を担当。その後インテリアショップ「カギロイ」勤務を経てフリーのコーディネーターに転身。小型犬+家族3人暮らし、自宅は古材家具に囲まれた和モダン風です。心身共にリラックスできる居心地良いお部屋づくりをモットーに、様々なインテリアをご提案できるよう心掛けています。

照明は、素敵なお部屋づくりに欠かせない、重要なインテリアエレメントのひとつですね。光の90~100%が下方向に照射され、作業面を明るく照らす照明を「直接照明」とよびます。シーリングライトやペンダントライトなど、このタイプの照明は馴染みがある方はきっと多いことと思います。

それでは、下方向へ放たれる光の量が全体の10%とされる、「間接照明」がある暮らしを楽しまれている方は、どれくらいいらっしゃるでしょうか? 今回は、直接照明よりもやや取り入れ方が難しそうなイメージがある間接照明のひとつ、「アッパーライト」に注目したいと思います。

アッパーライトの使い方のコツを知ると、お家の雰囲気が大きく変わるはず。種類や取り付け方、設置例をもとに、アッパーライトを使うとどのような雰囲気づくりができるのか、そのアレンジの幅広さをご紹介します。

アッパーライトとは? アッパーライトの取り付け方は?

アッパーライトとは?

https://sumai.panasonic.jp/lighting/home/homearchi/stand/

アッパーライトとは、主に光が上向き(アッパー)に照射される間接照明をさします。直付けや埋め込み型のほか、レール型、スタンド型、ブラケット型などさまざまな形状があり、屋内・屋外と場所や用途別に、さまざまな専用器具が揃います。

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アッパーライトを設置する前に考えておきたいのは「照らす対象や目的をはっきりさせること」。それによって「拡散型」か「集光型」かの配光パターンや、光源の色が決まってきます。

「拡散型」は光が緩やかに広がるので、照らす対象とその周囲を、全体的に明るくしたい場合に最適。例えば、廊下や階段の壁面にアートなどを掛けていたり、暗くなりがちなお部屋のコーナーを明るくする場合などにおすすめです。

対して「集光型」は1か所を集中して照らすため、光が当たる場所と当たらない場所の差がはっきりでます。例えば、お部屋の天井高さを印象づけたいなら、天井面に向かってまっすぐに光が伸びる「集光型」が望ましいでしょう。

他に、「集光型」と「拡散型」を併用する「配光ミックス型」や、調光スイッチ付きの明るさを調節できるタイプもあります。

光源の色は、メーカーによって異なりますが、オレンジっぽく温かみがある「電球色」と、太陽の明るさに最も近い自然な「昼白色」から選ぶのが一般的。お部屋全体の照明バランスを考慮しながら、なるべく周囲と同じ光源色を選ぶと、周囲の灯りとの調和がしやすくなります。

アッパーライトの取り付け方

●スタンド型 

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スタンド型は、コンセントに差し込むだけですぐに使えるものがほとんどです。自由にレイアウトできるのはもちろん、アームやシェードを曲げることができるタイプなら、光源の角度や向きを調整できるので使い勝手が抜群。

背が高いライプのアッパーライトは、光が直接目に入りにくいのでグレア(不快感や物の見えづらさを生じさせるまぶしさ)の心配もほとんどありません。調光可能タイプもあります。

●ダクトレール(ライティングレール)+スポットライト型

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引掛けシーリングを使って取り付ける「露出型ダクトレール」であれば、ご自身での設置が可能です。しかし、天井や壁に直付けしたり、埋め込んだりするダクトレールの場合は、電気工事が必要となるので専門業者に依頼しましょう。

ちなみに、ダクトレール一本あたりの最大ワット数は1500Wまで(スイッチが1つの場合)。光源の向きや角度を自由に調整できるダクトレール用スポットライトを複数個設置して、アッパーライトとして使用しましょう。

●床埋め込み型

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屋内・屋外用ともに、埋め込み型照明や投光器を使用する場合は、専門業者による設置が義務付けられています。とはいえ、見た目がすっきりと仕上がるなどメリットも多いので、新築・改築の際は積極的に検討してみたいもの。

写真のような廊下をはじめ、階段、玄関の一部に設置すれば、光の通り道や、光が集まるたまり場をつくる演出もできますね。ダウンライトやブラケット照明などと併用するのもよいでしょう。

アッパーライトを楽しむ方法!おしゃれを楽しもう

就寝前やリラックスタイムのひとときを、間接照明だけのライティングで過ごしてみる

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光があたる場所によって照度差が生まれる間接照明のライティングは、天井や壁に光がバウンドして跳ね返ったり、光のグラデーションが生まれたりと、さまざまなお部屋の表情を楽しむことができます。

写真はスタンド型ライトやダクトレール型照明など、複数の間接照明を組み合わせて、天井や壁を明るく照らした例。床が暗くても、天井に適度の明るさを確保すれば、お部屋が暗くなる心配は軽減されますね。

下方向からグリーンインテリアに光をあて、天井にシルエットを投影させる

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LED照明の普及にともない、LEDの光が植物を育成する効果を持つことが知られるようになってきました。LED照明のアッパーライトなら、観葉植物を美しく照らし出すだけでなく、太陽光の補助的な役割を担うこともできます。

写真は、エバーフレッシュに下方向からアッパーライトをあて、天井にシルエットを浮かび上がらせた例。照射範囲は広めの拡散型で、なるべく植物との距離を近づけてライトを設置するのがおすすめです。植物に熱が伝わりやすいハロゲンランプや、照度が不足しがちな蛍光ランプの使用は避けてくださいね。

取り付け方法!工事は必要?賃貸でも取り付け可能?

埋め込みで設置する場合

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埋込型アッパーライトを設置する際は、配線工事を伴うので、電気工事士の資格を持つ専門業者に依頼する必要があります。

壁を均一に明るく照らすなら、光が壁を伝って広がる「拡散型」、光と影の見え方にメリハリを出したい場合は、スポットライトのように光がまっすぐ伸びていく「集光型」がおすすめ。写真のような暖色系のオレンジ系色である「電球色」は温かみやリラックス感を、対して、寒色系の青みがかった「昼白色」は、爽やかでクールな印象を抱かせます。

賃貸でもOK! 床置きで設置する場合

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賃貸住宅にアッパーライトをとりいれるなら、上で挙げたスタンド照明を用いる方法がおすすめです。光源やシェード(笠)の角度を変えられるものが多く、なかにはアームが曲がるタイプも。

スタンドに複数の照明が附属しているなら、1つの光源を手元灯(直接照明)として使い、残りの光源は壁や天井を照らす間接照明として利用するのもよいですね。光の色や明るさなどをリモコンで操作できるタイプもあるので、使い勝手も併せて検討しましょう。

絶対はずさない定番アッパーライト3選

小さめサイズながら高演色性を実現:SF072W アッパーライト拡散型【Panasonic】

https://www2.panasonic.biz/ls/catalog/lighting/products/detail/shouhin.php?at=hinban_list&ct=zentai&id=S00121121&hinban=SF072W

「パナソニック」の美ルック(MiLook)シリーズのアッパーライト型LED照明です。LED照明は自然光との差異が若干みられるものが多いのですが、こちらは本来の色彩や色味をより美しく引き立てるよう、高演色性にこだわって開発されたもの。

フレームカラーは白と黒色があるほか拡散型と集光型から選ぶことが可能。光源が直接目に入らないように、ランプの位置を奥に下げたまぶしさに配慮されている点も安心です。

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■LED(高演色・電球色タイプ)230lm 40形電球1灯器具相当

■サイズ:幅80㎜×高さ120㎜ 0.6kg

床と天井間に張られたワイヤーで、レフランプの高さを自由に調整できる:PARENTESI(パレンテジ)SSN-EU0012【FLOS(フロス)】

https://www2.lighting-daiko.co.jp/products/app/result?submitType=3&codeList=eu0012,eu0013

イタリアの照明ブランド「フロス」の創業期より活躍した、アキッレ・カスティリオー二によってデザインされた照明。1971年の発売以来のロングセラーの製品で、近代モダンデザインの傑作とも言われています。

床と天井の間にぴんと張られたワイヤーと、曲がったパイプとの摩擦で、レフランプの高さを自由に変えることができます。シンプルで無機質な印象ゆえ、数本組み合わせるとパーテーションのように空間を分ける使い方も可能。

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■E26 リフレクターランプ 100W×1ヶ

■サイズ:直径110㎜×高さ(MAX)4000㎜ 3.6kg

■素材:ゴム 鋼塗装仕上 ステンレス

逆円錐型の調光可能なアッパーライト:Pascal(パスカル)345【Oluce(オルーチェ)】

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イタリアを代表する照明ブランド「オルーチェ」が手がけた、2つの円錐状フォルムを逆さにしたアッパーライト型フロア照明です。

調光機能がついているほか、上下別に電源を入れることができるのでシーンによって使い分けることが可能。白色かつ上質なデザインは、北欧やモダンスタイルなどにぴったりです。

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■E26 白熱電球60W 両口ハロゲン球(R7s)250W 必要電球個数:3ヶ(白熱球2ヶ、両口ハロゲン球1ヶ)※LED対応不可

■サイズ:幅350㎜×奥行350㎜×高さ2000㎜ トップシェード直径400㎜

■素材:メタル、アルミニウム

アッパーライトのおしゃれな使い方!コーディネートサンプル10選

ここからは、屋内・屋外別に素敵なアッパーライトの設置例をご紹介します。壁面や床面に取り付けるものは基本的に電気工事を伴いますが、気軽に取り入れられるスタンド型もピックアップ。まずは、アッパーライトの種類と設置方によって、どのような見せ方や雰囲気づくりができるのかをイメージしてみてくださいね。

屋内で間接照明として取り入れた場合

コートフックとしても使える、高デザインのカップ型ウォールランプ

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カップ型のウオールランプを、壁面に等間隔で設置した例です。パウダーコーティング(粉体塗装)された丸いシェードから、優しい光が上方向に優しく広がっていますね。

枝状に伸びたコートフックはディスプレイとしても美しいフォルムですが、衣類の掛け場所として最適。玄関まわりに設置すると、フレキシブルな使い方ができそうです。

天井をライトアップすると、視覚効果で天井高が高く感じられやすい

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寝室の天井梁の上部に照明を仕込み、天井をライトアップした例です。梁の上部は配線コードのおさまりがしやすいので、ダクト(ライティング)レール型スポットライトやLEDテープライトなども設置しやすいでしょう。

光の効果で天井高が実際より高めに、かつ開放的な印象を与えますね。写真のような電球色の光源を使うと、リラックスした雰囲気に。

拡散型アッパーライトで、スケルトン階段のシルエットを際立たせる

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スケルトン(シースルー)階段下の床面に、埋め込み型アッパーライトを設置した例です。骨組みと踏み板だけで構成されるスケルトン階段のシルエットが、床から拡散される光によって美しく浮かび上がります。

三脚フロアスタンドで、インダストリアルな雰囲気を演出

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三脚型フロアスタンドを、リビングのコーナーに設置した例です。ブラックカラーのシェードと脚部が、白とベージュを基調としたインダストリアルテイストのリビングにしっくりハマっていますね。

そのまま置いてもオブジェのように決まるほか、照射角度を自由に調整できる点も、使い勝手が抜群なランプといえます。

フランク・ロイド・ライトが設計。アッパーライトとしても使えるフロアスタンド

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三大巨匠建築家のひとり、フランク・ロイド・ライトが設計したフロアスタンド「TALIESIN(タリアセン)2」を部屋のコーナーに配した例。複数のランプ(光源)を覆うセードの間にある遮光版をブロックの下側に設置すると、アッパーライトとして光が上方向に拡散されます。

屋外で取り入れた場合

樹木のシルエットを壁面に浮かび上がらせる「シャドーライティング」

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地面近くに照明を設置し、樹木のシルエットを壁面に浮かび上がらせたシャドーライティングスタイルのライトアップです。ほかに、日中太陽が当たりやすい場所なら、ソーラー充電式スポットライトを使ってみるのも手。光量はやや弱くなりますが、配線不要で電気代もかからず、自由に置き場所を選ぶことができます。

コンクリート打ちっぱなし壁の風合いを、アッパーライトで強調する

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階段の踏面(ふみづら)部分の端に、地中埋め込み型アッパーライトを設置した例です。コンクリート打ちっぱなし”杉板型枠仕上げ”の壁面の表情が、昼光色の光源によって効果的に強調されていますね。こちらは集光型のアッパーライトのようですが、照射範囲を広げたいなら拡散タイプを選んでもよいでしょう。

エクステリアライトは、デザイン性だけでなく防犯面の効果も期待できる

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建物の外壁や庭、門、塀、庭などをライトアップするエクステリアライトは、建物の外観を美しく見せるだけではなく、防犯面でも大きな効果を発揮します。写真は、ガレージそばの壁面にブラケット型のアッパーライトを設置し、壁面と天井部の外壁を照らした例。昼光色系の光源で白い壁を明るく照らしています。

地中埋込型アッパーライトで、人型オブジェをアートのように映し出すユニークな仕掛け

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地面に地中埋め込み型アッパーライトを設置し、壁面をライトアップした例です。光源はおそらく昼光色かと思われますが、人型のシルエットが映り込む姿はまるでアートのようですね。

地中埋め込み型アッパーライトの設置は電気工事を伴いますが、見た目がすっきり仕上がるのが特徴。壁面や軒下、ファサード、樹木のライトアップなど、さまざまな用途に使うことができます。

屋外用LED照明を竹に仕込んで、玄関まわりをライトアップ

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和風住宅の玄関前の階段に竹を設置して、屋外用LEDライトを仕込んだ例です。光源は温かみのある電球色。天然の竹以外にも、プラスチック製の竹やプラスチック製強化和紙などを使っても雰囲気が出るでしょう。

複数の照明を配置するなら、光源は光が広がる拡散型より、陰影のメリハリがつきやすい集光型がおすすめ。和風モダンテイストの玄関などにおすすめです。

まとめ

今回は、間接照明のひとつであるアッパーライトについてご紹介しました。どことなく単調な印象だった壁や天井、お部屋の死角だった場所が、アッパーライトの強い光の効果で、奥行や立体感がより強調されますね。

気軽に試してみるのなら、まずはコンセント式のアッパーライトから取り入れてみてはいかがでしょうか。均一にお部屋を照らす、シーリングやペンダントライトだけではみえてこなかった、お部屋の新しい表情に気付かれるはずです。